↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された悪役令嬢は、証拠だけを信じる ~感情ではなく記録で真実を覆す、静かな逆転劇~  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/336

薔薇の席順・夜の記録

その夜、レティシアは「薔薇の席順」について確かめられた範囲を整理した。夜、レティシアは起きたことを日付順に書き留めた。感情と推測を別の頁に置き、確かめられた事実だけを細い筆で残す。


変更前の席図では、レティシアは王太子の右隣にいた。新しい図では三席離れ、その間へ外務卿夫人とセシルが加えられている。


ノエラは席図を見ても驚かず、姉の扇を別のものへ替えた。遠い席からでも合図が見える色だと笑ったが、園遊会への出席は体調を理由に断った。


ノエラは姉の手袋のほつれを直しながら、怖いかとは聞かなかった。代わりに明日の朝食を一緒に取れるかと尋ね、未来が続く前提だけを差し出した。


オスカーは紙質、封蝋、配達時刻を一覧へ加えた。同じ紋章が押されていても、蝋の産地や書記の癖までは同じにならない。


廊下の向こうでノエラの扉が閉じた。朝になれば妹は何も知らない顔で現れ、姉もまた何も気づかないふりをするのだろう。


午後の作法稽古では、歩幅と視線の高さを何度も直された。レティシアは不満を見せず、終わると教師へ礼を述べて妹の待つ居間へ戻った。


公爵領から届いた便りには、雪解けと今年の種蒔きが記されていた。王都の予定とは違う時間が流れていることに、レティシアは少しだけ息をつく。


姉の予定表を覗いたノエラは、空白の日へ小さな丸を付けた。その日は二人で温室の鉢を植え替える約束だったが、王宮の招待が来れば消える空白でもあった。


食後、レティシアは家人の名を一人ずつ覚えているか妹に試された。二人は昔からこの遊びを続け、最後には必ず新しく来た下働きの名まで確かめた。


夕刻の鐘を合図に、屋敷の門番が交代した。レティシアは階下の足音を聞きながら、明日も同じ穏やかな朝が来ると思おうとした。


(本文実測:723字)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。