第22話 みくの努力
ギィィィィ……ガシャンっ!!
(ギィィ……ガシャン?)
「……ッ!?」
なんと、飛んできた桶のせいで、物置の扉が壊れて倒れたのだ。
「やばいじゃんーあれー。どーするよー」
女子たちが楓真のほうへと向かってくる。
(いやっ! ヤバいのは俺のほうですけど……!?)
楓真は出来るだけ静かに小さくなる。
(頼む……頼む…………見つからないでくれ……)
「あーー!! ちょっと待って!!」
みくが大声を出す。
「どうしたの? みくちゃん?」
「えっ……えっと…………ほら……下手に触ると、もっと壊れる可能性もあるし……」
「でも、壊しちゃったのは私たちだし……」
そう言って、クラスメイトの女子が楓真の隠れている物置に触れる。
(ちょ……ほんとにこの角度……見え……)
「ゆきちゃん、ストーップ!!」
みくが走ってきてそこにいた女子を突き飛ばして物置を塞ぐ。
「いたた……どうしたのよ? みくちゃん……さっきからなにかおかしいよ?」
「そうだよ……その物置なにかあるの?」
女子たちがみくを疑い始める。
「えっーと…………知ってる? ここの温泉の物置に……ゆっ……幽霊がいるって……で、この物置の扉を開けたら……出てくるって……」
みくは苦し紛れに嘘を付く。
「そんなのうわさでしょ? それにみくちゃん……目が泳ぎまくってるよ……」
「さすがにうそでしょ……」
女子たちが呆れたようにみくを見る。
「こーら! そんな悪い子には……こうだ!」
女子の1人がみくに突進してくる。
「へ? ちょっ……」
ドーン!!
バッシャアァーン!!
そして、その後、みくごと温泉の中に押し倒した。
「ちょっ……ちょっと!!」
みくはバタバタと手足を動かす。
「おー? 抵抗か?」
「だっ……だって……」
「これ以上抵抗を続けると、アレを言うわよー?」
「なに? アレって……ちょっ香乃…………水につけるのやめて……」
「みくが……立華くんのことを好きってこと」
「!!?」
「!!?」
温泉の中でもがくみくと、物置に身を潜めていた楓真が同時に固まる。
しかし、周りの女子たちは、
「やっぱりーー!!」
「絶対にそうだと思ってたんだよ!」
「かっ……香乃!? ちょっと……ちょっ…………ほっ……ほんとに……」
みくは動揺して言葉が繋がらない。
「ほーら……図星つかれて焦っちゃってるねー。みくちゃんかわいーねー」
「だっ……あの……楓真……」
「大丈夫、大丈夫! 女子しかいないから!」
(楓真……そこにいるんだけど!!)
「ほっ……ほんとにやめっ! みっ……みんな! 違うから!!」
「大丈夫だよ! みんなもう知ってるから」
「あんた……バレバレすぎるのよ……」
風凛まで、参戦する始末。みくはもう駄目だという表情を浮かべる。
(みくが……俺のことを好き……? でも…………そんな……)
物置の中で楓真は1人で考える。
(駄目だ……頭がショートする。早くここを離れたい……けど……)
「もう! しらないから!」
突然女子たちの叫び声が聞こえる。
(なんだ?)
楓真は物置の穴から様子を見る。
「あんたが言うからでしょ!」
「じゃあ香乃も図星だったんじゃない!」
どうやら、みくが香乃の好きな人をバラしたようだ。
(ん? 待てよ……。今女子全員が言い合いしてる。誰もこっちを見てないし、もしかしたら猛ダッシュすれば、出れるんじゃね?)
(よしっ! 今しかねぇ!)
楓真は物置を飛び出し、ダッシュで露天風呂の入り口に向かった。
しかし……
「……っ!? きゃあ!!」
ドタンっ!!
(っ!? 誰かとぶつかって……)
走っていた楓真と、誰かがぶつかり、そのまま2人は温泉の中に落ちた。
続く
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次話投稿は明日です。




