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推し見守り日記~見守りたい彼女と捕まえたい彼の攻防記録~  作者: 池中織奈


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「治癒魔法強化計画始動」

ガルディー歴 1282年 八の月 三日


 今日から治癒魔法を強化するために行動を開始することにした。

 というわけで等身大の人形を遣って、流離いの治癒師をやってみることにする。

 フードを深くかぶって、よく見なければ人形だって分からないだろう。

 ギルドマスターと活動しつつ、他にも手を出すのかと言われそうだが推しに危険が迫った際にすぐさま助けられるようにしておきたい。



 ガルディー歴 1282年 八の月 六日


 魔法で一時的に並列思考をして、ギルドマスターの人形と治癒のための人形を操れるようになった。大分疲れる。

 流石にその際は本体である私は大人しくしている。もっとこのあたりの魔法を使えるようになれば、私個人として動きつつ、他で動かす人形も操れるようになるだろう。

 単純な作業だけなら複数の人形を操ることは出来るけれど、完全に独立した特別な人形を操るのはそんな簡単な話じゃない。



 ガルディー歴 1282年 八の月 八日


 お兄様に「同時に操る練習をするなら、俺の元にも一体寄越せ。それで練習しろ」などと無茶ぶりを言われる。

 相変わらずスパルタだ。確かにそうやって無理やりでも使った方が私の実力も増すかもしれないけれど。

 ただ等身大の人形ではなく、小さな人形で構わないなどと言われる。



 ガルディー歴 1282年 八の月 十一日


 お兄様に言われた通り小さい人形を作る。ちなみに他にも使い勝手がありそうなので、一体だけではなく複数作っておいた。



 ガルディー歴 1282年 八の月 十四日


 ギルドマスターとして依頼をこなしつつ、治癒強化のための人形を動かす。

 最初は無償でやろうかと思ったが、それはそれで問題が起こりそうなのできちんと報酬はもらうようにしている。

 ただあくまでお金ではなく、治癒魔法強化目的なのでそこまでお金は取っていないけれど。

 それにしても人形を使って、まだ見ぬ土地を見に行けるのは結構楽しい。



 ガルディー歴 1282年 八の月 十五日


 ノルケーシア様を見守る。ノルケーシア様の傍に私の人形を紛れ込ませようかと思ったが、流石に気づかれそうなので一旦断念。

 推しは日に日に、実力をつけてきているのでひっそりと見守るのにも一苦労だ。



 ガルディー歴 1282年 八の月 十九日


 お兄様は私の作ったちび人形を傍に置いているらしい。外には広まってないそうだが、下僕さん達や一部目撃した侍女には知られていると聞いた。

 お兄様が人形をめでているのか? と思うと、ちょっと面白くなった。基本は稼働させていないけれど、時折ひっそり動かしてお兄様を見てみよう。



 ガルディー歴1282年 八の月 二十日


 お兄様は勘がよすぎる。私はオフのお兄様がみたいのに! なんで私が人形越しに見た瞬間気づくの? やばすぎる。



 ガルディー歴 1282年 八の月 二十二


 治癒魔法強化のために動かしている人形は話題になりつつある。

 当然のことながら普通の人には人形だとはバレていない。私が丹精込めて作ったものだからね。

 ちなみにその人形を使っている時の私の名前は、ステラを名乗っているよ!!

 それにしても私が比較的低価格で治癒をして回るのを見て、拝んでいる人いるけれどそんな必要はないの。

 だって私はノルケーシア様に何かあった時に動きたいだけなのだもの。



 ガルディー歴 1282年 八の月 二十四日


 今日のノルケーシア様も素晴らしく神がかっていた。こうして見守れるだけでもなんと幸せなことだろうかと思ってならない。

 今日もノルケーシア様の祭壇を拝んでおく。

 推しがこうして健康に生きていて、笑顔を見せているというだけでなんて幸せなことだろうか。



 ガルディー歴 1282年 八の月 二十六日


 両親から流石に普段何をしているのかと勘繰られる。最近活発に人形を動かしていたから余計に心配されているらしい。

 ただ両親に私の推し活の全貌を語るつもりはない。



 ガルディー歴 1282年 八の月 二十七日


 お兄様の方から両親に言伝があったらしく、それ以上何か聞かれなかった。流石、お兄様。

 両親はお兄様という前例が居るから私のことを比較的平凡で、変わった子という認識なのだ。

 流石に私がどういった活動をしているか知られてしまったら、引かれてしまう気はする。悪い人たちではないけれど、身内には隠し事が出来ないタイプだしね。



 ガルディー歴 1282年 八の月 三十日


 ギルドマスターとして活動中の私の耳に、ステラの話をテレミアがしてきた。優秀な治癒師ならスカウトしたらどうかって。

 ステラは私なので、必要ないとだけ答えておく。テレミアにはステラとしての私のことは共有していない。それにしてもただ治癒をして回っているだけなのに、ギルドにまで名が伝えられているのは何らかの意思を感じる。

 色々警戒しておかないと。


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