【独】感ずること 謝ること
ひと文字、ひと文字、
想いを綴る。
ひと言、ひと言、
命を吹き込む。
書き手と読み手。
友情でも愛情でもなく、
敬意で繋がり成り立つ。
上手い下手ではなく、
心情で混ざり合う。
物語を紡ぐ者。
絵を描く者。
声を届ける者。
芸を配信する者。
上下などあろうはずがない。
社会との狭間の平均台。
ぐらつく足元を支えてくれているのは、
読者であり、傍聴者であり、
視聴者に他ならない。
ひとつ愛を語れども、
その形は幾通りもある。
綺麗な丸を描く者、鋭利な棘を仕込む者、
涙で色彩を付ける者、甘美な毒を塗り込む者。
それでも、
生み出された愛を紐解く者が居なければ、
それはただ、空を漂う風船のように、
いつかは萎れ、地面に落ちてしまうだろう。
支えられている。
自分が立っている場所も、
自分がなぞる曲線も、
決して才能などではない。
現世への縋りなのだ。
欲求のままの自慰なのだ。
独りよがりにぶちまけているだけだ。
死した後になにが出来る。
今ある生を刻むことしか出来ない。
それを読み、聞き、伝えてくれる。
支えられているより他に、
表しようもないのだ。
作品とは、無色だ。
作家がどんなに起承転結を練ろうと、
絵師がどんなに数多の絵の具を使おうと、
声優がどんなに抑揚を付けて語ろうと、
歌手がどんなに多彩な音階を奏でようと、
相手が居なければ無色なのだ。
私の作品に色を与えてくれるのは、
まごうことなき、あなたなのだ。
しかし、どんなに感謝をしようとも、
私はあなたの意見を通さない。
ありのままの心で描かなければ、
それは無色より価値がない。
私が私であり続けなければ、
いかなる言葉も、愛想に過ぎない。
売れるための方便など、
腐った豆より鼻に障る。
それが、私だ。
安い頭だ。
お望みとあらば謝ろう。
ただ、あなたの声や反応に、
いいねやハートを残して去り行くその背中に、
静かに深く頭を下げる。
蝕み、すり減らし、
私の中に流れる劇物を、
あなたの全身に塗りたくる。
それが、私という人間の、感謝なのだ。
お読みいただき、ありがとうございました。
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【※この先は、作者による作品解説です。
自己解析・自己考察を含みます。
読後の余韻を大切にされたい方は、ここで読むのをお止めください】
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短編集、記念すべき50作品目となります。
2026年1月28日から書き始めて、あっという間でした。
それもこれも、反応をして下さった皆様のおかげです。
そんな想いを、私なりに作品としました。
今後ともよろしくお願いいたします。




