05 日常?
本日三話目
目が痛いまま寝た俺はこの世界初めての朝を迎えた。
「はぁ……目赤くないかな」
ベッドから下りた俺はカーテンを開けるとまだ少し朝日が覗くぐらいだった、おそらく四時ぐらいだろうか? 眠く重い体を起こし、俺は部屋から出る。
顔でも洗おうしたけど、場所が分からねぇな……。
俺の部屋の特徴はシャンデリアがあるザ・高級ホテルのような部屋、正直俺にはもったいない。 ベッドだってキングサイズ、一人にしては大き過ぎる。もうちょっとちっちゃくてもいいのにな……。
そんなことを考えていると奥の部屋から明かりが漏れていた。 場所的におそらく厨房だろうか?誰かいるのか?
まだ朝早いぞ……?
俺はそろりと抜き足で音を立たないように厨房の扉を開け、中を覗く。
そこには……。
「はむ……はむ……はむはむ……」
「……え?」
そこには冷蔵庫の中から肉を取り出して獣のように貪っていた誰かがいた。 俺はそっと扉を静かに閉める。
うん。 今のは気のせいだ、そうだ幻覚だ。 もう一度……。
俺はまた厨房の扉を開ける。 やはり肉を貪っている。 髪色は金髪。はあ、マレンさんか。 なんか想像できるな。
「マレンさん、朝からつまみ食いですか?」
「……え?」
振り返った金髪はマレンさんとは違う顔をしていた。 え? マレンさんじゃない?
金髪でマレンさんじゃないとすると昨日の自己紹介でのオーロさん……。
そして、オーロさんは静かに立ち上がり俺の元へと近付き、蚊の鳴くような声で呟く。
「……このことは、皆やマレン様には内緒でお願いします……」
「は、はい……」
オーロさんは顔から鎖骨にかけて茹でタコのように真っ赤になり、プルプルと体が震えている。
その後、オーロさんは厨房から出て行った。 俺はオーロさんの意外な一面を知ったのであった。
☆☆☆☆☆☆☆☆
オーロさんの意外な一面を知って朝食の時間となった俺は現在、よくわからないことになっている。
「ソウマさん、お水いりますか?」
「あ、はい……ありがとうございます」
「ソウマさん、おかわりはいりますか?」
「い、いえもう大丈夫です」
「……」
「……」
「どういうことですか!?」
長い沈黙に耐えきれなくなったのかエリスさんが俺達を指を指して叫ぶ。
「他の四人はマレンさんの横にいるのに、なんで貴女だけはソウマさんの横にいるんですか!?」
「い、いえ。 今日はそういう気分なんです」
「どんな気分ですか……」
頭を抱えるエリスさん、正直俺もそう。 まあ原因は分かっているけど……。
オーロさんだけは俺の横にいる。他の四人はマレンさんの横で「お水いれますね」「今日もかっこいいです」「マレン様、今日はどのような予定で」「夜ご飯はどうしましょうか?」と、マレンさんも困惑するほどに迫っているた。
その後朝食を終え、俺とエリスさんとマレンさんは集まり、今日の予定を立てる。
「今日はどうするんですか?」
「まあ、マレンさんの気分ですかね」
「気分?」
「ええ、大体やることは魔王討伐なんですが、それは一週間で二日ですかね」
「二日!?」
「いつも「今日は気分が乗らん」や「今日は好きな商品の発売日」などと、意味のわからない言い訳をして魔王討伐には行きません。 本気なのか本気じゃないのかよく分かりません」
先に集まった俺とエリスさんはマレンさんのよくわからない理論を聞くこととなった。いや、普通に魔王討伐が目標じゃないのか……?
途端、大きく扉が開きそこからはある人物の影が見える。
「待たせたな」
「マレンさん、五分遅刻です」
「そう固く言うな、来たんだからいいだろう」
「はぁ……それで?今日はどうするんですか?」
「ふふふ、実は今日はな。 隣の街で新しい食べ物が発売されるらしいんだ、だから休み!!」
「魔王討伐する気あんのか!?」
腰に手を掛け、天井に向かって指を指しながら声高らかに大きく宣言をする。 その様子を見るとマレンさんの日々のヤバさが見て取れる。
「ああ、それとソウマ。 お前にもついてきてもらうぞ?」
「……は?」
「ソウマさん、ドンマイです。よい旅を」
「エリスさん!?見捨てないでください!?」
「では行くぞ、ソウマ」
「ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇぇ!!」
こうして、俺はマレンさんとの買い物を余儀なくされた。 いや、強制的にされた。
一言で言うと、絶対ヤバい……。




