「新しい年と、ノルケーシア様の夢中なこと」
ガルディー歴 1283年 一の月 一日
年が明け、新しい年が始まった。
転生したと実感してから、数年経過しているけれど相変わらず私のノルケーシア様への思いは冷めることがない。
推し活って本当に素晴らしいと年々思っているから、今年も推しの幸せのために一生懸命頑張ろう。
ガルディー歴 1283年 一の月 四日
ヒートティア家の集まりに分家の娘として顔を出したのだけど、お兄様って本当に年々かっこよくなっている。
もっと年を重ねたら絶対絶世の美青年とかになるんだろう。想像が出来る。
お兄様は侯爵家当主として立派に過ごしていて、私の自慢だ。
お兄様って凄いな。お兄様のことをキラキラした目で見ている女の子達が沢山居た。
その中にはお兄様より十個も上のお姉さんたちも。
年の差があろうとも、侯爵家当主の妻になりたいと思うものみたい。所謂ハニートラップというのをお兄様はまだ子供なのにしかけられているとか。大変だ。
私もお兄様の貞操の危機には、ちゃんと対応したいって思った。お兄様に行ったら「自分で対処できる」って言われたけれど。
ガルディー歴 1283年 一の月 七日
ノルケーシア様もこんなことが起こるかもしれない。
私は好意を抱いた相手の気持ちを無視して無理やり事を及ぶようなことは全く想像は出来ないけれど、強硬手段を行うような相手だっているだろう。
ゲームではノルケーシア様がそういった被害をうけることはなかったけれど、現実では分からない。ちゃんと見守らなければ。
ガルディー歴 1283年 一の月 十日
今日はステラとして活動した。少し久しぶりだったから、ステラとして知り合った人たちには心配された。
ステラとして動く中で面倒事も当然あるけれど、良い出会いも沢山あるのだなと改めて感じた。
ギルドマスターとしての私も、ステラとしての私も、本来の私とは違うけれどどれも私なんだなと思った。
私は本来の自分でギルドマスターやステラとして動いている時に見知った人たちと会うつもりは今のところないけれど、それでもこの繋がりが大事なことは変わりはない。
ガルディー歴 1283年 一の月 十二日
新しい年が始まったということは、新しい出会いも増える。
『黄昏賛歌』は実績も積んでいて、そのため国からも信頼を得ている。
この国には学園が幾つかある。それこそ乙女ゲームの舞台の学園も含めて沢山ある。
それらの学園から卒業生を就職させたいという話があった。あと所謂インターンに来たいというのも。
私は受けるつもりではある。だって学園とのつながりを作って置いたら乙女ゲームの時期に何かあった時に動きやすいかもしれない。もちろん、舞台となる学園以外の生徒も受け入れるよ。
ガルディー歴 1283年 一の月 十四日
お兄様の婚約者選考の噂が流れていて気になって聞いてみたら、そんな事実はないと言われた。やっぱりお兄様も大変だ。
ガルディー歴 1283年 一の月 十七日
ノルケーシア様を覗き見る。今日もノルケーシア様は王太子殿下と仲良くお喋りをしているようだ。
王太子殿下って、確かなかなか良い性格しているんだよなぁ。私はノルケーシア様が推しだったけれど、ゲーマー仲間の中には当然王太子殿下推しも居たなと思い出した。もう名前とかも思い出せない友人の言った言葉を私は覚えている。
ガルディー歴 1283年 一の月 十九日
お兄様と結婚したいらしいお姉さんから接触を受けた。お兄様って表立っては両親や私とは関わっていない。そうしないと面倒事が来るから。
それなのにこうして私が幼いからどうとでも出来ると思っていたみたい。
お兄様の下僕さんにすぐに連れていかれていた。お兄様にそのことを報告する時に前世の記憶があることも零してしまったけれど、お兄様の反応は「ふーん」というだけで終わった。
ガルディー歴 1283年 一の月 二十日
少しだけ他国とのいざこざがあったらしいけれど、お兄様が解決させたと聞いた。お兄様、仕事が早い。
乙女ゲームでは他国が絡むごたごたってもっとあった気がするので、そのあたりも事前に解決出来ているかと思うとそれは良いことだ。
だってノルケーシア様が苦労する要因は省いておかないと。
ガルディー歴 1283年 一の月 二十二日
テレミアと一緒にインターン生の確認をしることにする。
案外、私のギルドを希望する生徒って多いみたい。特に貴族家を継ぐことの出来ない次男以降の男性も多い。あとは女の子も多いのは、ギルドマスターである私と副ギルドマスターであるテレミアが女性だからみたい。
女性陣が働きにくいギルドってやっぱりあるから。
ガルディー歴 1283年 一の月 二十五日
両親と一緒に今日はお出かけの日。
忙しくしているけれど、ただの分家の娘として生きている私の生活も当然大切だ。
並列思考が出来るから、違う私も動かしていたりもするけれど。
ガルディー歴 1283年 一の月 二十六日
ノルケーシア様がお友達と婚約の話をされていた。
それを盗み聞きしてしまったけれど、ノルケーシア様は他に夢中になっていることがあるから婚約者を作る気はないという話をしていた。
ゲーム時間軸でも婚約者の方はおられなかった。
乙女ゲームって、婚約者がいる人との恋愛もあるのだ。平和的に解決していないルートは正直苦手だった。
それにしてもノルケーシア様の夢中になっていることってなんだろう?
ガルディー歴 1283年 一の月 二十八日
ノルケーシア様の祭壇へ祈りを捧げる。
ノルケーシア様の夢中になっていることは分からないけれど、推しが楽しそうにしているのを見るのが幸せでならない。
乙女ゲームの時はどうだったんだろう? あくまでその時期のノルケーシア様しか知らないから、新しい表情を見れるのが楽しい。




