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6.怒り絶えぬ者 グラン

少し昔の話をしよう


あれは確か10年前、いや5年だったかな


そうそう、5年前、グランと初めて会ったんだ。


ユーラテリア王国、いやグルドメルド龍王国だったかな


そうそう、グルドメルド龍王国の探索者協会に遊びに来てた僕は協会の地下でめっちゃ拘束されている人を見つけたんだ。


そして、それを遊び半分で解放して見たんだけど、大変なことになってね


辺り一帯が焼け野原になって、すごく怒られたんだよ


そうそう、グルドメルド龍王国の支部長に怒られてね、確かインテリ眼鏡だったかな


あれ?インテリ眼鏡はアルトバルン帝国の支部長だな、じゃあグルドメルド龍王国じゃないか


あ、そうだそうだ、アルトバルン帝国での話だ


ん?インテリ眼鏡が支部長になったのってたしか三年前じゃなかったっけ


ああ、じゃあ五年前でもないな


いや、そもそも支部長に怒られたんだっけ、職員だった気もする……


まぁいいか


とにかくグランと会ったんだよ、何年か前にどこかで


あれ?なんで、この話をしたんだろう


……ああ、そうだ、あの時もこうしたんだ。


そして、ごめん、おじさん


請求はレヴかグランにお願い


Nepo(ネロ)


ネロ、それは水の球を生み出す魔術


まぁ正確にはちょっと違うんだけど、細かい事は良いだろう


火には水、孤児でも知ってる常識だ。


中央に佇む炎の像、そのちょうど真上に生まれた水球


いや、単純な水球と言っていいのだろうか


何故ならば、それは純粋な水というには……


「黒い?」


酒場のおじさん、35才


彼は探索者であった、ある探索区域で右足を失い引退するに至るまで


階級は第二階級、探索者の中でも上位の上澄みとして魔獣の討伐、探索に参加した。


そんな彼でも見たことが無い『黒い水球』


それが、彼の脳に情報として認識された直後


破裂する。


Verutum (ヴェルタム)


ロストのその一言で、黒い水球は無数の黒い槍となる


そして、それは全て、グランの元へ


「ロスト、ロスト、ロスト、ロストォォォオオ」


グランは炎を圧縮する、小さな小さな炎の球体を形作る。


そうして、圧迫された炎、それは制御を手放した瞬間


破裂し、飛び出す。


それは当たり前にロストの体を包み、当然耐えられるはずの無い熱がロストを襲う。


もちろん、水の槍も同じように包まれ、当然、蒸発する……


「あ?」


はずだった。


怒りは思考を鈍らせる、本来できるはずだった冷静な思考を奪う。


黒い水の槍は、まったく蒸発することなく、グランを襲う


理由は不明、無数の黒い槍はグランの体に突き刺さる―――


だが、勝った、あの熱量の炎はロストも耐えられないはず


そう思い、グランは炎の奥をじっと見つめる。


だが、奥にいる影は全くの動きを見せない


グランは怒りを思い出し、火力を上げる。


「ぐっ」


当たらず、地面に突き刺さったいくつかの黒い槍が再び動き出し、グランの体に刺さる。


「ロスト、ロスト、ロスト、殺す、殺す、殺す、殺す」


だが、彼はそれくらいでは止まらない


そして、それはロストも同じだという事を彼は知っている。


炎の中に感じる魔力、黒い槍が消えず動いた、つまり……


ロストはまだあの炎の中で生きている


「ロスト、ロスト、ロスト、ロスト、ロストォォォォオオオオ」


炎のレベルが更に上がる。


そして、ロストを正確に炎の球体で包む


建物はほとんど燃え尽き、何なら隣の建物まで引火し、大火災


地面すらも抉れ、彼の絶対領域内の全てが灰になる。


「おい、グラン、そこまでだ」


レヴと酒場の店主以外は


「なんだ?殺すぞ?」


グランはレヴの方に振り向く、すると、レヴはいまだ場所変わらず、空中で優雅に椅子に座りテーブルにある料理を楽しんでいる。


「意味が無い、終わった、私たち、いや、お前の負けだ」


「は?何言ってるんだ、殺すぞ」


グランは炎に包まれるロストを見る


「それ人形だ」


「……」


炎を解除する、すると、中から、先ほどまでロストだと思っていた黒い影が出てくる。


出てきたのは人形、案山子だ、ご丁寧に顔に馬鹿という貼り紙をしてある。


それに、魔力を籠めてある、そういえば、グランは拘束具で目が見えないしな


魔力感知を使う、怒りで我を忘れていたし分かるわけがない。


「どうやって逃げたのかは知らんが、逃げた様だな」


「……」


「では、私も……ん?」


案山子からひらりひらりと一枚の紙が落ちる。


その紙を拾い、見てみると


それにはロストの文字で


『レヴ、僕は逃げる、後片付け頼んだ』


と書かれていた。


「はぁ、まぁそうなるよな……」


「ロスト、ロスト、ロスト、ロスト」


グランの怒りは冷たく燃える。ある意味一周回って冷静になっていた頭がふつふつと激情を取り戻す。


「仕方ない、グラン、少しだけ歯を食いしばっていろ」


「ロスト、ロスト、ロスト、ロスト、ロスト、ロストォオオオオオ」


グランの炎から体から漏れ出す茫々と燃える炎は先ほどより熱を感じる。


もはや、私の声など聞こえていない


だが、私には関係な―――


そう考え、グランをぶん殴ろうとした、その直前


「は?」


とてつもない衝撃と爆音、それと共に視界を遮る黒煙


これは……あの槍か


爆発した、恐らくあの黒い槍、あの一つ一つが爆弾で


それが今、グランの炎で起動し、連鎖的に爆発したのだ。


拘束具を貫通した槍、つまり一切のガードを受け付けない内部での爆発、グランの肉体直接にダメージが入る。


「……」


片付けとは、これのか


拘束具が砕け散り、倒れ、恐らく気絶しているグラン


そして、先ほどのグランが作った被害とは比べ物にならないほどの……


「次会った時、覚えておけよ」


軍が来ている、恐らくはこの国の


そりゃあそうだ、この酒場がある一区画を全部、吹っ飛ばしたんだから―――







追伸、言い忘れてたんだけど、あと数秒、あ、もう爆少し昔の話をしよう


あれは確か10年前、いや5年だったかな


そうそう、5年前、グランと初めて会ったんだ。


ユーラテリア王国、いやグルドメルド龍王国だったかな


そうそう、グルドメルド龍王国の探索者協会に遊びに来てた僕は協会の地下でめっちゃ拘束されている人を見つけたんだ。


そして、それを遊び半分で解放して見たんだけど、大変なことになってね


辺り一帯が焼け野原になって、すごく怒られたんだよ


そうそう、グルドメルド龍王国の支部長に怒られてね、確かインテリ眼鏡だったかな


あれ?インテリ眼鏡はアルトバルン帝国の支部長だな、じゃあグルドメルド龍王国じゃないか


あ、そうだそうだ、アルトバルン帝国での話だ


ん?インテリ眼鏡が支部長になったのってたしか三年前じゃなかったっけ


ああ、じゃあ五年前でもないな


いや、そもそも支部長に怒られたんだっけ、職員だった気もする……


まぁいいか


とにかくグランと会ったんだよ、何年か前にどこかで


あれ?なんで、この話をしたんだろう


……ああ、そうだ、あの時もこうしたんだ。


そして、ごめん、おじさん


請求はレヴかグランにお願い


Nepo(ネロ)


ネロ、それは水の球を生み出す魔術


まぁ正確にはちょっと違うんだけど、細かい事は良いだろう


火には水、孤児でも知ってる常識だ。


中央に佇む炎の像、そのちょうど真上に生まれた水球


いや、単純な水球と言っていいのだろうか


何故ならば、それは純粋な水というには……


「黒い?」


酒場のおじさん、35才


彼は探索者であった、ある探索区域で右足を失い引退するに至るまで


階級は第二階級、探索者の中でも上位の上澄みとして魔獣の討伐、探索に参加した。


そんな彼でも見たことが無い『黒い水球』


それが、彼の脳に情報として認識された直後


破裂する。


Verutum (ヴェルタム)


ロストのその一言で、黒い水球は無数の黒い槍となる。


そして、それは全て、グランの元へ


「ロスト、ロスト、ロスト、ロストォォォオオ」


グランは炎を圧縮する、小さな小さな炎の球体を形作る。


そうして、圧迫された炎、それは制御を手放した瞬間


破裂し、飛び出す。


それは当たり前にロストの体を包み、当然耐えられるはずの無い熱がロストを襲う。


もちろん、水の槍も同じように包まれ、当然、蒸発する……


「あ?」


はずだった。


怒りは思考を鈍らせる、本来できるはずだった冷静な思考を奪う。


黒い水の槍は、まったく蒸発することなく、グランを襲う


理由は不明、無数の黒い槍はグランの体に突き刺さる―――


だが、勝った、あの熱量の炎はロストも耐えられないはず


そう思い、グランは炎の奥をじっと見つめる。


だが、奥にいる影は全くの動きを見せない


グランは怒りを思い出し、火力を上げる。


「ぐっ」


当たらず、地面に突き刺さったいくつかの黒い槍が再び動き出し、グランの体に刺さる。


「ロスト、ロスト、ロスト、殺す、殺す、殺す、殺す」


だが、彼はそれくらいでは止まらない


そして、それはロストも同じだという事を彼は知っている。


炎の中に感じる魔力、黒い槍が消えず動いた、つまり……


ロストはまだあの炎の中で生きている


「ロスト、ロスト、ロスト、ロスト、ロストォォォォオオオオ」


炎のレベルが更に上がる。


そして、ロストを正確に炎の球体で包む


建物はほとんど燃え尽き、何なら隣の建物まで引火し、大火災


地面すらも抉れ、彼の絶対領域内の全てが灰になる。


「おい、グラン、そこまでだ」


レヴと酒場の店主以外は


「なんだ?殺すぞ?」


グランはレヴの方に振り向く、すると、レヴはいまだ場所変わらず、空中で優雅に椅子に座りテーブルにある料理を楽しんでいる。


「意味が無い、終わった、私たち、いや、お前の負けだ」


「は?何言ってるんだ、殺すぞ」


グランは炎に包まれるロストを見る


「もうそこにロストはいない」


「……」


炎を解除する、すると、中から、先ほどまでロストだと思っていた黒い影が出てくる。


出てきたのは人形、案山子だ、ご丁寧に顔に馬鹿という貼り紙をしてある。


それに、魔力を籠めてある、そういえば、グランは拘束具で目が見えないしな


魔力感知を使う、怒りで我を忘れていたし分かるわけがない。


「どうやって逃げたのかは知らんが、逃げた様だな」


「……」


「では、私も……ん?」


案山子からひらりひらりと一枚の紙が落ちる。


その紙を拾い、見てみると


それにはロストの文字で


『レヴ、僕は逃げる、後片付け頼んだ』


と書かれていた。


「はぁ、まぁそうなるよな……」


私は振り返り、グランを見る。


すると、グランは体全体から蒸気のような物を噴き出している。


「ロスト、ロスト、ロスト、ロスト」


グランの怒りは冷たく燃える。ある意味一周回って冷静になっていた頭がふつふつと激情を取り戻す。


「仕方ない、グラン、少しだけ歯を食いしばっていろ」


「ロスト、ロスト、ロスト、ロスト、ロスト、ロストォオオオオオ」


グランの炎から体から漏れ出す茫々と燃える炎は先ほどより熱を感じる。


もはや、私の声など聞こえていない


だが、私には関係ない


そんな思考のさなか、よく見ると、未だグランの体にロストの黒い槍が刺さっているのを見つける。


ん?何故、魔術は基本起動したら消え――


その瞬間、黒い槍が揺れ動く


「は?」


それを認識し、声が出たちょうどその時、間に合うわけもなく私は爆発の中にいた。


とてつもない爆音と共に訪れる衝撃と爆風


これは……あの槍か


爆発した、恐らくあの黒い槍、あの一つ一つが爆弾で


それが今、グランの炎で起動し、連鎖的に爆発したのだ。


「グアアアアアアアア」


グランのけたたましい叫び声が聞こえる。


拘束具を貫通した槍、つまり一切のガードを受け付けない内部での爆発、グランの肉体直接にダメージが入る。


「……」


片付けとは、これのか


拘束具が砕け散り、倒れ、恐らく気絶しているグラン


そして、先ほどのグランが作った被害とは比べ物にならないほどの……


「次会った時、覚えておけよ」


爆発音を聞きつけ、いやもっと前だろうか、軍が来ている、恐らくはこの国の


そりゃあそうだ、この酒場がある一区画を全部、吹っ飛ばしたんだから―――







追伸、言い忘れてたんだけど、あと数秒、あ、もう爆発した……


そうそう、爆発するんだよ、あの槍、こんな感じで


まぁ一応、威力は抑えたから大丈夫だと思う


で、後片付けお願いね、大体の罪はグランに擦り付けといて


あ、後グランにごめんって言っといて、この前の事


レヴからなら、まぁ多少は聞き入れてくれると思うから


ロスト・ワンダーより、レヴへ


「よし、こんなもんかな」


僕はワイバーンの上で手紙を書く、本当はあの紙切れに入れたかったんだけど間に合わなかった。


にしても、はぁ酷いことに巻き込まれた。


というか、レヴもグラン連れてくるんだったら暴れても大丈夫な所でやろうよ、なんで市街地で戦ってるんだ。人の店だぞ。


加減を知らない奴は困るね、僕はちゃんと加減して爆発させたのに……


そんな事を考えながら、爆発音を聞く


ん?なんか、思ったより……


真下の事件現場を見る。


うーわ、なんか思ったより爆発してるな。


あんな爆発になるような魔力だったかな、加減したと思うんだけど……


というか、あんな連鎖するように作ったっけ……


ま、まぁグランが悪いしね、大元としては


それに、レヴが片付けしてくれるでしょ


うん、そうだ、大丈夫


で、どうしようかな、この国にはいられないよな


バレちゃったし


うーん、うーん


「とりあえず、空の上で昼寝でもするか」


そうだ、そうだ、それがいい、寝たらいい考えが思いつくだろう


「寝るのか?」


「うん、おやすみ〜」


そう言って、僕は布団にくるまる


……ん?


僕は一旦、布団から出て、そこにいた女性


そうだな、間違いじゃなければ、赤髪で赤眼で龍みたいな角が生えてる背の高い女性を見た。


それを見て、僕は一旦、また布団にくるまる


…………………ん?


「随分と気持ちよさそうだな、一緒に寝てもいいか?」


「…………うん、レヴ、隣でいいなら、ハハ」


「そうか、だけどな、私は高い所が苦手なんだ」


「龍なのに?」


「ああ、私は龍人だからな」


そう言って、彼女は振り上げた拳を下ろす


すると、まぁ結果は明白という事で


墜落して、捕まった。

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