「面倒なことは、ウィニーノ任せ」
9/15 二話目
ガルディー歴 1282年 十の月 一日
私を聖女として神殿の広告塔にしたいということなのだろう。
ただそんなものになる気はない。なんというか、自分で作った組織ならばともかくとして、どこかに所属する気はない。
だって私は推しの幸せのために動こうとしているだけなのだから。
そもそもステラが人形の姿であることに気づかれたらややこしいことになる気配しかしない。
ガルディー歴 1282年 十の月 四日
ギルドマスターと、ステラの両方を動かす。
やはり同時並行で動かすのは少し難しく、一部失敗してしまった。
もっとそつなくこなせるようにならなければ。
ガルディー歴 1282年 十の月 五日
今日はノルケーシア様の祭壇の手入れをした。やはり推しを拝めるための神聖な場は綺麗にしておかないといけないもの。
ノルケーシア様のことは相変わらず覗いているけれど、その姿を見るだけで幸せな気持ちになる。
ノルケーシア様はお友達の方と部屋で話をされることもあるの。その際には外に声が漏れないようにしているので、何か秘密の話をしているらしい。気になったけれど推しのプライベートを侵害する気はないので仲良しだなと思いつつ見守るだけだ。
ガルディー歴 1282年 十の月 九日
お兄様から神殿が煩いなら黙らせるなどと言われる。
ステラの姿でも特にお兄様と関わる気はないので、拒否しておいた。
お兄様とステラが直接かかわりがないって分かるような方法ならいいけれど。だってそれでどうのこうの騒がれても困るし。
ガルディー歴 1282年 十の月 十二日
貴族の集まりにお兄様のお友達がいた。他の人と接するような態度で私にも話しかけてきた。
周りから不自然に思われない程度の接触だろうけれど、本当にやめてほしい。
私は大人しく目立たずに推しを見守りたいだけなのに。お兄様に報告しておいた。
ガルディー歴 1282年 十の月 十四日
ステラとして活動していると面倒な接触が増えた。私はただ治癒魔法をもっと得意になりたいだけなのに。
全てウィニーノ任せにしておく。
ガルディー歴 1282年 十の月 十六日
ステラとして動いている間は、私では対応しにくいものは全部ウィニーノ任せなのであまりしゃべらずに対応していた。
そしたら神殿の者達が煩かった。私がウィニーノに脅されているのでとか。
私の方が強いのにその発想するのがおかしい。
そもそも私は人形の身体で動いているから、私自身をどうにかすることなんてウィニーノには出来ないし。
ガルディー歴 1282年 十の月 十七日
どこの神殿かと思ったらお兄様に加護を与えている神様のところだったから、流石にお兄様に文句言った。
お兄様が神様に伝えると言っていた。お兄様は自分に加護を与える神様にも不遜だ。
直接加護をもらっているので、会話したりできるらしい。お兄様は神様にも普段の態度をしてそう。そんなお兄様を気に入るとか、俺様好きか? こういうお兄様みたいなタイプの男性が好きなのかな。神様は女神である。
これでお兄様とステラの繋がりを感じさせずに問題が片付けばいいけれど。
ガルディー歴 1282年 十の月 十九日
あの神殿の人達、私以外にも無理やりな勧誘をしていたらしい。
それも踏まえて神様からのお怒りの神託があっただとかで、大人しくなった。
流石、お兄様、仕事早い。
神様は私にも直接お詫びしたいと言っていたらしいけれど、断っておいた。そんなことしてまた目立つのは嫌だ。
ガルディー歴 1282年 十の月 二十二日
ステラ関係でバタバタしていたのもあり、『黄昏賛歌』に顔を出すのは少し久しぶりだった。
個別にテレミアから報告は受けているけれどね。
ギルドメンバーたちに「もっとこちらに顔を出してください」と言われる。寂しかったらしい。
ガルディー歴 1282年 十の月 二十五日
両親と一緒にお出かけをして、お兄様に加護を与えている神様の神殿の前を通った。
そしたら神殿でちょっとした騒ぎが起こったと後で噂になっていた。お兄様に聞いたところによると、私に気づいたから変な反応したらしい。
どれだけあの神様はお兄様を気に入っているのだろうか? あと、目立ちたくないから本当に勘弁してほしい。
ガルディー歴 1282年 十の月 二十九日
ノルケーシア様のことを見て、ストレス発散をする。
神殿関連のこととかで、今月は少し疲れた。それにしても思ったよりもステラに注目をしている者達が多くて困る。
最近ではステラとして動いていると、ストーカーのようなものがちらほらいるし。
ステラの正体を知りたいらしい。暇なの?
新聞社も動いているらしい。
やめてほしいけれど、どうするべきかなとその辺は悩み中だ。いっそのこと、ステラの稼働をやめるか? もう少し減らすか、場所を変えるだけでもいいかもしれない。
色々検討しよう。




