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2:初めて独り


 ルナリアは一人、嘘みたいに大きな建物の、小さな一室にいた。街の中の、少し暗くごみごみした通りに面した建物で、ほとんど壁伝いにして、ここにたどり着いた。

 動物の油を使ったランプの光が、ゆらりゆらりと揺れて、その度にルナリアの影が揺れる。

 一人でこんな闇の中にいるのは、いつぶりだろう。少なくとも、自分の思いつく限り、寝るまで傍に誰か召使がいたし、いなくても、誰かが家の中にいるだろう、という安心感があった。

 でも、いま、この建物の中に、自分の味方はいない。誰もが自分の知らない人で、誰もが自分に何の感情も抱いていない。

 それが不安で、でも、それがこの上なくワクワクした。

 やがて、この部屋の前の廊下の床板が、二人分の足音とともに軋むだろう。

 それが、私の始まりだ。


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