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推し見守り日記~見守りたい彼女と捕まえたい彼の攻防記録~  作者: 池中織奈


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「見守り日が増え、祭壇に捧げるものが充実する」

 ガルディー歴 1280年 七の月 四日


 推しのことを今日は見守った。時折こうして推しの姿を見られるだけで私は幸せな気持ちでいっぱいになる。

 興奮しすぎて、秘密基地でバタバタしてしまった。なんて幸福なことだろうか。

 私は前世から神様というものを心から信仰したことはなかったけれど、こうしてこの世界に産まれさせてくれたことを本当に感謝したい。

 ありがとうございます、神様。転生に纏わる神様が誰か知らないけれど!



 ガルディー歴 1280年 七の月 六日


 夏にだけ出現する魔物を狩っておく。素材を保存することがなかなか難しいものも多くて、そのことは残念だった。

 この世界、便利な魔道具が様々あるけれども冷蔵庫的なものは中々ないのよね。

 ギルド内でも魔道具研究の部門でも作りたいな。



 ガルディー歴 1280年 七の月 十日


 今日はギルドへと顔を出した。等身大の人形はまだまだ人には近づいていない。

 人形だと一目で分かってしまう感じなの。私は出来れば人間と変わらない人形を作って操りたいので、まだまだ頑張る必要がある。

 ただギルドメンバーは人形を、まるで自分の身体と同じように操っているのを見て尊敬した様子で見てくれているけれど。

 沢山話しかけてもくれた。畏怖されているなとも思うけれど、まぁ、それはそれね。

 テレミアと沢山話しておいた。いつも頑張ってくれているご褒美に何か欲しいか聞いたら一緒に依頼を受けたいって可愛いことを言っていた。

 その日のうちに依頼を受けにいった。テレミアはほくほくした表情をしていたけれどこれだけでは足りないので特別手当てでも渡そうと思う。



 ガルディー歴 1280年 七の月 十二日


 今日は推しの好物が分かった。乙女ゲームの世界での好きな食べ物は分かっていたけれど、子供のころに好きなものは分かっていなかった。こうしてゲームをしていただけでは分からないことを知れることがとても嬉しい。

 だってこの世界に産まれたからこそ知ることのできた情報だもの。

 推しの好物を作って、祭壇に捧げておいた。とてもほくほくした気持ちになった。私も推しの好物をいっぱい食べよう。



 ガルディー歴 1280年 七の月 十三日


 調合が以前よりも上手く出来るようになってきた。失敗も多いけれどこうして成功例が増えるととても嬉しい。

 調合の腕は幾らでも上がっていいもの。私は今、人形遣いで、魔法が使えるとしてしか有名になっていないけれど調合も素晴らしい腕だって広まったら嬉しい評判が広まっていくはずだもの。



 ガルディー歴 1280年 七の月 十六日


 以前よりも推しの情報を集めやすくなったので、私はほくほくしている。

 幼い頃のノルケーシア様って凄く可愛らしい美少年だ。お兄様も綺麗で、美少年なんだけれどお兄様とはまた違った雰囲気というかなんというか。

 生きていてくれてありがとうと! そう思える推しが居ることと、麗しくて完璧なお兄様が居る私って転生ガチャ大成功って感じだなと変なテンションになっている。

 推しが生きているだけでも最高なのだけれども、こうしてのんびりと推しを見守れるのが本当に幸せだなと思った。



 ガルディー歴 1280年 七の月 十七日


 お兄様と連絡を取った。お兄様は今日も元気みたい。

 相変わらず下僕も沢山増やしていた。私に改めて下僕の作り方を教えてくれる。

 私は下僕は作らないって言ったけれど、「ギルドメンバーもお前の下僕みたいなものだろう」と言われた。確かに仲間で、ギルドマスターの私の言うことは大抵聞いてくれそうだから似たようなものなのか? などと思った。

 ただ流石にギルドメンバーを下僕呼ばわりはしないけれど。



 ガルディー歴 1280年 七の月 二十一日


 分家の娘として礼儀作法を学んだりするよりも戦闘を学ぶ方が私は好きだったりする。

 必要だって分かっているからちゃんと学んではいる。だって何がノルケーシア様のために役立てられるか分からないもの。そもそもギルドマスターとして何れ貴族の依頼も沢山受けるようになるかもしれないから、こういう学びは必要だ。



 ガルディー歴 1280年 七の月 二十三日


 乙女ゲームの舞台である学園の情報を色々と聞いた。というかギルドメンバーにその学園の出身者がいた。

 彼は貴族の四男でギルドで働くことを決めたらしい。嫡男や次男ではないと、自分で将来を決めなければならないので貴族の子息も大変だ。

 私は分家の娘でしかないから政略結婚などの駒にはほとんどならないから安心だけれどもちゃんと自立するからというのは両親に伝えておこう。

 そもそも今も私は自立しているわけだけどね。その辺は両親には伝えてはいないから。



 ガルディー歴 1280年 七の月 二十五日


 ギルドメンバーがまた新しく増えた。今回の面談からは私も人形の姿で参加した。

 これまでテレミア任せだったけれどもやっぱりギルドを束ねる立場って大変だなと実感した。テレミアにはより一層、報酬を渡したりすることにした。

 面談をするのもなんだか緊張した。上手くいってよかった。



 ガルディー歴 1280年 七の月 二十九日


 今日は一日、一人推し活の日にした。時折、休養日は必要だ。

 秘密基地に入り浸って、ノルケーシア様の絵を描いたり、ノルケーシア様の情報をまとめたり、ノルケーシア様の好物を作ったり……良い推し活日だった。

 あとは時間さえあればノルケーシア様をのぞき見していた。

 とても素晴らしい一日だった。こうしてノルケーシア様の成長を時折のぞき見出来るだけでも本当に楽しい。


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