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推し見守り日記~見守りたい彼女と捕まえたい彼の攻防記録~  作者: 池中織奈


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「新年の始まりと、お兄様の居ない家」


 ガルディー歴 1280年 一の月 一日


 年が明けた。前世の記憶を思い出してはじめての新年だ。

 今年はお兄様はヒートティア家で新年を迎えたから、いなくて寂しい。

 私もヒートティア家の新年会に誘われたけれど、今年は行かなかった。だってお兄様の姿を見たら甘えそうだもん。

 私はモブとしてお兄様とあまり関わらずに生きていくと決めたから今年はお留守番。

 来年には私ももっと成長して、お兄様に甘えようとしなくなることに期待して!!

 それと、お兄様についての記録を改めて日記にしておく。少なくとも私の知る一作目と二作目のゲームでは、お兄様は実際にゲーム内に出てくることはなかった。

 学園に通っていない、侯爵家当主。稀代の天才などと言われていて、もし更に続編があるのならば攻略対象になるのではないかと言われていたはず。

 私が前世で亡くなった後に三作目が出ていたら別だけど。



 ガルディー歴 1280年 一の月 三日


 日本で作られた乙女ゲームとこの世界は酷似しているのもあって常識とかも似ていたりする。

 初詣もあるから、神殿にいったよ。和風ではなく西洋風世界だからこそ世界観的にはそう言う感じ。

 初詣は去年はお兄様も一緒に行ったけれど、今年は違う。

 両親と一緒にお出かけした。とりあえず神様には、ノルケーシア様を見守ることを宣言しておく。


 

 ガルディー歴 1280年 一の月 六日


 お兄様との連絡は魔道具や下僕の人達を通して行っている。

 それにしてもお兄様は下僕の人達が一緒とはいえ、単身で侯爵家にいったお兄様って考えてみると凄いよね。

 ただの子供だったら、そんなことが出来るはずがない。お兄様って本当に規格外だ。

 乙女ゲームで得られる情報でもお兄様って、特別な存在のように描かれていたものね。



 ガルディー歴 1280年 一の月 七日


 今日はテレミアから『黄昏賛歌』についての報告を受ける。一先ず入団試験の内容は共有している。まずは実力や能力を図ること。その後の人柄についてはテレミアが面談することになっている。

 あとはクシュが本能的に弾いた人は、入団させないようにするとかそう言う風にしたらどうかって話はした。

 まずもらった情報ではじく人も当然居るけれどね?

 調べた結果、問題行動を起こしている人は全員弾いた。新規のギルドだと、入団しやすかったりする傾向にあるらしい。人を増やしたいからって誰でもどんどん入れてしまうギルドも過去にはあったのだとか。

 だからこそ問題を抱えている人も多く入団しようとしてきているのよね。




 ガルディー歴 1280年 一の月 十二日


 少しずつ調合も上手く出来るようになってきた気がする。ちなみに素材も基本的には自分で採取するようにしている。

 というのも私はノルケーシア様のためにも何だって出来るようになっておきたいから。

 調合だけが出来て、採取が出来ないというのは嫌だなと思っているの。



 ガルディー歴 1280年 一の月 十六日


 クシュはテレミアのところと私のところを行き来していたりする。周りには見られないように移動してもらっている。

 クシュは影の中を移動できる能力持ちの猫ちゃんなので、人目につかずに移動は出来ている。もっと力をつけたら他の生物も移動させられるらしいからクシュには頑張ってほしい。

 クシュは私と契約しているから、私の影には移動しやすいんだって。魔力の繋がりがあるかららしい。


 ガルディー歴 1280年 一の月 二十日


 今日も引き続き散歩をしている。散歩中に狩った魔物に関しては、お兄様やテレミア経由で売っている。あまりにも量が多いと『黄昏賛歌』のギルドまで持っていくのも大変だ。

 クシュは生きているものはまだ移動出来ないけれど素材は持って影移動が出来るので持てる範囲だけはギルドに持って行ってもらっている。



 ガルディー歴 1280年 一の月 二十二日


 『黄昏賛歌』の入団試験が少しずつ進められている。

 新しい仲間、どんな人達になるかな? それに私も早めに人形遣いの魔法を極めないとギルドメンバーから不信感を持たれてしまったりするかもしれない。

 テレミアは私のことを上手く説明はしてくれているらしいけれど。



 ガルディー歴 1280年 一の月 二十四日


 去年から少しずつ作っていた人形はようやく完成した。

 これを上手く操れるようになったら『黄昏賛歌』に挨拶をしに行くことにしよう。

 ギルドメンバーたちに受け入れてもらえたら嬉しいけれど、どうだろう?

 向こうが実力を知りたいというのならば人形越しに戦えるようにしておかないと。

 やっぱりギルドだと実力主義な面もあるしね。



 ガルディー歴 1280年 一の月 二十五日


 やっぱりお兄様が家に居ないのが寂しい。

 両親や使用人達はそこまで寂しがっていない。

 お兄様はいずれどこかに羽ばたいていくだろうと予想されていたからみたい。

 規格外のお兄様がこの家に留まったままなんてありえないからって。それは分かるけれど、私はお兄様と去年のように話せないのは何とも言えない気持ち。



 ガルディー歴 1280年 一の月 二十七日


 お兄様の噂を聞いた。凄く頑張っているみたい。

 というかお兄様がヒートティア侯爵を継ぐことに異議を申し立てた人たちを全員とっちめたようだ。

 流石お兄様。私より一つだけ年上な子供なのにそんなことが出来るお兄様が凄すぎるよ!!

 ゲームと同じようにお兄様は若くして当主の座を継ぐのかなぁ。


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