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あなたに読まれたい  作者: 三軒長屋 与太郎


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遠吠え


ひとりぼっちだと感じるときがある。

それは、弱さでも、過ちでもない。

はなから私たちは独りなのだ。

そうでなくては、幸せなど生まれやしないのではないか。


痛みもなく、傷跡もなく、

気が付けば蝕まれている。

孤独とは無色透明で、

ひとりであっても、ふたりであっても、

何千、何万の人間に囲まれている環境であったとしても、

逃れられる者などいない。

ときに、一人でいるよりも、

誰かと一緒にいることが、より寂しく感じる。

それこそが、証明と言えよう。


なんでもないラブシーン……ふと過る後悔の念。

現状への不満や、未来への不安が、

発作のキッカケになると思われているが、

私はどうも違うと思う。

世界から見た自分への理解度であったり、

届け先のない好意。

沈黙こそが、人間を断崖へと追いやるのだ。


無条件で愛されたいと願う傍らで、

安易に愛されることを拒む。

人に尽くすことを経典かの如く崇拝し、

それでも、尽くされない自らに吐き気を催す。

見つけて欲しい気持ちや、理解して欲しい気持ちが、

アイデンティティの檻の中で呻いているのである。

孤独でなくなるということが、完全なる自我との決別であると、

理解しているからに他ならない。


顔を上げて歩けなどと適当な言葉を吐くが、

ほとんどの場合、足元の方が美しくあるのが世界である。

前向きに生きろと無責任に励ましてくれるが、

前向きと無関心が近しいことを理解していないのであろう。

金に目がくらむように、形も価値もない幸福論に、

捉われてしまっているだけだ。


私が思うに、

孤独とは、人生の旨味である。

この身体を切り裂かんとする寂しさこそが、

他者を想う理由でなくてはならない。

真っ暗な山の中から聞こえてくる野良犬の遠吠えは、

確かにどこか切なげではある。

しかし、より遠くへと、自分の存在を届けようとしているのだと思えば、

SNSで語り合う我々と、なんら違いは無いだろう。


孤独に吞まれてはいけない。

孤独とは、味わうものなのだから。

孤独とは、誇り高きことなのだから。


孤独とは、世界に剥き出す牙であり、

他を寄せ付けぬ毒でもある。

それと同時に、

私がまだ、この世界を愛せる理由でもあるのだ。



お読みいただき、ありがとうございました。

誤字・脱字に関すること、細やかな評価や感想をいただけますと、励みになります。


【※この先は、作者による作品解説です。

自己解析・自己考察を含みます。

読後の余韻を大切にされたい方は、ここで読むのをお止めください】











——————————


孤独という文字自体、成り立ちはそこまでネガティブではなく、鳥が巣立つ様子であったり、どちらかと言えばポジティブな言葉だったりするんです。

どこか悲しげに感じてしまうのは、ある種の現代病なんじゃないかなと。

別に、世界と距離を置いたって構わない。

勿論それは、〝ルールの範囲内で〟とはなってしまいますが。


作者はあらゆる面で二極的な考え方なので、やりたいことをやりたいし、やりたくないことをやりたくはありません。

即ち、やりたいことを否定されるのが嫌いで、やりたくないことを強要されるのはもっと嫌いです。

こんな考え方が、〝共存〟と紐づくなど思っていません。

故に、私は孤独を愛しております。


孤独という、自らでこさえた檻の中から、皆様の幸せを願っております。


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