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推し見守り日記~見守りたい彼女と捕まえたい彼の攻防記録~  作者: 池中織奈


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「お兄様は、侯爵家当主」

 ガルディー歴 1282年 五の月 一日


 お兄様は無事にヒートティア侯爵になった。

 乙女ゲームの情報でもお兄様が若くして侯爵家を継いだことは描かれていたけれど、早すぎない?

 お兄様、まだ今年十歳になるぐらいの子供なのに? なんて思うけれど、お兄様らしい。ヒートティア家の配下の者達全員に認められているらしかった。本当にお兄様って凄い。

 お兄様はお父様とお母様とはそれなりに仲良し。でもつかず離れずな感じだ。

 侯爵家当主のお兄様が両親を大切にしていると知られるのもなるべく避けた方がいいらしい。というのもお兄様は侯爵家当主という立場だから敵も多い。

 だから表面上は家族同士の交流は皆無に見えるだろう。まぁ、お兄様は私とは裏で仲良くしてくれているけれどね。



 ガルディー歴 1282年 五の月 三日


 お兄様のお披露目式には分家筋の私の家も見に行った。それにしても正装のお兄様、びっくりするぐらいかっこよかった。

 ちなみにだけど、その場にはノルケーシア様のお父様達も居たよ。流石にノルケーシア様は居なかった。

 なんというかお兄様って、他の貴族家から警戒されていたりする。子供ながらに侯爵家を継いだ天才だもんね。そのせいで、友人もいないみたい。私も人の事は言えないけれど。



 ガルディー歴 1282年 五の月 四日


 信仰団体をちまちま潰す。完全に消滅させることは難しそうだけど、やれるだけのことはやる。

 少なくとももう二度と推しに手出しをされないようにしなければ。

 徹底的につぶすのが無理なら、作り変えることを考えるべき? 信仰団体は闇属性を特別視しているところだけど、それよりももっと平和的な信仰にした方がいいじゃない!

 そもそも特別視している闇属性持ちを危険にさらすのがおかしいわ。特別に思っている相手のことを幸せにしようとしてこそだと思うの。これはあくまで私の持論でしかないけれど。



 ガルディー歴 1282年 五の月 七日


 ノルケーシア様をのぞき見していたら、一瞬気づかれた気配があった。

 この前の誘拐事件が起こってから推しは魔法の鍛錬も以前よりも一生懸命なので気を抜くと私ののぞき見はバレそうになる。

 流石、ノルケーシア様。その鍛錬を怠らない様子が素敵だわ。

 思えば乙女ゲームの時間軸でも誘拐でトラウマを負ってしまっていたけれど、それでも心が折れなくて、その強さも好きだなと思っていた。

 ただヒロインの前でだけ弱音をさらすところも良かったけれど。

 やっぱりノルケーシア様はリアルでも、かっこいい!!



 ガルディー歴 1282年 五の月 十日


 もっと強くならなければと実感する。私はノルケーシア様を幸せにしたいのだ。

 これから先の未来、不測の事態が起こった際にすぐに対応出来るようにしないとならない。

 そもそも推しが攫われる事態は避けなければならないのだ。



 ガルディー歴 1282年 五の月 十一日


 信仰団体の一人を捕まえて改宗に成功させた。人の迷惑にかけることをしてはならないことと、黄昏色を特別視するようになどと徹底的に分からせてみた。

 やはりこういう活動が何れ実を結ぶ気がするので、話が通じないタイプの者達は徹底的に作りかえるのが一番かもしれない。



 ガルディー歴 1282年 五の月 十三日


 お兄様と通話した。最近の活動をお兄様に報告しておく。お兄様は「何をしているんだ?」と呆れていた。

 侯爵家を継いで忙しいのに通話する時間があるのかと心配したけれど、私と話す時間ぐらいはあるらしい。

 


 ガルディー歴 1282年 五の月 十六日


 『黄昏賛歌』に赴き、模擬戦をしたり、調合をしたり、会議をしたりと結構大忙しだ。

 設立時にギルドメンバーになった人が「いつかマスターに認められるように精進します」などと言っていた。別に認めてないから姿を現さないわけじゃないんだけどな。

 私は徹底的にノルケーシア様に迷惑をかけないように推し活をしたいだけだ。



 ガルディー歴 1282年 五の月 十七日


 プライベートで愛でるようにノルケーシア様のぬいぐるみを作る。

 とても良い。もっと沢山作ろう。私は前世からぬいぐるみは結構好きだ。

 


 ガルディー歴 1282年 五の月 十九日


 今日も改宗者を増やす。

 人に迷惑をかけるような信仰団体って正直いらないと思うの。

 ちなみにその最中に邪魔をされたけれど、邪魔していた人にも言い聞かせて考えを改めさせた。全く、この程度で心が折れるなら最初から歯向かわないでほしい。



 ガルディー歴 1282年 五の月 二十二日


 ノルケーシア様は順当に他の攻略対象の方とも仲良くなっている。

 友人と仲良くしている推しも中々良き。色んな表情を見れて良い。

 ちなみに今のところのぞき見は前回以外はばれていなさそうでほっとしている。



 ガルディー歴 1282年 五の月 二十五日


 両親から友人を作らないのかと心配される。推しのためにと行動していてそんな時間は惜しい。

 ただ両親を心配させるのもあれなので、同年代の令嬢ともう少し関わってみることにする。



 ガルディー歴 1282年 五の月 二十七日


 お兄様が周りから婚約者を作るようにと言われて面倒なようだ。

 お兄様の好みってどんな女性なんだろう? 周りが無理やり婚約者を作ろうとしたらお兄様は徹底的にやり返すんだろうなと思った。


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