「ステラとしての活動の幅の広がり」
ガルディー歴 1283年 三の月 一日
今日はステラとして動いた。
私と同じように個人で回復魔法を学んでいる人達とも仲良くなれた気がする。
ガルディー歴 1283年 三の月 三日
一人で回復魔法を学んでいる人達の多くはただ魔法が得意になりたい人達ばかりだ。
ちはいえ、中には有名になりたいとか、聖女や聖人呼ばわりされたい人達も居る。有名になって成り上がりたいらしい。中には王族や貴族に見初められたい人も多いようだった。
私にはそんな気持ちは分からない。
ガルディー歴 1283年 三の月 五日
今日は『黄昏賛歌』に顔を出した。ギルドメンバーたちと一緒にこうして交流を深めることも大事だ。
推しのことばかり構っていて、他のことを蔑ろにしていても問題だもの。
自分の作ったギルドに対しての責任をとれていないのは大問題だもの。
ガルディー歴 1283年 三の月 六日
今日はお兄様の元へ顔をだした。お兄様と会う時はいつもひっそりとである。生で見るお兄様は相変わらずかっこいい。年々、美しさに磨きがかかっていると思う。
下僕さんが「妹様が主の見た目を気に入っているのもあって、身だしなみをきちんとなされています」と教えてくれた。私に喜んでほしいってことかな? お兄様ってそういうところは可愛いよね。
ガルディー歴 1283年 三の月 九日
ノルケーシア様のことを今日も見に行った。ノルケーシア様が楽しそうに健やかに過ごしているのを見るだけで私は幸せな気持ちになって仕方がない。
ノルケーシア様が頭を悩ますようなことも起こっていないみたいでそのことはほっとした。
ガルディー歴 1283年 三の月 十一日
ステラとしての活動幅をまた広げている。ステラを慕ってくれている人達も多くてそれはそれで嬉しいものだ。
あくまでステラはどこかに所属することなく、一人で回復魔法を極めようとしている人間だということは周りにも広まっているだろう。
『幻妖の魔女』とステラが同一人物だとは誰も把握していないだろうな。それはそれで面白い。
ガルディー歴 1283年 三の月 十四日
ステラとして活動中に、私に回復魔法を学びたいと提案してくる幼い子供がいた。幼いとはいっても実際の私と同年代ではあるけれど。
それにしても回復魔法を自由自在に使える人間って早々居ないから、幾ら私が教えようと思ってもそれが実際に形になるかは別だ。
結局のところ魔法に関しては、才能が大事だったりするし。
私は分家筋とはいえ、貴族の血を引くし、そういう才能を持ち合わせていて良かった。
魔法を使えなかったら、推し活も出来なかったもの。
ガルディー歴 1283年 三の月 十七日
別に誰かに魔法を教えることに関しては問題ない。
というより教えるということは、私自身に対する学びでもあるから。
だから子供達に魔法の才能があるかどうかを確認して教えることにする。とはいえ、ステラとして動いている時は回復魔法以外は教えないけれど。
ガルディー歴 1283年 三の月 二十日
ウィニーノから「ステラは本当に底が見えない」などと言われる。ウィニーノは私の身体が人形であることもすぐに見破ったし、優秀な傭兵よね。
いずれ、何かの拍子に私が『幻妖の魔女』だとばれたらそのまま『黄昏賛歌』に誘ってもいいかもしれないとそう思うぐらいにはウィニーノの優秀さを気に入っている。
本人は何処にも所属していない傭兵だから、ギルドに入るのも望まないかもしれないけれど。
ガルディー歴 1283年 三の月 二十一日
ノルケーシア様がステラのことを御友人と話していた。
私の話題を推しが出しているというだけでも私にとってはとても幸せなことだ。
直接、ステラとしてノルケーシア様に関わる気もないけれど認識されているというだけでも不思議な感覚だわ。
ガルディー歴 1283年 三の月 二十四日
『幻妖の魔女』もステラも国内外で名前が広まっていたりもする。
その正体や生い立ちに関して、あることないこと噂されていたりもする。
私の正体を探ろうとして、私に回復魔法を教わろうとしている子供達を買収している一味もいるみたい。
報酬を渡すから、ステラから話を聞いてほしいって。
そういうこともあるだろうと察しているから、必要以上に情報を私はしないけれど。
そもそも私が十歳の女児だっていう本当のことを言ったとしても誰も信じない気がする。
ガルディー歴 1283年 三の月 二十八日
ステラとして活動中は使い魔を一匹も連れていったりしていない。
あくまでステラは回復魔法だけが得意な人間という認識である。
だからこそ『幻妖の魔女』とステラは結び付かないはず。




