理想の結婚
次の日。
16歳になったヴィヴィは、ロシュの婚約者になっていた。
キスの途中でロシュに飲まされたのは『龍玉』という物で、それによってヴィヴィはロシュと同じ寿命を生きることになったのだった。
騙し討ちのようにして処女を奪われたが、ヴィヴィの理想以上の結婚相手ではあるし、彼女はまぁいいか、と結婚を承諾した。
媚薬の出所は、なんとジラルドだった。
彼がロシュの恋を応援すべく、色々と知恵を授けたらしい。
もっとストレートに結婚を申し込んでほしかったと、ジラルドに恨みを向けるヴィヴィだった。
そうして半年後、龍族としてはずいぶん若い年齢で、ロシュとヴィヴィは結婚したのだった。
「ヴィヴィ、愛してるよ」
ロシュはヴィヴィに愛を囁く。
けれどヴィヴィからは『愛してる』の言葉は聞けなかった。
――いつか本当に愛してると思えたら。
その時は躊躇わずに愛を伝えよう。
ヴィヴィはそう思いながら、ロシュのキスを受けるのだった。
ヴィヴィが結婚相手に恵まれなかったのは、腹黒兄のジラルドと、プチストーカー弟のロシュのせいです。
これからも、ヴィヴィは気付かないうちに囲い込まれながら、幸せに暮らしていくでしょう。
ここまで読んで下さって、ありがとうございました。