【恋】束縛
あなたを苦しめたいわけじゃない。
その逆……
あなたを楽にしてあげたいの。
男なんてのは刺激に弱い生き物だから、
私がきつく縛り上げて、
自分じゃどうにも出来ないようにしなくちゃ。
あなたに自由なんて与えない。
無様に吊るされたあなたを眺めながら、
私はワインで喉を潤すの。
自分で歩くこともできない。
慰めることも許さない。
あなたを愛でる権利は、
私にしかないのだから。
目隠しだけでも外してあげましょうか?
それとも、
その口に咥えた玩具を外しましょうか?
首を縦に横に揺らして……
なんて可愛い生き物なんでしょうか。
あなたにプライドなんてものは要らない。
私だけを見つめなさい。
私だけを欲しなさい。
自我なんてものも脱ぎ捨てなさい。
二人だけの空間であれば、
服すら意味を成さないのだから。
あなたは誰にも求められてはいけない。
私の要求にだけ応えなさい。
私の隙間だけを埋めなさい。
欲求なんてものも消し去りなさい。
この指で先っぽを擽れば、
理性なんて意味を成さないのだから。
世間との馴れ合いも、
社会との掛け合いも、
勿論、私じゃない誰かが、
あなたを縛り付けるのも許さない。
だけど……
最初に言った言葉は本当よ。
あなたを苦しめたいわけじゃない。
その逆……
あなたを楽にしてあげたいの。
外の世界は危ないことだらけだから、
心配で、どうしようもなくて、
あなたを支配してしまうのです。
それでも安心してください。
私が全部、してあげる。
身もだえるあなたに、口移しで愛を与えましょう。
猫なで声で、全身を潤してあげましょう。
真っ赤な蝋を垂らして、二人だけの世界を教えましょう。
束縛してしまう私を、
どうかお許しくださいな。
それもこれも、
すべてはあなたへの愛なのです。
私の優しさだけに、
喘いでほしいのです。
私の想いだけに、
身をよじらせてほしいのです。
それだから私は、
あなたの耳元で囁くのです。
神経回路なんて無視して、
生理現象で生きなさい。
お読みいただき、ありがとうございました。
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【※この先は、作者による作品解説です。
自己解析・自己考察を含みます。
読後の余韻を大切にされたい方は、ここで読むのをお止めください】
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なんだか心の痒い作品ですが、先に弁明させていただきますと、今作は決してフェティッシュやSMではなく、女性の強い束縛を描いたヒューマンホラーです。
まぁ、喜ぶ方がいましたら、官能として愉しんでいただいても、なんら問題はありませんが。
一応作者の解釈(言い訳)を載せておきますと、作中に出てくる『目隠し』は、SNS規制。
『口に咥えた玩具』は、言論統制。
そして、吊るし上げている縄はそのまま、行動の制限です。
なにかを感じてくれた女性がいましたら、少しだけ縄を緩めてあげて下さい。
大丈夫ですよ。
ほとんどの男性は、あなたの所へ帰ってきます。
保証はしませんが。
なにかを感じた男性がいましたら、そのまま喘いでいなさい。




