桃太郎考察(鬼の文明編)
桃太郎に登場する悪役、【鬼】について考察していく。
鬼が行った悪事についてだが、鬼は村を襲い『金品や財宝を強奪した』と説明されている。
つまり、金品は人間だけでなく鬼にとっても価値のあるものだという証拠になっている。
そしてそれは、鬼にも貨幣文化があるということになると予測される。
そして、金銀財宝を集めるということは、少なくても『財産という概念』『希少価値』『所有権』みたいなものがある。
高価な反物については、虎のパンツしか履かない鬼がなぜ衣装用の反物を奪ったのか。
桃太郎が財宝とともに反物も無事奪い返せた事から、恐らく衣服としてではなく観賞用として取り扱ってきた可能性がある。
貨幣文化があるという事は、鬼にも何らかの経済活動や役割分担が存在した可能性が高い。
少なくとも、金棒を取り扱う武器屋と鍛冶師、虎のパンツを取り扱う呉服屋と針子、飲食物を扱う生鮮品店や酒屋と商人、住処を作る大工、貴金属や反物を扱う宝飾品店とジュエリーアドバイザーは存在し、もしかすると農家や漁師、医者や病院、学校、飲食店、美術館などもある可能性がある。
ここで疑問なのが、文明や文化のある鬼がなぜ人間と『交易』ではなく『強奪』を選んだのか。
理由の一つに、鬼は人間を支配したかったのではないかと推測される。
前述した通り、鬼にも貨幣文化や美術品を嗜む文明がある。
だが、それは全て『人間が作ったもの』に依存している。
もしかすると生産という概念がないのかもしれない。
農家、漁師、酒蔵もなく、飲食物も人間から徴収していた可能性もある。
人間と交易するなら対価を支払う必要があるが、鬼に生産力があるのかは不明。
となると、『強奪』以外の方法がないのかもしれない。
暴力を執行することで人間を恐怖で支配し、金品を巻き上げることで成り立つ鬼の文化。
しかしこれは、他者が生産する事で成り立っている。
これでは現実的に考えても、長期的に続かない。
略奪し続ければ、人間は貧しくなり、生産は減り、略奪出来るものがなくなってしまう、という悪循環になる。
目先の利益に目がくらみ、長期的利益を失う事になる。
なので、桃太郎に退治されずとも、鬼の文明はいずれ滅んでしまうであろう。
最後に、桃太郎と一緒に鬼退治した【犬、猿、雉】について考察。
最初のスカウト内容は、『きびだんごひとつで鬼ヶ島まで手漕ぎ船で向かい、鬼を殲滅する』。
通勤手当混みで命の危険あり。
ここだけ見れば、完全にブラック企業である。
が、しかしよく考えてもらいたい。
きびだんごは前払いで、その成分は、鬼に勝つことができる程の筋力増加性能。
しかも、成果報酬は、『鬼の貯蓄財産』『鬼すら恐れるセキュリティ付き住宅への永住権』『完全な健康管理がなされた食事』『老夫婦による最強英才教育』『桃太郎という最強の上司』という、万全な福利厚生。
雇用形態も終身雇用。
超絶ホワイト企業である。
犬と猿どっちが先の家来とか言ってる事がどうでもよくなるくらい、桃太郎の家来という仕事に付いた三匹は、完全に勝ち組なのだ。
結論、桃太郎の仕事は鬼退治ではなく『超優良企業の採用人事』という結果になった。




