白雪姫考察(七人のお父さん編)
白雪姫には個性的な【七人のこびと】が出てくる。
彼らを考察していこう。
まず、こびとたちはどんな環境下で過ごしているのか。
鍵はかからないし、知らない人が勝手に入ってくる家。
桃太郎考察で語った老夫婦宅と違って、ホームセキュリティはガバガバ。
にも関わらず、白雪姫一人で留守番をさせている。
約束を全然守らない幼稚園児並の知識の白雪姫を、そんな危険な家に放置するなんて、常識では考えられない。
ではなぜ、仕事場まで連れていかないのか。
こびとたちの仕事は鉱夫。
崩落や有毒ガスのリスク、粉塵吸引による呼吸器疾患等、ついて行くだけでも危険がいっぱい。
そんな場所に、言うことを聞かない白雪姫が行ったら。
余計なことをする可能性が高まり、こびとたちへの危険度も上がってしまうであろう。
ではなぜ、誰か一人だけでも白雪姫と一緒に留守番をしないのか。
鍵すらかけられない小さな家に、七人でのホームシェア。
桃太郎考察で語った老夫婦とは違い、元々財産が豊かではないようだ。
その状況下で、白雪姫という居候が増えてしまった。
家計は火の車なのだ、七人全員で働かないと採算が取れない。
やはり、白雪姫は一人で留守番をするしかなかったのだ。
そんな貧しいこびとたちは、余裕がないのになぜ白雪姫を家に迎え入れたのか。
「なんて美しい女性だろう」と惚れ込んでしまったのか。
「不法侵入者怖い!」と身の安全のためにひれ伏しているのか。
いや、多分そうではない。
「結婚適齢期に見えても精神年齢は幼稚園児と同じだ」と保護者目線で白雪姫を見ているのではなかろうか。
大の大人に向かって「知らない人を家に上げてはダメだよ」「知らない人からものを貰ってはダメだよ」だなんて普通は言わない。
同じ事を何度も何度も言ううちに、怒りすら湧いてくるだろう。
でも相手は白雪姫。
中身は幼稚園児。
まるで子供を躾けるかのような対応で、毎回優しく諭している。
完全に保護者目線なのだ。
なので、白雪姫が死んでしまった時は、「親より先に死ぬなんて…」と嘆き悲しみ、泣け無しの財産でガラスの棺まで作り、白雪姫が王子と結婚した時は、「ようやく娘が独り立ちしたんだな」と娘を送り出す父親目線で喜んだんだと思う。
白雪姫にも【王子】は登場する。
この人物の考察はどうだろう。
シンデレラと同じく、この王子もまず白雪姫の美しさに惚れている。
ただし、こちらは死んでいる。
しかも老婆。
国一番の美貌の持ち主ではあるが、奥歯はなく、物忘れが激しく、反省をせず、精神年齢は未就学児。
シンデレラ考察に出てきた王子とはうって変わって、人を見る目が無さすぎる。
そもそも、あまりの美しさに死体の白雪姫を城へ連れて帰ろうとしているのだ。
白雪姫を未来の王妃としてではなく、鑑賞用として見ている可能性もある。
だとすれば、見た目と家柄しか取り柄のない白雪姫にとっては、最高の就職先である。
もしかすると、王子は人を見る目がないのではなく、桃太郎考察の桃太郎同様、有能な採用人事だったのかもしれない。
王子の国にはとんでもない特産品がある。
結婚式で白雪姫を襲ったお妃に対して、焼けた鉄の靴を履かせる罰を与えた。
この焼けた鉄の靴、ただの焼けた鉄の靴ではない。
踊り死ぬまで足を焼き焦がす事なく熱を保つことが出来る特殊な靴なのだ。
通常、人間が餓死するのは三〜七日。
その間、お妃の足は踊り続けられるだけの足の状態でいなければならない。
このような神話級のアイテムを、この国では懲罰として使用している。
なんかこう、この素材のもっといい活用法があったのではなかろうか。
罪人を痛めつけるために使うとか、普通なら勿体ない。
しかし、この国では殺人未遂の罪人相手にこのようなオーパーツを使っている。
となると、もしかするとこの国では珍しい素材ではないのかもしれない。
結構ありふれた素材で、この国では馴染みのあるものの可能性が出てきた。
保温機能が抜群に良いので、きっと暖房器具として各家庭で有効活用されているのだろう。
この国にこれほどの素材が大量生産されているのだから、一般鉱夫のこびとたちが貧しいのもうなずける。




