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17.怠け者 ロスト

大魔獣が復活した。


大とつく魔獣は基本強い


だって大きいからだ。


まぁ別に体がという意味ではないけれど、とにかく色々大きいのだ。


ほら大魔神とかもさ、単なる身体の大きさの話だけではないわけで


とにかく、普通の魔獣とは一線を画す、凄い魔獣なのだ。


「ま、まぁ、まだ姿は見えてないし、実はあの中にはいなかったっていう可能性もね、あるよね」


僕がそう言った直後、下からとてつもない爆発音が響く


そして、突き刺すような強い魔力がゆっくりと国全体に蔓延して行くのを感じる。


それを感じ、僕は部屋を出て、世界樹の頂上から下の宴会場を見る。


すると、明らかに大魔獣と言った姿の人型の山羊が見える。


その姿は、この世界に普通に存在する魔獣の姿もとはかけ離れており、そして、その魔力は未だかつて見たことがないくらい不気味だった。


「……ま、まぁ案外弱い可能性もあるよね」


僕がそう言った直後、僕のすぐ隣を何か人のような物が飛んでいく


そして、ミラは静かに、その飛んできたボロボロになって傷ついた人物キャッチする。


うん、確かに見た、大魔獣の眼の前に立ち、剣を抜いた彼が有無を言わさず、即座に大魔獣の左手によって吹き飛ばされたのを


「……ま、まぁその人が弱かっただけで……」


「彼はユグドラの副騎士団長です」


ミラがそう言いながら、彼を僕が作った部屋の中に寝かせ出てくる。


副団長、つまり、エルフの中で二番目に強いエルフということか……


「どうするんですか」


「……はぁ仕方ないかぁ」


そう言って、僕はあるものを取り出す。


そして、僕はしっかりと大魔獣を上から見つめる


こういう時、僕はいつも同じ行動をしている。


何故ならば、それはどんな魔獣にとっても効果的であるからだ


つまり、必殺、僕にとっての奥義のようなもの


この奥義の前で生きれた物はほとんどない


「大丈夫、僕には策がある」


ピポパポピ


「もしもし、レヴ?」


「良いわけねぇだろ」


そんな言葉と共に思いっきり本当に色々籠められた拳でミラにぶん殴られる。


手に持っていた携帯式魔導電話は吹っ飛んで何処かに飛んでいく、ついでに僕の体も……


「な、なんで、ただ勝てる人を呼ぼうとしただけじゃん」


「それを良く自信満々に策と言えましたね!そして、ここ伝説の国、隠してるんですよ!」


「た、たしかに」


そういえばそうだった、あまりにも簡単にはいれたばっかりに……


「でも、だったらどうするんだよ」


「あんたがどうにかするんでしょうが、そもそもの元凶!張本人!犯罪者!」


「えー」


「えーじゃないでしょ、このままだと滅びますよ、この国」


「別に滅んでも……」


「何か言いましたか?」


「イイエ」


怖い、いつかのレヴを見ているかのようだ。


はぁ、まぁ冷静に考えると滅ぶのは良くないよなぁ


それに、この問題を解決したらなんか貰えたりするんじゃないか?


エルフの国だ、探せば色々珍しいものとか出てくるだろう


だけどなぁ、と言ってもどうすればいいんだろう


「うーん、じゃあ……」


ピポパポピ


「だから電話するのを辞めろって」


僕が電話をかけようとした最中、そう言いながら、またミラに殴られる。


「な、なんでよ」


「なんでじゃねーでしょうが、話聞いてなかったんですか?」


「いや聞いてたよ、聞いた上でかけたんだよ」


僕的には大丈夫だと思ったんだけどなー


「はぁとにかく、人に電話するのは無しの方向性で」


「えーでも滅んじゃうよ?」


他の人の助けを求めるのは駄目、僕だけで何とかしろって?


それはちょっと我儘なんじゃないかな?


「あなたのせいなんですけど」


それはそうだった、僕のせいだった、これ


でもなぁ、レヴも呼べないってなると、


「あなたが、倒せばいいんじゃないですか?」





「ああ、確かに」


「最初に、というか普通に思いつくでしょうが」


たしかになぁ、めんどくさすぎて忘れていた。


いや、避けていたと言うべきか


いやなんかなぁ、腰がなぁ痛くて、ついでにお腹も痛い気がする、うわ、ちょっと待って吐き気もしてきたな、うわーあの大魔獣め、あの大魔獣の影響で、やばいやばい、うわーこれ勝てないな、うん、多分、勝てないよ、これ、そういえば、明日朝早いんだよなぁ、というか昨日お酒飲んでさ、うわー二日酔いが、二日酔いがなければいけてた説あるなぁ、いや僕もね、ユグドラ救いたいなぁって、正直ね、僕も僕の体一つで救えるならいいんだけどさ、困ってる人とか、襲われる人がいたらね?率先して前に出て、勇者みたいに救うっていうのを生業というか、生きる信条というか、そういう感じで生きてきたんだけど……あーまずいな、これはまずいよ、よくわかんないけどとにかくまずいよ、というか、眠っ、眠いな、よく考えたら、眠いわ、いやー眠いとな、最大限のパフォーマンス発揮できないからな、よし、寝るか、寝たほうがいいな、眠いし


「というわけで、僕は寝るよ」


「どういうわけですか」


こういうわけなんですよ、はー眠い、眠い


僕は静かに部屋に戻る。


うわーふわふわだな、極楽鳥の毛布


このまま、なににも邪魔されずに……


「はぁわかりました」


「お、わかってくれた?」


「寝るんですよね、あなたは今から、では、私は起きています、そして、あなたに攻撃をします」


「……え?」


「あなたは確かに私より強いです、ですが、誰でも寝ている状態は無防備です、私はその隙を突けるくらいの実力はあります、突けなくても……あなたにとって私はそこら辺を飛んでいる蠅くらいには見えるでしょう」


「……」


「あなたは寝ている時、毎回毎回、自分の付近を小煩く飛んでいる蠅のことをどう思っていますか?」


「……」


僕は立ち上がり、静かに部屋を出る。


Nepo(ネロ)


黒い水球が生まれる。


Verutum (ヴェルタム)


「仕方ないな、今回限りだよ」


「私も今回限りであって欲しいものです」


その直後、大魔獣に向かって、黒い槍が放たれた。

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