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04 メイドがおかしい

 俺はエリスさんの屋敷に来た。まあ、その広さや大きさに驚いたのもあるがそれよりも……。


「使いものにならないさん、こちらを」

「お味はどうですか?使いものにならないさん」

「何かご不満ありますか?使いものにならないさん」

「何か困ったことはありますか?使いものにならないさん」

「お飲み物をお注ぎしますね、使いものにならないさん」

「あの〜一つ聞いていいですか?」

「「「「「「どうしました?使いものにならないさん」」」」」」

「その使いものにならないさんってのをやめてほしいんだけど!?」


 そう、このメイド達は俺のことを「使いものにならないさん」と呼ぶ。 原因はマレンさんの俺が紹介した時のせいである。普通にやめてほしい!!


「そうですか……」

「えっと、」

「それで、」

「お名前って、」

「何でしたっけ?」

「黒井蒼真だよ!黒井蒼真! さっき言ったばっかりだよね!?」

「あはは……やっぱりマレンさん以外には全員そういう感じなんですね……」

「救いがエリスさんだけ……」


 なお、原因の張本人であるマレンさんは……。


「ん〜今日も美味いな」

「ありがとうございますマレン様!」

「今気付いたけど、マレンさんにだけ様付け!?」

「「「「「当たり前です」」」」」

「即答……。まあ敬語なのが救いか……」


 呆れて横を見るとエリスさんはどこか遠い目をしている。 今まで一人でこの光景を見ていたと考えると背中がヒヤッとする。


「エリスさん、お疲れ様です……」

「あぁ……貴方だけです、この苦労が分かるのは……」


 エリスさんの目がもう涙目だよ!?どんだけヤバかったのこのメイド達!! しかも雇ったのエリスさんなんだよね!?そのエリスさんに対して何にも礼儀がなってねぇよ!



       ☆☆☆☆☆☆☆☆



 楽しい楽しい?食事を終えてメイド五人の自己紹介が始まった。


「私はローホ・ビストーソです」

「私はアズール・ビストーソです」

「私はオーロ・ビストーソです」

「私はヴェル・ビストーソです」

「私はルプラ・ビストーソです」


 ローホさんは綺麗な赤髪が輝いている。

 アズールさんは綺麗な青髪で海のようだ。

 オーロさんは綺麗な金髪でマレンさんと似ている。

 ヴェルさんは綺麗な緑髪で森のようだ。

 ルプラさんは綺麗な紫髪で宝石のようだ。

 そしてもれなく全員顔が同じである。 そう、五つ子だ。いやどんな確率だと思ってるんだよ……。


「髪が違うだけで見間違うレベル……」

「そうか?案外見分けはつくぞ?」

「私もそれなりには」

「二人は一緒に暮らしてるからでしょ!!」


 あ〜たちが悪い、まだ五つ子だけならいいけどオーロさんがマレンさんと髪色に似過ぎて見間違える!! 身長も同じくらいだし……。


「はあ、大丈夫かな……」

「大丈夫ですか?」

「え?え〜と君は……」

「ヴェルです。緑髪の」

「ヴェルさんかうん、大丈夫だよ……」


 そして時は流れお風呂の時間となった。俺は男なので、他の皆よりは時間をズラして入るよう説明を受けた。


「はあ〜これが一番心が休まるかも」


 正直いきなりこの世界に召喚され、いきなり魔王討伐しろや、空を飛んだり、変なメイド達がいたりで身も心もクタクタだ。 何日もこの世界にいた気がするが、まだ来てから半日ぐらいだ。


「ただの高校生に何させようとしてるんだよホント……」


 俺は小さなため息をつくが、それは誰にも聞こえてはいない。


「ソウマさん!」

「ひゃっ!?だ、誰!?」

「紫髪のルプラです!」

「ルプラさん!?ど、どうしたの?」


 入浴剤で白く濁っててよかったぁ……。


 そしてルプラさんの次の発言に俺は完全にフリーズすることとなった。


「お背中でも流しましょうか?」

「は?」


 背中を流すってことはあれだよな?一緒にお風呂に入るって……。


 そんなことを考える隙を与えないと言わんばかりにルプラさんが一切の躊躇なく入って来る。しっかりバスタオルは巻いている。


「変なこと考えないでくださいね、考えたら蹴りますから」

「考えないよ!」


 そしてルプラさんはブラシを取り、俺の背中へと回った。


「あ、あの……なんでこんなことを?」

「一応客人ですからね、ある程度はマレンさんの前ではしっかりしないとと」

「あっそこは正直なんですね……」


 要は俺はマレンさんに偉い子ですとアピールする道具か……。まあいいけどさ。


 ゴシゴシという音が浴室中に響く。


「あの、マレンさんの目的って……」

「マレン様の目的は世界平和です」

「え?でも、この世界は平和なんじゃ……」

「確かにその認識でも構いません、ですがマレン様は頭が切れるお方なので魔王があのままだと考えておられないんです」

「それってつまり、魔王が復活するとかの話ですか?」

「まあ、理屈はそうですかね」


 完全に浴室でする話ではないが、やはり俺の召喚理由は聞いておきたいものだ。それに最も関係するのはマレンさんの目的、そして俺のことを適正者と呼ぶ理由も気になる。


「あだだだだ!? ちょっ急に何!?」

「なんで貴方みたいな人がマレン様に選ばれるんですか……」

「あだだ、え?」

「私達五つ子はマレン様の役に立ちたいんです、それなのに一番の役割をなんで出会って一日の貴方に……」

「そ、そんなこと言われても……」

「……これで終わりです、あとは自分でしてくださいね」


 突然ルプラさんは立ち上がり、そう言い放って浴室を出る。


「ふん!」

「うぉ!いてぇぇぇぇ!?」


 ルプラさんは浴室を出る瞬間、ブラシを俺めがけて投げた。 そのブラシが俺の目に直撃し、シャンプーが目に染みる。

 俺の悶絶が静かな夜に響いた。



       ☆☆☆☆☆☆☆☆



 俺はお風呂から出て、風呂上がりに牛乳一杯を飲みたいところだがそれを抑えてもう寝ることとする。


 あぁ……まだ目に染みてる、痛い……。 ちゃんと寝れるかな……。

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