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第20話 カレーライス

 先に蒼桜の方へ走っていったみくが声をあげる。


「えっ?」


「どうした! みく?」


「えっ?」


 ご飯の入った皿を持って来た楓真たちと絶句する。


 なんとそこには、カレーがあったのだ。


「カレーだ……。なんともない普通のカレーだ……」


「よくあれをここまでカレーにできたな……」


「一旦お皿にあげて、いらないもの取り出して、あとは……カレールゥを大量に入れて誤魔化した」


 蒼桜の頑張りを聞きながら、一行はカレーをご飯にかけ、カレーライスを完成させた。


「……蒼桜食べていいか?」


「どうぞ」


「「いただきます!」」


 一行はカレーライスを口に運ぶ。


「美味しい!!」


「本当にカレーになってる。これがもともと、あれだったとは思いたくもねぇ……」


 感激しながら楓真も食べる。

 

 みくはもう半分以上食べている。


「みく……美味いのは分かるけど、よくかんで食べろよ……」


「……楓真間違ってる! 食べるじゃないよ。飲むだよ」


 みくが訂正をする。


「昔から言ってるけど、それはお前が間違ってるからな……」


「おかわり!」


 楓真の言うことを無視して、みくはカレーを追加する。


「しかし、蒼桜が料理出来たとは……意外だな……」


 悠希弥が呟く。


「それはそうだな……。こんな子供っぽいやつでも、得意なことはあるんだな……」


「立華楓真! 水いるか?」


 自分のコップに水を注ぎ足した柚花が、楓真の空になったコップを見て聞く。


「あ……あぁ頼む」


 楓真がコップを差し出す。


「立夏も入れとくね」 


(なんだよ……柚花のやつ……。妙に気遣いが出来るな……)


 楓真が感心したのもつかの間、立夏のコップに水を注ぎ足した柚花は、ペットボトルを置き、立夏に抱きつく。


「やっ……止めてくださいまし! 人前ですわよ!」


 立夏が柚花を引き剥がす。


「なんだこいつら……」


 楓真はそんな2人を横目で見ながら、カレーを追加する。


「蒼桜……ありがとな……。みくじゃないけど、このカレーめちゃくちゃ美味しい」


 席に帰るときに楓真はそう蒼桜に言った。


「うんっ!」


(楓真が……わたしのカレー……美味しいって言ってくれたっ……)


 蒼桜は嬉しそうにスプーンを置く。


 

 ーー西条高校1年生一行はこの調子で夕食を終え、宿舎の部屋に荷物を置き、温泉の時間がやって来た。


 

 ザパァァァァァン…………。


「っあーー。気持ちいいーー!」


 ここは宿舎の温泉の露天風呂。


 楓真は1番広い中央の風呂につかる。


 奥には山々が連なり、かなりの絶景。右方向には大きな岩が置いてあり、近くの山と繋がっていた。


「ふぅーー」


 楓真はお湯が来ない石の上にタオルを置いて、全身でつかる。


 と、その時……。


 バシャァァンっ!!


 楓真の頭上から水が降ってきた。


 クラスメイトが水風呂の水を桶ですくい、楓真にかけたのだ。


「あーー! やったな! このやろう! 仲川か!!」


 楓真も桶を持って対抗しに行く。


 しかし、


 ビュァッ……!!


 ものすごい強風が吹いた。


 その風で楓真のタオルは飛ばされ、宙を舞い、大きな岩の上に飛び出していた木の枝に引っかかった。


「あーあ。やってるわ……」


 楓真は仕方なく、岩に登ろうとする。


 この岩、とてつもなく大きくて、この露天風呂(男湯、女湯全て)を囲んでいる。


「くっそ…………なんでこんなとこに引っかかるんだよ……」


 楓真は岩を登っていく。


「立華!! あぶねぇぞ!!」


 クラスメイトの声が聞こえるが、楓真はタオルを取ることしか頭になかった。


 楓真は手を伸ばし、木の枝に引っかかったタオルをつかんだ。


「よしっ!」


 ーーしかし!!


「っ!! しまっ……!!」


 楓真は足を滑らせて、岩から滑り落ちた。


 バッシャアァーン!!


「きゃあ!?」


 岩から落ちた楓真は温泉の中に着水した。


 水しぶきが収まり、楓真は顔をあげる。


「…………」


「…………えっ……」

                          

「……みく……?」


 続く




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次話投稿は明日です。

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