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8/12

8.決闘者 ロスト

※麻雀が分からなくても読めると思います。

 

なんとなくわかってきたぞ、このゲーム


「ツモ、炎中級魔術、完全詠唱、24000」


これは現実の魔術戦と同じだ。


チラッとレヴの方を見る、この表情、やはりレヴは分かっていないな。


無表情だが、僕にはわかる。


レヴは分かっていないのに、分かっているかのような表情をするのが得意だから


頭に?マークが浮かんでいるのが見える、見えるぞ


さっきも全自動卓の音と急に出てくる牌にビビってたし


それに魔術が使えないレヴが現代魔術戦の奥深さを知っているわけがない


チラッとレヴの部下の方を見る、ほんとに名前なんだっけ


この中で、恐らくこのゲームの経験者、一番の強敵だろう


自分の手牌(手札)を見る。


水の術式牌の1と3と5と5、炎の術式牌の4と5と7、木の術式牌が8と9、炎の詠唱牌が一つ、水の詠唱牌が一つ、魔力牌が三つ、か


まぁ平均と言った手牌ではないだろうか、とりあえず、こういう手牌の場合は詠唱牌捨てだな。


そのまま何事もなくゲームは進んでいく、そして4巡目


「フフ、リーチ、いや、構築完了っすよ」


何?リーチ?速過ぎる、いや、この速さ、恐らく術式単待ちか


こちらは水術12355の水詠1魔力が3、で先ほどから明らかに炎の牌が無い、つまり相手は炎待ち、か?


いやだが、レヴが炎染めで、部下は2色待ちの可能性もある


2色待ちなら……ともかく、まずいな、こちらが全く揃ってない段階でのリーチ


どうすべきか、降りるか?いや僕の体力は10000、部下は20000、レヴは5000


ここでさらに大差をつけられるのはまずい


だが……残念だったね、このゲームは現代魔術戦をモチーフにしたゲーム


そんなゲームで僕が負けるわけがない


僕は現代魔術戦に置いて、一番大事な事を知っている


それは……


「あ、待って、看守が……」


「え?マジっすか?」


部下の視線が鉄格子の奥に向かう、だが、誰か来る様子はない


「……バレなかったみたいだね」


「ふぅよかったっす、……あれ?」


「ん?どうしたんだい?」


「ロストの兄貴、やったっすね」


「何が?知らないなぁ」


「……」


そう、イカサマである、先ほどの一瞬、彼の目線が鉄格子の外に向かった瞬間、僕は彼の手牌から一つ盗み、自分の要らない牌一つと入れ替えた。


なんとも単純明快なイカサマ、だが一番効果的で最も有用なイカサマである。


そう、現代魔術戦で一番大事な事、それは手段を選ばない事である、勝つためならば……


「そう来るなら、俺にも考えがありますよ」


「ふーんやってみなよ」


当たり前だ、正直ゲームの内容とかどうでもいい


このメンバー、全員探索者の状況で普通のゲームになんてなるわけがない


ルールなんて正直おまけ、これは究極の盤外戦だ。


そして、やはり、炎か


部下から奪った牌を確認する、炎術2


ハハ、このまま、部下の牌を毎回奪いまくって妨害、そして、自分が上がれるように水の牌をレヴの所から集めてやる。


だが問題はレヴの所からどうやって奪うか、だ


部下から奪うのは簡単だ、彼は確か第二か第三、実力差がある。


でも、このレヴ、確かに今は何もわかっていない


先ほどの僕のイカサマも「そういうルールなのか?」くらいの感じで見ていたし……


だが、強い、強いのは間違いないのだ。


つまり、危険、彼女から奪おうとするのは


だが、彼女から奪うしかない


ならば……


「レヴ、このゲームはね、他人の牌を奪う事ができるんだよ」


そう言って、僕はレヴの手牌から1つ奪う


嘘だけど嘘じゃないルールを言って誤魔化すぞ


で、こういう事を言ったらレヴはもちろん……


「ああ、そうなのか、じゃあ貰うな」


そう言ってレヴは僕の手牌を全部持っていく


まぁそうなるよな、だがルールの分かっていないレヴなら1つくらい持っていかれたって問題ない、どうせ上がれないから


しかも、レヴが一番取りやすい位置の牌は要らない牌を置いてある、これなら……


「……」


……ん?


………全部?


え、いや、待って、レヴ、ん?待っ、全部持って行った?


マジか、レヴ、君の手牌長すぎて意味わからないことになってるぞ


やらかした、やばい、手牌0だぞ、僕、そんなことあるのか?


「ハハハハ、馬鹿っすね、そりゃそうなるっすよ、うちの団長っすよ」


「じゃあ俺は悠々とあがらせて――」


「あ、そうだ、お前からも取れるんだな」


そう言って、レヴは部下の手牌を全部持っていく


「……」


「そして、この牌は奪われる危険性があるんだな、よし、奪えるもんなら奪ってみろ」


うわー!!最強が最悪の解釈をしやがった。


やばい、もうこれ麻雀じゃないよ、ただの殺し合いが始まるよ


レヴの部下とかもう冷や汗がすごいよ


そりゃそうだろ、僕も戦いたくないよ、レヴとは


それか新ルールを追加するか?いや、それはそれで更にややこしくなる。


追加するにしても慎重に……


「えーそうですね、団長、実は牌は奪えなくて――」


は?おい、待て


部下が何かを言いかけたので、僕はすぐに部下の口を塞ぐ


「なんすか、良いじゃないですか、そんなルールないって言っちまえば」


「僕が怒られるだろ、レヴに」


「怒られてくださいよ、イカサマしたのは事実なんすから」


「嫌だ、僕は怒られたくない」


「俺も嫌っすよ、このまま負けるのは」


……ぐぬぬ、そりゃそうだ、このままだと負けるのは僕たち、勝つのはレヴ


どうにかしないといけないのは分かるが……


「何を騒いでいるんだ?私はもうツモ、だぞ」


「え?」


な、何だと?レヴがツモ?


有り得ない、いや……まぁあんなに手牌があればそりゃそうか


でも何ダメージだ?もしこれで20000とかだったらやば―――


「あ、これ魔力牌が足りないっすよ、チョンボっすね」


「……」


どうやってこの手牌の多さで魔力牌が足りないでチョンボになる事ができるんだ。


……いや、マジでなんでなんだ、僕は魔力牌3つ持っていたし、部下もリーチしたんだからそこそこ持っているはず


いや、待て、よく見たらあの長いレヴの手配、足りなくないか?最低でも13×3だろ、なのにあの長さはおかしい


……もしかして、レヴ、潰して壊した?もしくは無くした?


あ、多分、そうだ、よく見たらレヴの足元に粉々になった牌らしき物が落ちている。


コイツ、レヴ、震えている、震えているぞ、恐らくレヴは壊した事を怒られるのを恐れて隠蔽したんだ!


まぁ別に責めないよ、触れないであげよう


チョンボになるだけだ


まぁ最初からチョンボではあるんだけど……


「えーで、チョンボになったという事は……」


「団長、知ってるっすか?麻雀は」


「チョンボ、相手が反則した後に《《掃除機》》を出したら、アガれるんすよ」


そう言って、彼は掃除機を取り出し、麻雀台の上に置き、起動し発進する。


な、なるほど?良いぞ、意味の分からないルールで押しつぶしていけ


レヴの手牌、万里の長城くらい長くなった手牌に掃除機が向かう


……いや、だが、待て、このまま部下が勝つと駄目じゃないか


「レヴ、掃除機を壊せ、このままだと負けちゃうぞ」


「わかった」


そう言って、レヴは掃除機を蹴りでぶっ飛ばす


「くっ、そう来るっすよね、ロストさんは」


そりゃそうだ、だけど、この一戦ではっきりとした、このゲームの攻略法が


意味不明なルールを追加して、勝つ


「僕の番か、レヴ、麻雀は自分の番の時に麻雀台をひっくり返せば勝ちだ」


「団長、防げばノーカンっす」


「わかった」


レヴは麻雀台を全身の力を使い固定する。


クソ、まったく動かない、何だこの馬鹿力


「団長、自分の番で麻雀台の上で踊ったら勝ちっす」


「レヴ、麻雀台を揺らせ!」


麻雀台の上で踊りだした部下は乗っている麻雀台をとんでもない勢いで揺らされ、転落する。


「レヴ、自分の番で隣の人の好きなところを言えば1000ダメージ与えられる!」


「わかった、無い」


「団長、自分の番で目の前の人の頑張っているなと思う所を言えば1000ダメージっす」


「わかった、まぁ魔獣討伐を頑張っているよな」


「レヴ、僕の事を好きって言ったら僕に5000ダメージ!」


「それは嫌だ」


「……」


「ハハハ、馬鹿っすね、そんなの断られるに決まってるじゃないすか」


クソ、何、こいつ、自分だけいい気分になってるんだ


なんかむかついてきたな、そうだ、こうしよう


「レヴ、部下を殴れ、殴ったらダイレクトダメージで20000だ!」


「え?いや待ってください、それは……」


「わかった」


そう言って、レヴは部下を殴る、すると、部下は壁にぶつかり気絶する。


「よし、これで僕の勝利だ、ハハ、自分だけいい気分になりやがって、僕に魔術戦で勝てるわけないんだよ!」


「そうか、じゃあ後はお前だな」


「あ」


僕はレヴにぶん殴られて、負けた。







後日、レヴは魔術麻雀にはまり仲間と麻雀をするが、自分の番になった瞬間、魔術麻雀台をひっくり返し、仲間からとても怒られたそうな。


そして、ルールについて嘘を吐いたという事で、部下とロストはめちゃくちゃ怒られた、それはもうとても怒られた。












「はぁ楽しかったなぁ」


レヴとのパズル、トランプ、オセロ、そして魔術麻雀を終え、僕は一人でレヴが持ってきてくれたソファの上で本を読む


「にしても、彼は良いのかね」


彼とは、先ほどまで一緒に麻雀をしていたレヴの部下である……名前なんだっけ


とにかく彼の事、レヴは用事があるとかで帰り、彼が監視としているのだが……


「ぐがぁがふぅぐああ」


びっくりするくらい寝ている、そして、とてもうるさい


一応、監視なんだよね、僕が逃げないようにの


まぁ確かに、レヴは


「案山子みたいなものだ、いないよりはマシだろう」


と言ってたけど、案山子以下じゃないか?この様子だと


まぁその方が僕にとっては都合がいいんだけど


「さて、脱獄しますか」


正直、レヴと遊べたからここにいただけで他に用はない


監視もこうして眠っている、まぁ眠っていなくても方法はあったけど


丁度いいので何もせずに出させてもらおう


よし、じゃあこっそり出よ――


「お待ちください、ロスト様」


「ん?誰」


声がする方を見てみると、黒い外套に身を包んだ誰かがいた。


「名は後で、強いて言うなら私はあなた様を助けに来た者です」


おーこういう外套ってかっこいいよね、そして中が気になるよね


そう思い、とりあえず外套を掴んではがしてみる


まさか、中が裸なわけはないだろうし


「あ、ちょ、え、待って、辞めてください、ねぇ」


「ん?あーえっと、誰だっけ……ああ、そうだ」


思い出した、今朝見た顔だ。


「宿屋の娘!」


僕がお世話になっていた、いや現在進行形でお世話になっている宿


宿木亭の看板娘がいた。

孤宵です、麻雀のルールを調べながら書いていましたが最終的に麻雀のルールなんて関係ない感じになりました。


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