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推し見守り日記~見守りたい彼女と捕まえたい彼の攻防記録~  作者: 池中織奈


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「ステラは人気者」

 ガルディー歴 1282年 九の月 一日


 人は隠されているものを暴こうとする生き物だというのを実感した。

 なんてこんなことを日記に書いているのは、ステラの正体を探る者達が多いからだ。

 ちなみに『幻妖の魔女』の方も探られていたりするので、やっぱりその傾向は強いと思う。

 お兄様も謎に満ちているとか言われて、探られているらしいものね。お兄様の存在って凄く目立つし、そんなお兄様を気に食わない人も多いみたい。



 ガルディー歴 1282年 九の月 二日


 私が何かあった際の備えとして薬を準備したり、治癒魔法を頑張りたいと言っているのをテレミアが知ったらしい。

 テレミアの一族の血が特別なものだっては聞いているけれど、「クライネア様のためなら、全ての血を差し出します」って、重いよ!! そんな風に言ったら駄目だよ。

 本当にどうしようもない時はちょっと血をもらうぐらいはしなければならないかもだけど、他を救うために一人を犠牲とか絶対にしないからねと言い聞かせた。

 それと勝手に血を差し出して死のうとするとかも絶対にダメだって、テレミアだけじゃなくて一族全体に伝えておいた。

 そもそも血を使った薬ってどういう副作用あるかも分からないから、そのあたりはちゃんと成分を調べた上じゃないと駄目だと思うの。血液から病気が伝染することなども世の中にはあるだろうしね。



 ガルディー歴 1282年 九の月 四日


 ノルケーシア様の傍に控えさせている侍女との接触は最低限だけど、たまに話を聞く。やっぱりノルケーシア様は素晴らしい魔法の使い手で、私に気づく気配もあるらしい。流石だわ。

 それにしても身近でノルケーシア様に仕えている侍女から聞く話は楽しい。



 ガルディー歴 1282年 九の月 六日


 ステラのことを口説いてくる男性もそれなりにいる。

 顔もはっきり見えないのに、何目当て? そもそもノルケーシア様という前世から好みの顔の存在を知っているから、他の男性見ても特に何も感じない。

 私は推しの成長を見守るのに忙しい。

 というかこの世界では乙女ゲームの時期では見れなかった推しの成長を見守れるのが本当に嬉しい。学園卒業後の大人っぽくなっていく推しも見れるってことを考えると最高だなと思う。



 ガルディー歴 1282年 九の月 十二日


 お兄様からもらった卵が時々動いている。ただお兄様に聞いた限りはまだ孵りはしないだろうということだった。

 結局何の卵なのかも教えてもらえていない。



 ガルディー歴 1282年 九の月 十三日


 今日は休養日として、推しの絵を描いていた。

 ノルケーシア様の幼少期から、想像している大人になった推しの姿まで妄想で描くと楽しかった。

 推しの祭壇のある秘密基地にはどんどん物が増えている。自作の推し活グッズなどばかりがある。誰も来ないけれど、掃除はきちんとしておかないと。



 ガルディー歴 1282年 九の月 十六日


 お兄様が私の作ったちび人形を大切にしていることを御友人に知られたらしい。

 私に会いたいと言っているらしいが、拒否してくれたそうだ。しかも「俺の知らないところで妹に接触したら許さない」とまで言ってくれたそうで、ほっとした。

 お兄様のお友達はとても目立つ方だから接触など絶対にされたくない。それでノルケーシア様にまで私の推し活がバレる事態になったら最悪だもの。

 その場合は……お兄様のお友達の記憶を消すとか、そういう方向になりそう。何にしてもそんな力業をしたいわけじゃないので関わらないならそれでいい。



 ガルディー歴 1282年 九の月 二十日


 なぜか私の知らないところでステラ争奪戦が行われていた。なんで??

 本人の知らないところでステラの所属を巡って戦闘がなされていたようだ。

 ステラはあくまで治癒用の人形なので、戦闘スキルはそこまで高くない。

 『黄昏賛歌』を動かすことも考えたけれど、ステラと接触させるつもりはないので一旦護衛で傭兵を雇うことにする。

 その傭兵はステラが人形の身体であることを分かっていた。とても優秀な傭兵だった。

 ちなみに流れの傭兵らしい。どこかに所属しているとかはないようだ。

 ステラの操り手――私には興味津々らしかった。



 ガルディー歴 1282年 九の月 二十四日


 ステラに群がる人たちは雇った傭兵であるウィニーノが対応してくれているので、私はそれを放置して相変わらず治癒魔法強化に努めている。

 煩わしい者達の対応を他の人にしてもらえると楽だ。

 これまでステラとして動いている時は、本的に一人で動いていたから少し大変だった。



 ガルディー歴 1282年 九の月 二十六日


 同年代の令嬢達と交流していたら、『幻妖の魔女』とステラの話題が出てきてびっくりする。

 名が広まるのは悪いことではないけれど、ぼろがでないか心配になった。

 ステラは私が思った以上に周りからの関心を集めてしまっているらしかった。そんなつもりは全くないのに。



 ガルディー歴 1282年 九の月 二十九日


 お兄様からもステラの話をされる。お兄様の話はとても予想外なものだった。

 というのも、ステラのことを神殿が抱えたがっているらしい。確かに神殿は治癒魔法の使い手を保護したりしている。

 そして無償で治癒を施して、支持を集めたりしているようだ。

 有名な治癒魔法の使い手は聖女や聖人よびをされることも知っている。

 ステラが人気者だから、神殿にも興味を持たれてしまったらしい。


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