13 祭りでの出会い
たまには朝投稿もいい!
まだ朝食と言うにはまだ早い朝、いつも通り、俺の世界でいうリビングに近い場所で皆集まっていた。
「今日は祭りだ!!」
「祭り?」
「この世界には各州で祭りを行うんです。今日はここの州の祭りです」
「マレン様、こちら浴衣です」
紫髪のメイドが素早くマレンの前に浴衣を差し出す。
「ああ!」
「早!?」
気合いを入れるのはいいことだと思うんだけど、だとしても早くない?俺の感覚的には夕方とかの感覚なんだけど……。 てか、それに対応できるルプラさんもすごいな……。
「マレンさんは形から入るタイプですからね、魔王も討伐したので趣味を楽しんでるだと思います」
「なるほど……ちなみに、祭りの時間は?」
「今日の夕方です」
「やっぱり早いじゃん!?」
マレンさんらしいというか、なんというか……。 本当にマレンさんはマレンさんだなと思う。
そしてその後、俺はこの州での祭り内容を教えてもらうことになる。
「ここの州ではまず、夜になったら……」
「外に出て! 日を跨ぐまでは家に帰らない! その間は祭り会場で過ごす!!」
「それ、私のセリフなんですが……。 はぁ……まぁ、いいですが……」
呆れた表情を浮かべるエリスさん。
「それで、祭りってことは何か屋台とかがあるんですか?」
「ええ、出ますよ。 しかも今年はもっと屋台とかが盛り上がるかもしれませんし」
「え? 何でですが?」
「それは私達が魔王を討伐したからな!」
「あぁ、なるほど……」
横から割り込むように言うマレンさんの言葉で思い出す。
そういえば俺達って魔王討伐したんだったな、最近平和過ぎて忘れてた。 まあ、魔王討伐して盛り上がってるならマレンさんとかエリスさんが有名になってるのかな?
「だからマレンさんがこんなに張り切ってるんですね」
「いえ、マレンさんは毎回祭りのときはこんな感じですよ」
毎回? 魔王討伐以外で盛り上がる要素って……。
「屋台ですから、食べ物ってことですか?」
「正解です……」
「ははは……なんかもう、予想つきますよ……」
「祭りまで待ちきれん! もう行っていいか!」
「マレンさん、全然早いですよ。 行くならせめて昼頃ですよ」
「早く昼に……」
マレンが今にも飛び出しそうのをエリスが止める。 似たような光景を毎回見るが、それはいつも微笑ましいものだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆
昼食を食べている俺。 場所は空中。
「エリスさん、俺まだ食べてるんですけど」
「食べながら移動するぞ!」
「ウキウキですね、マレンさん」
「当たり前だろエリス! 祭りだぞ祭り!」
相当楽しみだったのか、マレンさんは今まで見たこともない速さで空を飛んでいる。マレンさんに慣れを習得されててよかったと思う。 多分、習得してなかったら既に死んでるから……。
そして空を飛ぶこと数分後。
「着いたぞ!」
「ここが……」
「もう屋台がいくつか建っていますね」
「ほら行くぞ! エリス、ソウマ!」
「は、はい!」
「わかりましたよ、マレンさん」
自然とマレンさんの背中をエリスさん二人で追う、もう慣れた光景のはずなんだけど、なんだろう? なんだか毎回嬉しい気がする。
「ソウマ」
「え? あ、はい」
自然な動作で手を繋ぐ俺達。
そして最近、マレンさんのスキンシップ?と読んでいいのか、そのようなものが多い気がする。 ことあるごとに手を繋いでいる。
そのことに思わずドキッとしてしまうのは不可抗力に近い。
まあけど、マレンさんにとっては子供と手を繋ぐ感覚なんだろうな。
「エリス! これどうだ?」
「えっと、どれどれ? そうですね、結構いいと思いますよ」
「何の話ですか?」
「宝石だ! 最近欲しくてな」
宝石……マレンさんも女性だし、そういうファッションは気になるものなのかな?エリスさんも手伝ってるし。
――その時。
「む?」
「どうしましたか?」
「少し強い魔力を感じてな」
「魔力?」
そして突然、目の前から黒いローブを被った人が現れる。
なんだ? どっから今出た?
マレンさんが俺達の前に出る。
「貴様、何者だ?」
「……」
黒いローブは何も話さない。
『見つけた』
その声が直接脳内に聞かされるかのように響く。 怖いというか、気持ち悪いに近い感覚。
「ご主人様ーー!」
「ぶへっ!?」
「ソウマ!?」
「ソウマさん!?」
寒気がしたと思えば次の瞬間、強烈な頭突きハグと共に俺は地面を引きずられる。
「ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様!」
「ちょ、ちょっと落ち着いてください!」
「やっと見つけた! ご主人様を!!」
困惑しながらもローブの中身を覗くとエメラルドと思うほどの緑色の瞳、そしてローブからはみ出て見える黒髪。
「ソウマ大丈夫、か?」
「ソウマさん?」
美人二人に見られながら、知らない人に抱きつかれたまま頭グリグリされる光景。 どういうこと?




