第176話 アンチの行方
(▼固定)
――――free chat 211――――
172 名無し(e38384e383_a0e382ae)
☆間宵紬
・異迷ツムリの前世
・アイドルグループ『スターライト』に所属(1年前に解散)
〜〜続きを読む〜〜
――――free chat 214――――
151 名無し(e382a2e383_abe3839e)
お、やっと普通の配信告知来たな
152 名無し(e382a6e383_a9e3838e)
前回はメン限に逃げられたしなー
ここで仕掛ける?
153 名無し(e382a2e383_abe3839e)
情報の裏取りもできてるし、
温めすぎていい加減吐き出したいわ
154 名無し(e38397e383_abe38388)
さてさて次はどんな反応してくれるかね
155 名無し(e382b0e383_ace382a4)
裏取りした情報源ってまた同じ人だっけ?
156 名無し(e382a2e383_abe3839e)
あーうん。そういや最近アイツ見ないな?
生きてる? @e38384e383_a0e382ae
157 名無し(guest00000_00000001)
生きてますよ
その人のアカウントは抑えましたが
158 名無し(e382a2e383_abe3839e)
? 知らんIDだけどアンタ誰?
てかそもそも招待したの誰?
159 名無し(guest00000_00000001)
抑えたアカウントを入り口にさせていただきました
初めまして。私はマイ迷子をやらせてもらっている者です
160 名無し(e382a2e383_abe3839e)
あ〜〜……なるほど
クレームでも言いに来たん?
161 名無し(guest00000_00000001)
そんなところです
異迷ツムリにちょっかいかけるの、やめてもらえませんか?
162 名無し(e382a2e383_abe3839e)
やだよw折角時間かけたのに無駄になるじゃんw
163 名無し(e382b0e383_ace382a4)
どうやってここ特定したの?
164 名無し(e382a6e383_a9e3838e)
サイト特定できたところで1人で何ができるん?w
165 名無し(guest00000_00000001)
交渉決裂のようですね
ではこちらも数を揃えるとしましょう
皆さん、お願いします
166 名無し(e382a2e383_abe3839e)
あ? 皆さん?
167 名無し(guest00000_00000002)
うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!
168 名無し(guest00000_00000005)
悪い子はいねーーーがーーー!!!
アンチはいねーーーがーーー!?!?
169 名無し(guest00000_00000011)
お返しに荒らしに来たぞおおおおお!!!
170 名無し(guest00000_00000019)
祭りじゃーーーーーい!!!!!
171 名無し(guest00000_00000038)
迷惑アンチの血祭りじゃああああああい!!!!!
172 名無し(guest00000_00000042)
うおおおおおおおおおおお!!!ヽ(`Д´#)ノ
173 名無し(e38397e383_abe38388)
なんかめっちゃ増えたww何このキチガイ集団www
174 名無し(e382a2e383_abe3839e)
こいつら全員マイ迷子なの?w
よくあんな奴のファン続けられるなww
175 名無し(guest00000_00000001)
あの子の良さがわからない輩は黙っててください
黙らないなら……我々があなた達に付き纏って騒ぎ続ける
あなた達の否定の声を掻き消し続ける
176 名無し(e382a6e383_a9e3838e)
うわダル
シンプルにネトストキモいんだけど
177 名無し(guest00000_00000025)
いやおまいうすぎるwww
178 名無し(guest00000_00000077)
女の子に付き纏ってイタズラし続けて
もしかして小学生男子から成長できてない方??
179 名無し(guest00000_00000002)
前世妄想とか今どき流行らんぞ
声似てるからって言いがかりつけてそれっぽい有名人の名前上げて
結局答え合わせもできない不毛な議論
180 名無し(e38397e383_abe38388)
言いがかりって言うならアンチの戯言なんぞ無視すればよくね?
181 名無し(guest00000_00000060)
それがホントだろうと噓だろうとリークされれば荒れるだろ?
推し荒らされたらファンがブチギレるのは当然だろ
182 名無し(guest00000_00000010)
どうせこんな暇なことする奴ら引きこもりのニート集団だろwww
今どきVも立派なお仕事なんだよ
お前らの暇つぶしで真面目に働いてる奴の邪魔すんなっつの
183 名無し(guest00000_00000042)
つか真面目に働いてる俺らの日々の癒し奪ってんじゃねーよ(#^ω^)
184 名無し(guest00000_00000001)
目には目を、歯には歯を
我々の平穏を荒らそうと言うのなら我々が貴方達を荒らし尽くす
それだけです
185 名無し(e382a2e383_abe3839e)
ふーん。あっそ
まーここ荒らされても場所変えるだけだから別にいいけど
186 名無し(e38397e383_abe38388)
特定お疲れさま〜
無駄な労力だったね
187 名無し(guest00000_00000001)
逃げても無駄ですよ?
ネット上にいる限り、あなた達に逃げ場はもうありませんから
188 名無し(e382a6e383_a9e3838e)
はいはい妄想乙
189 名無し(e382a2e383_abe3839e)
じゃ、厄介オタクどもの相手するのも時間の無駄だしこの辺で
190 名無し(e382a6e383_a9e3838e)
バイバーイ
191 名無し(e382b0e383_ace382a4)
ノシ
――――――――――――
「……ふぅ。撃退できた、ってことで良いのか? これは」
チャット欄に現れなくなったのを確認し、一人呟く。
同担の同志達およそ100名を先導し、一つの会員制サイトへ押しかけた。
その結果、サイト運営者らを退けることはできた。
一見すれば勝利に見えなくもないが、これで根本解決になったかと問われると疑問が残る。
「ひとまず、異迷ツムリのファンに絡むと面倒だと思わせることはできたはず。後のことは……あの人達に相談するしかない、か」
この集団抗議を主導したのは確かに自分だ。
しかし自分だけで立案した策ではない。
これはあくまで計画の一部、その一つが成功したにすぎない。
成功を報告しつつ次の動きを確認しようと、間宵解斗はとある女性へ連絡する。
◇
◆
事の発端は間宵解斗の運営するアイドル事務所内で行われたオーディションだった。
VTuberプロジェクト『ブイアクト』、当時は3期生デビューの募集。
そのデビュー権利1枠をかけたオーディション。
元々は間宵紬が正攻法でアイドルになれなかったときの保険として灰羽メイに頼んで用意してもらった枠。
まだ間宵紬には不要と判断し、事務所内十数人が参加希望したオーディションで一人を選出した。
選ばれた者はブイアクト3期生としてデビュー。
そして選ばれなかった者達の中に嫉妬を抱える者も多く……その中の一人が、とある会員制掲示板サイトの会員だった。
「先輩達何してるんですか?」
「掲示板の書き込み? うわ……ネットであんま過激なこと言うのやめたほうがいいと思いますよ?」
「はっ……アンタたちはオーディション受ける必要ないくらい才能あるからいいよね」
「アタシらみたいな凡人はこういうチャンス逃すとキツイんだから。大手VTuber事務所、運でのし上がれるビッグチャンス、そうそうあるものじゃない。……だからこそ妬ましい」
事務所のパソコンを使って負の感情を書き込む。
そんな様子を見て関わらないようにしていたと間宵紬のチームメイト2人は語った。
その後はデビューした知り合いの粗を探しては裏で口汚く書き込む。
そんな彼女らの中の一人が気づいてしまった。
嫉妬の対象ではなくその同期、山文プルトの兄がアイドルをやっていることに。
プルトに恨みは無いが、同期が騒ぎを起こせば多少は影響をうけるのではないか。
出来心で会員制サイトに情報を流してしまった。
自分達が原因で一人のタレントを引退させた。
その過去がありながら、彼女らが反省することはなかった。
ブイアクト4期生デビューも同様にオーディションが行われた。
そして一人が選出され……直前になってその一人もデビューを取り消された。
代わりにデビューした異迷ツムリという少女に悪意を向けられるのは、当然の結果だった。
◆
◇
「それが事の顛末です。情報の横流しをしたアイドル達からも既に聴取は済んでいます」
間宵解斗が訪れたのはとある会社の会議室。
異迷ツムリと契約している事務所、その責任者を務めていた者に説明した。
「今後の対応ですが……そちらの会社から損害賠償の訴えを出してもらえますか? 実名で公表すればこの業界に居られなくなるでしょう」
「いいのかい? 何もそこまでしなくても……」
その提案に反応したのは灰羽メイ。
今は社長の任を解かれているが会社の一員として、そして解斗の友人として話を聞いている。
「いえ。彼女達にアイドルを名乗る資格はもうありません。他アイドルとファンの夢を壊すなどという愚行……同じアイドルとして許されて良いはずがない」
「それは……その通りかもしれない。けどそちらの事務所もただでは済まないのでは?」
「……そうですね。私は因果応報なので仕方ありませんが、無関係な子達だけでも活動を続けられるようにサポートするつもりです」
「そうか……」
コネを使った有名Vtuber事務所のデビュー枠斡旋。
それによってタレント達が悪意に晒された。
解斗だけでなく、灰羽も責任を感じ口数を減らしてしまう。
そんな二人のやり取りを見て第三者が口を挟んだ。
「女子社会は怖いねぇ。けど解斗さんが犯人じゃなくてよかったよ」
そんな感想を述べたのは灰羽メイの旧友、四条ルナ。
解斗との関わりは少ないが、協力者として対策について話し合っていた。
「一時期疑っちゃってたからさ。グレイとコソコソやり取りして何か企んでたみたいだし」
「ああ。あれは……改めて言うのも恥ずかしいな」
「ただの推し活の相談だよ。彼のやろうとしてたことがあまりにも大規模だったから」
「あ、ひょっとしてあの応援広告企画? 随分派手にやったよね~」
彼の動向を詳しく知らないルナですら耳にしている、界隈で話題になったファン企画。
それも間宵解斗が主導したものだったと。
「絶賛炎上中のタレントを全国規模で広告して、事務所に悪影響があるかもしれないと適宜連絡をくれていたんだ」
「さすがに断られると思っていましたよ。まさか全部許されるなんて」
「事務所としても異迷ツムリを守りきれなかった責任は感じているからね。ファンが支えようとしてくれるのに無下にはできないさ」
ファンとして、運営として、立場が異なる2人。
しかし互いにツムリを応援したいという気持ちは同じだった。
そんな裏のファン企画もあったが、今考えるべきは別の対応について。
「しかし問題の首謀者達には逃げられてしまいましたね……言われた通り脅し文句だけは伝えましたが、あれでよかったのですか?」
「ばっちりです♪ 悪ガキ達のことはこの導化師に……じゃなかった。アルマさんにお任せあれってね」
「悪ガキって、なんでそんな余裕……」
「お、噂をすれば。連絡来たからちょっと行ってくるね~」
自信満々に答え、追加の質問をする前に彼女は行動してしまう。
ルナが退室し、行き場のなくなった疑問をもう一人に聞いてみる。
「四条ルナ……彼女は何をするつもりなんですか? 唯一接触できる会員制サイトで取り逃がしてしまったのに」
「ああ。あれだけ余裕ってことは諸々特定済みなんだろうね」
「特定……ですか?」
灰羽も詳しくは知らないらしいが、彼女の様子からおおよそ察したらしい。
「そう簡単には逃げ切れないさ。ルナには人脈があるからね。この10年多くの厄介ファンを導き、手懐けてきた。それこそ、中には似たようなネットストーカーやハッカー集団なんかも居たと聞く」
導化師として活動してきた、配信上では見せない彼女の裏の顔。
道を踏み外した者たちも導き、今も彼女の手中にあると。
「今さらながらアタシもルナのことが怖くなってきたよ。……導化師アルマの信者は、今も彼女を信仰しているらしい」
◇
昔は純粋にオタクを楽しんでた時期もあった。
誰よりも導化師アルマを愛してるんだって思い込んで。
本人にこの想いを届けたいって文字で叫び続けて。
迷い人として本気で愛を表現してきたつもりだった。
でも……いつしか導化師アルマは変わってしまった。
5周年を超えた頃、彼女は偽りで全てを隠すようになった。
自分の前で一切仮面を外さなくなった。
自分の愛に、嘘で返すようになってしまった。
昔はもっと拙くて、ときおり感情を漏らしてくれる弱さまで好きだった。
完璧を装う彼女が見てられなくて、その完璧を崩したくなって。
気づけば手段が目的になって、愛を見失って……。
俗に言う『反転アンチ』というヤツだ。
《あ~~~! うぜぇ~〜〜!!》
《荒れてんなwwwけどわかるわ》
《ほぼ準備終わってただけに勿体ないよなぁ》
《邪魔されちゃったねー》
会員制サイトは情報収集と炎上拡散のための協力者を集める、いわば取引場所。
普段やり取りする者達とは別で連絡先を交換していた。
今は4人のグループチャットで愚痴大会が開かれている最中。
《おっけワンダーランド潰してきたわ。オタクどもが騒いでて不快だったし》
《どうする? 一応異迷ツムリのリークくらいならまだできるんじゃね?》
《サイトなくなった分拡散力落ちるけどなー》
《いや。多分あの中にブイアクト関係者いるだろ? こっちのこと特定できるような口ぶりだったしリスクに見合ってねぇな》
《あー流石にか》
《今までも訴えられないギリギリのラインでやってきたしね》
《これで炎上させたら徹底抗戦されそうだよなぁ》
小賢しく引き際を見極める理性はある。
なにもブイアクトにこだわるつもりはない。
数年経過し熱が冷めた今、自分達にとってこれはただの遊びだから。
《はぁ……もういいわ。大手事務所にちょっかいかけるのも飽きてきた頃だし、次は弱小事務所か個人狙わね?》
《おっいいね。軽くイジったらそのまま潰れちゃうかもしれんけどw》
《じゃそれ用に新しいサイト立ち上げて協力者募りますか》
自分が反転してから見つけた気の合う奴ら。
音声解析屋、画像解析屋、ネトスト特定厨などスキルとアクの強い趣味を持つ同志達。
彼らとは単純に気の合う友人として、共に行動するのは楽しかった。
………………。
「ふぅ……ん? 知らんやつからDM来てんな」
仲間内でチャットをしていると、SNSアカウント宛に見知らぬ名前から連絡が来ていた。
「は? 裏垢の画像? これ表で晒したこと無いよな……」
そこには文字などなく、ただ次々と画像が貼り付けられていった。
「他のSNSも全部……メールアドレスまで!? なんだこれ……特定したとでも言いたいのか……?」
誰にも教えていない裏の顔を突きつけられる。
これを送ってきている者は何者か、何が狙いか。
検討つかないまま、最後に送られてきたのはマップアプリのスクリーンショット。
「これ……ここの住所……」
それを見た瞬間、疑念が恐怖に塗り替わった。
ネット上のアカウント程度ならいつでも自分から切り離せる情報だ。
しかし住所は……。
「逃げ、ないと……」
身の危険を感じ、急いで家を出る。
何かまずい。コイツは今まで会ってきたどんな奴よりもヤバい気がする。
理由も分からないまま追われ、すぐそこまで近づいてきている。
どこか遠くへ。
電車に乗って、人混みに紛れて、とにかく歩き続けた。
しかしその間もスマホの震えは止まらない。
「なんで逐一俺の居場所連絡してくんだよ……ストーカー野郎が……!!」
どれだけ逃げても居場所を突き止められる。
逃げても無駄なのか、そう思いかけたところで新たなメッセージが届く。
《ずっと見てるからね♪》
初めて届いた文字のメッセージ。
それを見た瞬間、急激な寒気に襲われた。
「コイツ……いやまさかな……」
ずっと見ている、その言葉自体にも恐怖は感じた。
しかしそれ以上に、文体からとある人物を連想してしまった。
そんなことあるはずがないのに。
《君が誰なのか、アタシはぜーんぶ知ってる。……君がアタシのこと見てたのも知ってる》
追加のメッセージ、そうとしか思えない言い草。
でも、彼女からすれば自分みたいな有象無象の一人を、それも何年も前の関わりを覚えてるわけ……。
《そんな子に導いた覚えはないのになぁ。――――さん?》
その呼び名は、その頃使っていたハンドルネーム。
そして『導く』というワードで確信させられる。
「お前……導化師、なのか……?」
《残念。もう導化師は辞めたんだよね。だから君がこれ以上間違いを犯しても私は導かない》
自分の呟きに反応するかのようにメッセージが追加される。
「は、はは……そうだよな。別にもうブイアクトに手出すつもりもないし。……ん? でも、だったらなんで特定なんか……」
導くつもりがないなら何故自分に付き纏ったりしたのか。
その疑問に対する答えが届く。
《けど、これ以上人様に迷惑かけるなら放っておけないから……終わらせるしかなくなっちゃうんだ》
あの頃の彼女からは想像できない発言。
彼女が今まで見せてくれなかった本心。
ずっと見たかった仮面の裏側、冷酷な素顔に心の底から恐怖した。
………………。
《……俺、降りるわ》
《ん? 降りるって?》
《足洗うってことだよ。Vにちょっかいかけるのもやめる》
悪行から手を引こうと伝える。
当然彼らからは疑問の声が返ってきた。
《え、どしたん急に?》
《まさか今さら日和ったとか?ww》
《ちょっと……いや、なんでもない》
《え、ガチで何? ノリ悪くね?》
コイツらには言えない。バカにされるのがオチだ。
いや……それ以上にコイツらが自分に牙を剥かないとも限らない。
人に付き纏われる恐怖を知り、今はただ穏便に済ませることしか考えられなかった。
《なんでもねーって。けど……お前らも気をつけた方がいいぞ》
それだけ言い残してそれ以上返信するのは止めた。
するとしばらくして、1人から個人チャットが届いた。
《大丈夫? ちょっと心配になって……話聞こうか?》
そいつはいつも絡んでる3人の中でも温厚な奴。
今バカにしてきた奴らに比べれば無害な存在。
1人で抱え込むのも限界だったから、思わず漏らしてしまう
《最近付きまとわれてて……今家にも帰れなくてさ》
《そうなんだ……じゃあ今外に居るの?》
《ん? そうだけど》
《なら折角だし飲みにでも行かない? 都内ならどこでも駆けつけますよ~》
自分を慰めようとしてくれてるのか。
確かに相談するなら直接会話したいとも思っていた。
顔も合わせたことのない相手だけど、ネット上では長い付き合いだし……大丈夫か。
簡単に絆され、自分は居場所を伝えた。
彼女もそれほど遠くない場所にいるとのことで、1時間後に落ち合うことになった。
「ああ、わざわざ来てくれてありがとう。えーと……」
顔を合わせて、少しだけ驚いた。
まさか女性だとは思っていなかったから。
でも確かに、ハンドルネームは女性らしいものを使っていたことを思い出す。
その名を呼ぼうとすると彼女も挨拶をくれる。
「リアルでは初めましてですね。――――さん」
どこかで聞いたことがあるような声。
昔長いこと聞いていた声に似てるけど、少しだけ違う。
そもそも声が似てるくらいじゃ疑いもしなかった。
「いつもお世話になってます。私のことは……気軽にルナ子って呼んでください♪」
だって……あの人がこんなところにいるはずないのだから。




