第十八話 見つけてしまう
## 第十八話 見つけてしまう
体育祭まで、あと一週間。
放課後の校庭には、生徒たちの声が響いていた。
鈴木も綱引きの練習に参加していたが、今日はなぜか集中できない。
「鈴木ー! 引け引け!」
「お、おう!」
慌てて綱を握り直す。
周りから笑い声が上がった。
「最近ぼーっとしてない?」
友人の田辺が言った。
「そうか?」
「そう。」
即答だった。
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練習が終わった後。
鈴木は校舎へ戻ろうとしていた。
その時だった。
中庭のベンチが目に入る。
そこには花本がいた。
そして。
隣には中村。
二人で何かを話している。
花本が笑う。
中村も笑う。
ただそれだけの光景。
なのに。
なぜか足が止まった。
「……。」
胸の奥が少しだけざわつく。
理由はわからない。
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その夜。
ベッドの上。
鈴木はスマホを見ていた。
SNSには体育祭準備の写真がたくさん上がっている。
その中にも。
花本と中村が写っていた。
別に特別な写真じゃない。
委員会のみんなで撮った集合写真。
でも。
気づけば花本を探している。
そして。
隣に中村がいることが気になる。
「なんなんだろ。」
小さく呟く。
自分でもわからなかった。
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翌日。
昼休み。
花本はいつも通り前の席へやってきた。
「暑すぎる。」
机に突っ伏す。
「それ昨日も言ってた。」
「今日の方が暑い。」
「毎日更新されてる。」
花本が吹き出した。
鈴木も笑う。
こういう時間が、最近増えた気がする。
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「そういえば。」
鈴木は何気なく聞いた。
「中村と仲良いんだね。」
その瞬間。
花本が少しだけ目を丸くする。
「中村?」
「うん。」
「普通だよ。」
「そうなんだ。」
「なんで?」
花本が不思議そうに聞く。
鈴木は答えに詰まった。
なんでだろう。
本当に、なんでだろう。
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花本はそんな鈴木を見ていた。
そして。
ほんの少しだけ笑う。
「もしかして。」
「?」
「気になってる?」
「何が。」
「中村。」
「別に。」
鈴木は即答した。
花本はさらに笑う。
「そっか。」
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でも。
その日の帰り道。
鈴木は思い出していた。
ベンチで笑う花本。
隣にいる中村。
自分の知らない時間。
知らない表情。
知らない会話。
そして。
それが少しだけ面白くないと思った自分。
夏の夕暮れは、まだ明るかった。
けれど鈴木の中では、
何かが少しずつ形になり始めていた。




