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シェルフィの帰り道【カシオペア】

早朝、快晴。

若者が二人、茶色というよりは赤い色の岩肌を晒す岩壁を前に悩んでいた。


若者の内の一方は岩肌よりも尚赤い、真紅に近い髪色の少年であり、名をアルバロセット・ドゥ・ログナルドという。

今は動きやすい革鎧を装備し、逆に背には動き難そうな大振りの両手剣を装備している、まるで駆け出しの冒険者のようではあるが、実はムスペラド王国でも名を馳せる貴族の出の少年である。


もう一方の若者は漆黒の髪の少年で、名はクロウ。

アルバロセットに仕える小姓であり、一応は護衛も兼ねる役割の少年である。

今はアルバロセット同様に似たような装備を身につけて、同じように岩肌を前に困惑している。


「若、若の余人には微塵も共有できない個性的な感覚によると、この前方に目的の物がある、と言うんですね?」

「その何か変質者を表現するようなもんはともかくさあ、確かに魔剣の反応は“この奥”なんだよなあ……」


赤い岩肌を晒す岩壁は、ムスペラド王国の者には『赤の壁』と称されている巨大な一枚岩の大山脈である。

ほぼ垂直に伸び上がる岩壁は、自然の風化により所々段差を生んでいるものの、手掛かりや足場となる部分すらろくに無く真っ直ぐと聳り立っている。その頂上は踏破した者はおろか“見た”者すらおらず、絶えず厚く渦巻く雲によって隠されていた。


スートフォグタウンの豊富な泉の源泉は、この山脈の岩に染み込んだ雲であるのは一目瞭然で、所によっては岩の表面を舐めるように流れる滝なども点在している。


加えて、一枚岩とは言ったものの、細かい亀裂は縦横無尽に走っており、見た目は岩に描いた細い線といった様相を表している場所もある。それらの亀裂からも、勢いはまちまちながら源泉として何かしらの液体を流しているのが、此処が“千湧泉”と呼ばれる所以であった。


二人が途方に暮れている場所も、そんな岩壁の亀裂のひとつである。縦一直線に走った亀裂は、視力が追いつく高さまでは、少なくとも続いている。

この位置の岩壁には僅かにある傾斜のせいか、亀裂全体から染み出す源泉は滝にはならず、亀裂に沿って岩壁を濡らす縦に流れる小川となっていた。。


チョロチョロと大人しい流れかたにも関わらず、幾つかの泉に魔剣の魔力的な影響を与える水量を湧かせているはずなのだが、とてもそうは見えない慎ましさの源泉は、少年二人に妙な気だるさを与えていたりする。


「いっやぁ~、てっきり洞窟型のダンジョンでもあって、最奥でラスボス的に魔剣が待ってんのかと思ったんだけどなあ……」

「どこの御都合主義的(ゲームのクエスト)な展開ですか?」

「いやほら、家の家系的に、そんな御先祖物語が山ほどあるしさあ」

「……まあ、若の御先祖様なら女を口説くためのほぼ脚色だけでの物語が山ほどありそうですね」

「……んな一息で棒読みな感想言うなよー。否定しないけどさあ」


と、まあ。

スートフォグタウンでの逗留三日目。

今日は魔剣を手に入れようと、割と本気で行動し、それなりの、戦闘面での用意をしての、肩透かしであった。


しかしアルバロセットの弁解も全くの法螺話というわけでなく、“そのような場所”に魔剣があるのは、“この業界”ではある程度確立の高い意味で通じる常識の内といえる。

また、泉に魔力の影響を与える性質故に、その魔力が巡り巡って動物類を魔物化させる可能性も案外高い。

決して男の『俺ツエー』を演出するためのネタではないのである。


もっとも、長年特殊な温泉として機能してきたものが、今更動物への悪影響を考えなければならない物として考えなければならないかと言えば、少々判断に悩むところであろうが。


「この岩盤の中に魔剣が埋まってんのか、それとも別の場所から魔力の残り香付きの水が来てんのか。もうちょっと調査しないとだなあ」

「若から建設的な意見が出るとは……」

「待てクロウ」

「てっきりこの状況にアッサリ飽きて、『もういいか、さあ嫁だ嫁だ』とでもほざいてミスリルウッドタウンに向かうものと算段していましたが……」

「だから待てってクロウ……、いや、そっちの方が確かに楽だな」

「やはり何時もの若ですね」


そうして聴く者も居ないのに続く漫才は、日の位置がかなり変化しようという間続くのであった。



◆  ◆  ◆



広大な地下空間に明かりが灯され、人間本来の視力でもって“その場所”を観てみれば、圧巻の一言かもしれない。


ただし、この世界の人の感性ではね。


あたし個人と致しましては、


「バカじゃないの?」


の呆れの一言なんだけど。


先代譲りの例えを使うと『○○ドーム何十個分の広さ』なんて感じなのだけど、その肝心な“○○ドーム”の大きさが記憶に無いって感じなので例えようもない。


えっ、『千代田区くらいの広さはある』?。先代、せめてドームの在るとこを例えにしようよ。文京区と千代田区、おんなじくらいじゃん、広さ。


「ゲッ、脳内討論に時間を費やすならば、現状に建設的な方向を求める」

「はいはい」


先代と同じように、思考に混ざれるソドムから怒られたよ。

なんか理不尽。


「ゲッ、このまま前方に二キロ進む。そこに野戦フィールドと市街地フィールドが設営されているので、“廃墟”を標的に武装のテストを行う」

「既に言葉を隠す気もないのね」


この大資材庫には、その広さ半分以上は本来の補修資材がみっちりと置かれている。

さらに資材の搬出用なのか、キグルミックの素体と勘違いしそうな、その実、普通の車両類が幾つも並んで置いてあったりする。


この車両、どうやら全部燃料電池の駆動らしくて、もし外に持ち出したりされても悪影響は少なそう……とは思える。

燃料電池は交換式で車両単体では補給不可能。トンネル内で行える自動交換でしか付け替えらんないみたいだし、その交換用の燃料電池も使用する時点での充填(チャージ)だから盗用もできない。

さすが魔鍛冶師さん。変な所での徹底ぶりだよ。


ソドムを介して検索できる内容程度だと分かるのはこの程度かなあ。

事前に補足してくれる先代でなかったらサッパリな情報ばかりだけど。

というか、そんなネタを知ってる先代に今更ながら感心する。


でと。

そんな本来の設備を一切無視する形で造られてる戦場(サバゲ)設備は、余った空間、約三分の一を利用して色々と配されていた。


ちゃんと鉄筋コンクリートを使用し、わざわざ廃墟っぽくデザインされた建築物に囲まれる〈市街地フィールド〉。

鉄筋コンクリートの床に土を盛って、築山はおろか谷っぽいものまで造られてる〈野戦フィールド〉。当然のように自然木が生えてんだけど、どうやって維持してるのかがサッパリ謎過ぎる。

他に三十人が並んで行える射撃訓練ブース(的の自動回収機付き)とか、アスレチックコースを模してあるような移動射撃訓練コースとか、どこのゲリラ養成施設?な感じのものも充実していた。


……こんだけあってもさあ、そもそも銃器の公開が御法度なわけで、ぶっちゃけその手の機器に制約の無いキグルミック乗りには問題ないけど、王国兵士の皆さんには使用不可能の施設と断じていいのよね。


よく作るの許されたよねえ……。いや内緒なのかもしんないけど。


とまあ、結構本気で呆れつつ。

それら設備もあくまで人間サイズ用。

だからキグルミックで使うには、かなり小さい。

だから隣接する野戦フィールドから市街地フィールドにかけて、二面を併用しての使用となった。


「て言うかソドム、あのビルをターゲットにするの?、壊れない?」

「ゲッ、破壊は構わない。元々訓練(プレイ)においても破壊を念頭においたものとなっている」

「へぇ~、コンクリに見えたけど違う素材なのね」

「……ゲッ?、コンクリートである。No.5の知覚に誤動作は無い」

「……ん?、だってサバゲのフィールドでしょ。BB弾でコンクリートは壊れないよね?」

「ゲッ、実銃であるが?」

「え……?」

「ゲッ……」

「…………」


えーと。


まあ……、聞かなかった事にしよう。


「ふむ、更に地下には様々な施設が“有る”ようだな」


床を通して何かを確認していたバルカンの独り言。そう独り言。あたしは何も聞いてない。


「ゲッ、〈鉄甲姿躰〉(キグルミック)機体コード〈ヘッジホッグ・G2〉戦闘起動を開始」


ソドムが何事も無かったように別の流れを、というより本筋の方に軌道修正。

再びあたしとキグルミックの同調が始まり、二重の視界を始め人と機械の複合感覚に支配されるのを体感している。


バイオディーゼルの排気が周囲に満ちていくのを、なんとなく『密室で空気の汚染大丈夫かなあ』などと思いつつ、今度は機能制限無しの同調で、新たな武装が身体の一部になる感触が嬉しく感じた。


外見的な変化で言えば、それらの部位の殆どは頭部。

伏せたお椀のような半球型の頭部が、幾つかのパーツに別れて展開。

同様に胴体後部、背中側にかけての天板も開放されて、収納されてた武装がまとめて表れる。

その様子はガトリングのように何本もの砲身や銃身がまとまっていて、先代のお国にある楽器〈笙〉(しょう)を連想させれるかもしんない。


そうして頭部自体が“くるり180度回転”し、まとまってた砲身類が一本ずつに展開すれば、あたしの新生キグルミック本来の姿の完成、ね。


「既存武装、〈75ミリ対戦車砲〉展開完了。〈アラシュ六連結改造銃〉展開完了。新規武装〈カウンター・75ミリ〉展開完了。〈カシオ……〉展開中断。発動可能となるまで待機」

「ういうい」


予め聞いといたとおり、新規武装は起動準備にそれなりの時間がかかる。

準備完了状態ならば照準から発射までほぼゼロだけど、今回は完全に待機からの展開だもんね。専用の魔力プールが終わるまでは、下手な準備は逆に動きの妨げになるから中止となった。


でと。

武装込みで展開した頭部は、半球から見ようによっては人間の頭部に似たものへと変化している。目の部分が横線スリットだけのお面みたいな顔で、ちょっと不気味な印象だろうか。

武装は全て耳の位置にある円周状のレールに沿って可動する基部に接合されて広がっている。正面から見れば、ライオンの(たてがみ)って感じかな。髪の房の一つ一つが各武装になってるわけね。

武装の殆どは単発なので、後頭部から背中にかけては自動給弾用のウネウネ動く鎖が何本もある。上半身はほぼ弾薬庫だからね、撃ち終われば即、そこから給弾されるわけなのよ。


こうなるとトップヘビーどころじゃないバランスになるんだけど、機体内部が全てフレーム構造化しているからか、魔力で補強しているのを無視しても、そんなに負荷は感じないや。


それでも何とな~く頭が重いって感触を感じ、軽く首を回して“コリ”を解そうとしたらソドムから焦った注意が来た。


「ゲッ、現状、完全同調(フルコンタクト)初期段階のため、特定部位への不用意な負荷をかけないことを進言する」

「……りょ、りょうかい……」


何だろう、急に生まれたこの焦燥感。


……ま、気を取り直して。


不展開の物を除き、今の武装の配置となると。

右耳のあたりに昔からの75ミリがあり、左耳のあたりには新造品の75ミリが対を成すように装備されている。

これは左右のバランスを取りやすくするためで、結果的に武装強化になっている。その都合からか可能な限り二門同時に撃ったほうがいいらしい。

まあ多弾の給弾も可能になってるから、そう問題となる事もない。


強いて言えば、発射することでの弾薬消費コストが倍になったのが……キツい、かな。


んで、コメカミから脳天へとカーブを描くようにアラシュが六門並んで配置されている。これは六連結なんて名称ではあるけど、単発でも発射可能ね。なんせ機関部からまんま独立してるし。どうやらマガジン式の利点からか、六門を順次発射することで給弾ロスをほぼ無くせた事からの名称らしい。


脳内で情報を見た時に『ならガトリングで良いんじゃ?』などと思ったら、『戦闘機用の〈20ミリ・バルカン砲〉(ガンポッド)なら在庫があるぞ。一秒で百発消費できる素敵仕様だぞ♡』とソドムに内蔵された魔鍛冶師さんの動画が脳内で流れた。


ゴメンナサイ、あたしが間違ってました。


ひゃっぱつ。しかも20ミリ。お金をドブに捨てるようなコストだよ。

『ナギハラエー』くらいにしか使わないよ、そんなもん。


その点、改造銃の方は六門一周するのに約八秒。しかも一発毎に照準補正までかけられる。うん、経済的経済的。

というか、それはそれでバケモノな性能なんだけどねー。


そんな感じに、距離にして大体二キロ無いかなーな射程で色々と試し撃ち。

コンクリートと言っても厚さ二十センチも無いようで、どれも一発撃つだけで簡単に貫通する。

特に加工もない通常弾なんだけどねえ。というか、これが“普通”なんだよねえ。それを場合によっては弾いてくれる魔物の装甲って、やっぱ魔物ってことなんだねえ。


半日近くを射撃訓練とその補正調整に費やし、射撃で瓦解したビルが床に沈んだと思ったら新品のビルが生えて来たりと、次々と驚きを味わいつつ、最後に目玉の新装備のテストとなる。


「ゲッ、〈カシオペア〉展開開始」


この世界には無い、神話と星座の名を題材にした新装備が展開する。

基部は頭部に連結する形では無く、上半身前面の装甲が一部スライドした開口部からせり出してくる。

装甲の一部といっても、この武装用に用意されだ“箇所”ではない。元々、素材となった八輪車両に付いていた前面ハッチがそのまま利用されているだけ。

そのハッチギリギリのサイズで折り畳まれた砲身が、天に向けて伸びるように飛び出し、更に機関部までもが飛び出したのをお終いに完成する。

細々としたパーツが結合したのにも拘わらず、完成した砲身は縦に割った鉄パイプといった感じ。

実際には割れてるわけではなくて、縦のスリットとして特殊な素材が使われているから、そう見えるだけなんだけどね。


「ゲッ、射撃シークエンスの実働に問題無し。以降このパターンを最適化。シミュレーション。展開完了を1.07秒と想定。実働再確認を開始」


一回でお終いってわけじゃなくて、展開シミュレートと照らし合わせて実際の展開を何度も繰り返す。

なんせ他の砲と違って、ほぼ鉄片から組み立てるようなものだものねえ。

というか、何でこんな面倒な作りなのやらだよ。


「ゲッ、魔鍛冶師による、心象面と実構造面での安全機構(セーフティ)


いやいや、なら見た目から変えればいいのに。

完成してみれば見た目普通の短砲身なんだからさあ……。


て事で、完成状態での砲身長は、機関部込みで約二メートル。先代曰わく、やたら短いのが納得いかない、遥か未来のトンデモ兵器の、やっとの試射となる。


「ゲッ、テスト用極小弾装填。“外装バレル”結合安定。“内造”バレル、力場安定」


テスト用の砲弾芯は総セラミック製で、周囲と砲弾後部を普通の鉄で覆っている。一応、射出に適した基本的構造なんだけど、発射自体に問題なければ魔術的に状態を再現する、総鋼鉄製へと換装される。


「ゲッ、電圧安定。砲身内“強磁化”安定。テストスタート、ファイア」


ソドムの指示で示す的。四キロ先のビルの、コンクリ壁に刻まれた鋳型の凹み。

直径約二センチのボルトの痕。


そこへ向けて、砲身内の磁界による、肉眼では見えない砲身の中を、高電圧で砲弾の鉄が蒸発プラズマ化。その爆圧を推進材としてセラミック弾が発射される。


「ゲッ、〈サーマルガン〉(“カシオペア”)の試射を確認。……問題無し」

「いやいやいやっ、あれ大問題!、あれちょっとあたしも想定外の問題だから!」


見た目の太さは75ミリ砲身と大差ない砲口から飛んだ弾は、テスト用という事もあって直径三センチも無い。発射された砲弾というよりは大きめの銃弾な感じの物は、見事的へと命中。弾の性質もあって着弾と同時に粉々になった。

で、多分貫通すれば、“あんな風”のダメージは与えなかったんじゃ無いでしょうか?


貫通すれば、ね。


コンクリ表面で爆散した弾丸は、見事、その運動エネルギーを壁へと移す事に成功した。衝突時の衝撃は放射状に拡散し、一瞬でビルの壁面いっぱいに亀裂を作る。


まあ、演習用の脆い壁だったのかなあ。そのまんま壁の一面が崩れ落ち、バランスの崩れたビル自体が、僅かなタイムラグで倒壊してくれましたよ。


「ゲッ、実際に使用する砲弾は、尾栓側をプラズマ化するのみで発射される。弾体側面には影響は出ないから、砲弾の縮小は行われない」

「それ、弾が更に大きいから破壊力上がるでょうよ!」

「ゲッ、故に貫通性が向上する。浸透する衝撃波は低減するので問題無い」


……ホントかなあ……?


「ゲッ、発射行程の記録と最適化を終了。これより“理想的実弾の選定”試射に移る」

「あー、ハイハイ」


この砲身の特徴は、サーマルガンという弾体そのものをプラズマ化して発射する事を利用した、ある意味口径を無視できる機構を持ってること。

そうねえ、見た目はともかく、実際の発射原理がカタパルトとか火縄銃とか、規格された薬莢を持たないって言えば分かるだろうか。


今は専用の弾体を使ってるけどね、この砲身内、まあ直径74ミリ内で収まる物なら、何でも弾にできるわけね。

実際の砲身は、中にできる磁界なわけで、サイズの変更も調整次第だしね。

後は飛ばす物と同じサイズの、プラズマ化用の触媒、そうねえネジとかボルトとかあれば事足りるし。


だから、これからするのは、その発射可能なサイズにおいての、それぞれのベストな出力のチェックなわけね。


で……。


「ねえ、データ的なのはやっぱ分かんないんだけどさあ……、不味くない?」

「……ゲッ、少々想定外の機構を確認……」

「施設機能に障害は無いが、約一メートルは埋没しているな」


幾つかの発射テストの後、とうとう格納庫自体に弾が当たった。

というかさあ。それまでにビルを三つくらい貫通するとか、威力がやたら上がってるのが気になってたのよね。


バルカンのツッコミも、心なしか呆れてる感じがする。


「ソドム、私の感覚では磁界砲身の全長が大きいと検知されるのだが?」

「ゲッ、それは基本仕様。本来は外装バレル内に構築する磁界バレルだが、射程調整においては外部まで延長する。データとしては全長二十メートルまでは崩壊しない」

「ジョージはマスドライバーでも創る気だったのか?」

「魔鍛冶師さんの事で悩むと、発狂すると思うんだ」


先代の知識でまるっきりの謎会話にはならないけど、さすがに空想科学と実際の超科学では内容が違い過ぎて頭が痛くなる。


「とりあえず、このままのテストは危険過ぎってことだよね?」

「ゲッ、肯定。施設内壁をターゲットにのテストは、施設強度の低下につながる」

「そろそろ午後四時も回る。大体のデータは取れたろうし、引き上げてもいいのではないか?」

「だよねえ。明日にはミスリルウッドタウンに帰るし」

「ゲッ、確かにこれ以上のテストは実戦を想定しないもの。中止も問題無し」


因みに、ここから格納庫自体の内壁までは、軽く十五キロはある。そこまで狙って当てたとかじゃなくて、遥か手前の標的を軽く貫通して行った結果に過ぎない。


キグルミックの視覚に同調してるあたしは、射線上の二つのビルの壁を無いが如く貫通し、三つのビルには多少の揺れを与えて貫通。残り二つのビルには貫通する最、浸透する衝撃波を与えて倒壊させる結果の後に、内壁深くへ潜り込んだ様が良く見えた。


これはもう、相手が魔物とか関係ないよ。

というか、十五キロ先の対象にダメージとか、もう……ね。


ソドムが『実戦を想定しないもの』って言ったのも当然で、そんな視認できない遠距離と戦闘するって意味さえ、この世界じゃ無いからね。


と、いうことで。


一応無事に新装備テストも終わり、ようやっと街へと帰る算段となったのだった。




これは、妄想カガクデスw

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