02 魔王に強さというものはない
これはどういう状況なんだろうか?これは初めて見る光景だ。
その初めて見る光景というのは……先程の水色フードの美女が現在壁に刺さっていることである。
さっき、マレンさんが美女のお腹を殴ったように見えた、実際はマレンさんの拳が消えたようにしか見えなかったけど。
「え、えっとあれって……」
「ん?ああ、あれは簡単に言えば制裁だな」
「制裁?」
「そうだ、アイツはお前にしっかり説明をしなかった。だがら殴った、それだけだ」
「いや怖えよ!?」
なんで一回ミスしただけで壁ぶっ刺さりの刑なんだよ!ここは何時代だよ!江戸時代でもそんな刑はねえだろ!
「…!……!」
「ああ、すまん。それでは喋れないな」
すると、マレンさんはぶっ刺さり美女の足を掴んで壁から引きずり出した。いや、力どうなってるんだよ……。
あんな力あるんなら俺別に魔王討伐いらないのでは……?
「ぷは! ちょっと、やめてくださいよ!制裁はわかりますが壁ぶっ刺さり刑は息できないのでいやです」
「じゃあ次から別の制裁にするぞ?」
「はい!」
「話が進まないからやめてくれ……」
「「あっ……」」
それからやっと話が続いた。まず、この世界は日本ではないと最初に説明された。
まあ見た感じ、城みたいだし日本ではないことは最初っから分かっていた。
それから最も重要な魔王の話に切り替わった。
「この世界には魔王という存在がいます」
「ええ、それはさっき嫌というほど繰り返されましたし」
「うっ……私の頭が悪い所です……」
「はぁ、本当に困ったやつだ」
マレンと水色フード美女は互いにため息をついた。
「えっとそれで、魔王っていう存在はこの世界だとどうなんですか?」
魔王はこのゲームにはいなかったはず、けどマレンもいるし。実際のところは分からないな。
「はっきり言うと"雑魚です" 」
「は?」
「ああそうだな"雑魚極まりない"」
「は?」
俺は二人の言葉に頭がフリーズする、やはりゲームで魔王といえばラスボス的存在。それをコイツらは雑魚と言った。
うん。一回コイツの頭の中を見て良いか?魔王が雑魚?そんなことはあるわけないだろ。
「雑魚ってどういうことなんですか?」
「この世界では最も魔王が弱いってことです」
「一応赤子でも勝てるんじゃないか?」
「……それって魔王って言うんですか?」
「言えんな」
「言えませんね」
魔王ってなんなの?
この世界の魔王に頭を抱えたが、二人の様子を見る限りただ弱い魔王ではないと感じた。まあ魔王がそう簡単に倒されないよな、多分どっか分からない所にいるんだろうな。
「それで?俺を召喚した理由はその魔王の場所が分からないから手伝えと?」
「ああいえ、別に魔王の場所は分かりますよ。むしろ簡単に」
「うむ、すぐそこだな」
「え?」
マレンが指の追っていくとそこには小さな洞窟が目に映る。それは特に閉鎖されているとかもなく、誰でも入れそうな穴。むしろ子供達が中で遊んでいるのが見える。あれって魔王の場所じゃないの?
「あ、あの……あれ注意した方が……」
「え?なぜですか?」
「え、だってあそこ魔王の場所なんですよね?」
「ええそうですね」
「じゃあ危険なんじゃ……」
「いや、別に危険ではないぞ?」
「は……?」
俺が二人の反応に見開く以外なかった、いやだってそうだろ?普通は魔王自体が危険なのに赤子でも勝てるぐらいで、魔王が居る場所も危険ではない。
うん。 本当になんで俺を呼んだ?




