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あなたに読まれたい  作者: 三軒長屋 与太郎


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52/58

【恋】あなたの嘘と わたしの本当


好きだと言ってくれた

いいえ、

愛しているとさえ言ってくれた

その中の一つでしかなかった

あなたの中の欠片でしかなかった


寒さが峠を過ぎるとともに、

あなたの愛も薄れていった

肌を重ねる意味合いでしか、

求める理由がなかったのかもしれない


なにしてる? とか、

今夜は暇? とか、

別に、それでも良かった

あなたに会えるのであれば、

そんな見え透いた不純でも良かった


わたしはね、

あなたの嘘を愛したの

その口から止めどなく零れる偽りが

生温い温度が

不器用に泳ぐ瞳が好きだった


もうすぐ春になって、

なんとなくな幸せが溢れます

それなのにわたし達は、

道路の端で溶けるのを忘れた雪みたく、

土や泥を吸い込んで、

灰色でぐじょぐじょの塊


きっと季節が告げてくれているのだと思います

このままではいけないって

移り行かねばならないって

側溝そっこうに流れ落ちるように、

誰にも知られず終わりにしなければならないって


あなたがくれた沢山の嘘を、

わたしは、ひとつひとつ捨てていく

どんなに嘘だと分かっていても、

わたしにとっては本当だから、

名残惜しく思ってしまうこの気持ちも、

一緒に丸めて捨てていく


好きだと言ってくれた

いいえ、

愛しているとさえ、言ってくれた

嘘が溜まったゴミ箱に、

涙を一滴、染み込ませて


四月一日に会いましょう

沢山貰ってばかりだったから、

最後くらいはわたしから言ってあげる

世界でなによりも

あなたを愛しています……と



お読みいただき、ありがとうございました。

誤字・脱字に関すること、細やかな評価や感想をいただけますと、励みになります。


【※この先は、作者による作品解説です。

自己解析・自己考察を含みます。

読後の余韻を大切にされたい方は、ここで読むのをお止めください】











——————————


エイプリルフールに向けて書き上げた作品となります。

日常的に嘘をつき続ける男と、最後の最後まで、本当しか言えない女。

それでも終わらせなければならないから、四月一日を利用して、一年で一度の嘘をつく。

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