手法
「量子ビットの作成については、テック・カバナー財閥の全面協力のもと行います。そのうえで、ブラックアウト領域へと量子ビットを送ります。これは重力送信という手法を取ります。なお、重力送信の手法は特許が絡むため、ここで公開するのは控えたいと思います」
訴訟が怖いので、という思いがあったのを俺は会合前に佐藤から聞いていた。
だからとかくなにもいうことなくそのまま話が続いている。
「それをするしか通信手段がないのであれば、それをするしかないだろう。ブラックアウト領域に関して君が一番の専門だ」
誰かが佐藤へと告げる。
「ありがとうございます。では、量子ビット送信を実施する、ということとします。ただ、これについて一つ問題があります」
「問題?」
別の誰かが聞いた。
「莫大な電力、それと周囲の電磁気の遮断が必要です。そこで実験、および実施する際には周囲の一切の電磁気を発するものを完全に排除する必要があります。そのうえで電力を用いて行います」
「完全な、というのは難しいだろうが、できるだけは州政府と連邦政府に働きかけることを約束しよう」
発言をしたのは、どうやらアメリカのどこかの財団の研究者らしい。
「ありがとうございます。こちらはテック・カバナー財閥と連絡を密にとり、実施するスケジュールを決めたいと思います」
佐藤はそう会合を締めた。




