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推し見守り日記~見守りたい彼女と捕まえたい彼の攻防記録~  作者: 池中織奈


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「お兄様との素材集めと、推しをのぞき見」

 ガルディー歴 1280年 六の月 一日


 先月、悪名高いギルドを『黄昏賛歌』が潰したということで、その名は良い意味でも悪い意味でも広まりつつある。とはいえ、迷惑をしている人達が多かったようだから基本的には感謝されているけれど。

 ギルドに入りたい人も沢山増えてきて、その辺の対応が大変になりそう。



 ガルディー歴 1280年 六の月 五日


 これからギルドがどんどん大きくなることを考えると、武器や防具の強化や薬を作るための材料などは沢山集めるべきだろう。

 それに私も子供とはいえギルドマスターなので、しっかり仕事はしておきたい。

 もちろん、自分が表に立つことは避けるけれども。

 ただ人形遣いの魔法は強化するにしても、私自身でももっと戦闘力は高めておきたい。


 ガルディー歴 1280年 六の月 八日


 数日かけて素材集めを行いたいと思ったけれど私はまだ子供である。

 当然のことながら両親からは普通に考えて許可は出ない。そういうわけでお兄様に相談をする。

 お兄様が同行するということで許可を得た。

 私が目立ちたくないのは知っているからか、人気が全くないエリアに一緒にいってくれるって。

 お兄様は忙しいだろうにいいのか? と思ったけれど、問題ないらしい。



 ガルディー歴 1280年 六の月 十日


 お兄様と一緒に素材集めをしているが、楽しい。今回は下僕の人達も居なくて、兄妹二人っきりだ。

 お兄様は私よりもずっと強いから、二人でお出かけすることも許されているのだろう。

 私も周りの人達から信頼されるように結果を出していきたいな。

 出先でもこうして日記を書いている私のことをお兄様は呆れた様子で見ていた。お兄様も日記を書いたらいいのにって言ったら書かないってばっさり言われた。



 ガルディー歴 1280年 六の月 十一日


 今日はお兄様から無茶ぶりをされた。私では勝てるか分からない魔物に一人で向かっていけと言われた。

 お兄様のことだから命の危機があれば助けてくれることは分かっていたけれども、少しだけドキドキした。

 私がギルドマスターという立場なのもあって、お兄様はもっと私を強くしようとしてくれているんだろうなとも分かる。お兄様は何だかんだ妹思いなのだ。だってそうじゃなかったらわざわざこんなことに付き合ってくれないから。

 ちなみにちゃんと勝てたよ。お兄様をがっかりさせずに済んでほっとした。



 ガルディー歴 1280年 六の月 十二日


 お兄様からノルケーシア様のことを聞かれたので、沢山話した。

 オタク特有の早口で喋りすぎてしまった。お兄様はそんな私を見ても相変わらずだけどね。

 あとなんかサバイバル知識なども順調に学んでいる。お兄様って何でも出来るなぁ。



 ガルディー歴 1280年 六の月 十六日


 家に帰宅して取ってきた素材を整理中だ。これを使って色んなものを作ってみることにしよう。

 それにしてもお兄様と数日間でもまた一緒に過ごせて楽しかったな。

 お兄様は侯爵家に行ってしまったから、なかなか以前のようにのんびり過ごせない。

 こんなことを言ったらお兄様には「別に俺の妹だってばらせばいいだろう」なんて言われてしまうけれど。



 ガルディー歴 1280年 六の月 十八日


 真っ先に作っているのはノルケーシア様をのぞき見するための補助の道具である。

 だって推しのことを見守りたいというのが一番の目的だもの。推しにばれないように推しの危険を排除してこそよね。

 推しの姿を見られるだけでとても幸せな気持ちになれるし。だって実際にノルケーシア様が生きていらっしゃるというだけでも最高のことだもの。



 ガルディー歴 1280年 六の月 二十三日


 ほとんどの人には認識されないような感じの魔道具を作成してみる。人形の一種でもある。

 クシュに覗いてもらうこともするけれども、ずっと推しのことを見てもらうのも退屈だと思う。クシュには色んな無茶をしてもらっているからこれ以上負担をかけたくもないし。

 やっぱりもっと使い魔を沢山増やすべき。そうしたら交代制で対応出来る。

 今は二匹しかいないから、もっと能力が適した使い魔と契約をしないと。



 ガルディー歴 1280年 六の月 二十四日


 早速作った魔道具を使って推しをのぞき見する。

 私の目で直接見ているわけじゃないけれど、推しが生きていることを実感出来るだけで大興奮してしまう。とりあえず見かけたノルケーシア様の様子は絵で描いておく。そこそこの出来。

 祭壇に捧げて楽しんでいる。



 ガルディー歴 1280年 六の月 二十七日


 今月はあまりギルドの方に顔を出していなかったので、人形を赴かせた。

 ギルドメンバーには「もっと来てほしい」と言われる。流石にこなさ過ぎたらしい。反省したので、来月はもっと来よう。

 でも中々姿を現さない方がミステリアスでかっこよかったりするだろうか。

 それにしてもギルドメンバーが私のことを受け入れてくれていることは嬉しい。もっと頑張ろう。



 ガルディー歴 1280年 六の月 二十九日


 ギルドの依頼は色々と受けてみる。私の二つ名は依頼主にも伝わっているのかとてもかしこまられた。

 私はまだ子供で、本来の姿だとそんな風にされることはないからごちゃまぜにならないようにしないと。

 クライネア・ルーファブルの時にギルドマスターの時と同じような態度はしないように気を付けることにする。

 来月からはもっと推しを見守れるはず。それを糧にしてもっと頑張ろう。


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