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第03話 うちの双子が天才で


ソダが爆発してからまた1ヶ月ほどの時が流れた。


事件の顛末としてはヒカリに客人が来ていたようで

その客人をソダが案内していた時に失礼を働いたそうだ。

そして客人の魔法によって大爆発させられたらしい。


失礼を働くのはもちろんダメなことではあるが、

爆発させられるほどのことだったのだろうか。

というか客人側もこの家に仕えている人(スケルトン)を

爆発させるのは失礼とかいうレベルではないのでは...


ますますこの家がどんな身分なのか分からなくなってしまったが

それについては成長すれば分かる時が来るだろう。


それよりも今は━━━




「アッ!」


シンが立っている。


確かに俺たちは産まれてから早数ヶ月経つが、

まだ早いんじゃなかろうか。

まだハイハイもつかまり立ちもしてないじゃないか...!

それにようやく寝返りをうってこれから座ったりする段階のはずだろ...?!

なんか段階をすっ飛ばしてるとかそういう話じゃないだろ!

赤ん坊は筋肉がまだ未熟だから立ったりは出来ないはずなのに...

じゃあ、完成してるのか...?

シンは既に筋肉が発達してちゃんとした肉体に成っているのか...!?


そんなことを考えながら驚愕の視線をシンに向けていると

ふと目が合う。


「ウッ!」


いや、グッ!じゃないが...

何に対してのガッツポーズなんだ

いや、立ち上がれていることに対してなんだろうけど...


「レイ~シン~、朝ですよ~」


と、ちょうどその時ヒカリが入ってきた。


「今日も良い天気だ...よ?」

「た、立ってる...!」


信じられないものを見たような顔でシンを見ている。

それはそうだろう、産まれてまだ数ヶ月の子が自力で立っているのだから。


「これは...天才って言うのかな!」


あ、親バカかもしれない。


「ね~ガロア、見て!シンが立ったの!」

「そんなわけないだろ、最近寝返りをうつようになったんだ...ぞ」

「た、立ってる...!」


後から入ってきたガロアもヒカリがした時と全く同じ反応をする。


「将来絶対大物になるなぁ!!」


ダメだ、親バカしかいない。


「シンはすごいね~!もう明日には歩きまわったりするのかな?」


それは気が早すぎるのではないかとも思ったが

普通に立ち上がったシンを見ると可能性はあるのかもしれない。


「ハッ...!待って、もしかしてレイも私達が知らないだけで立ってたりするのかな?」

「そうだな、俺達の息子でシンのお兄ちゃんなんだ!何ならもう走っててもおかしくないぞ!」


おかしいに決まってるだろ!!

シンが立てるから兄である俺も立てるとか

新手の『あなたはお兄ちゃんなんだから』みたいな話がありえるわけないだろ!

だいたいシンが立ってる方がおかしいのであって

俺の方が━━━



(立てちゃった...........)


「きゃあ~~~!!やっぱりうちの子たちは天才なのよ!!」

「ふっふっふっ...産まれた時から素質があると思っていたが、まさかこれほどとはな....!」

「家庭教師よ!家庭教師雇わなきゃ!!」


立てたことに自分でも困惑している横で両親は大興奮だ。


「奥様落ち着いてください、家庭教師って何の家庭教師を雇うんですか。

 まだ立っただけですよ!

 旦那様も素質がどうとかってレイ様とシン様が産まれた時には

 涙で何も見えないとか言ってたじゃないですか!

 どう素質を感じ取ったんですか!」


メイドさんが両親を落ち着かせようとしているが困惑のあまり

ちょっとズレてしまっている。


ドドドドドドドド


遠くから誰かがとんでもない勢いで走ってくる音がする。

いや、誰かというか十中八九...


「レイ様とシン様がお立ちになられたと耳に致しましたが

 本当でございましょうかぁぁぁぁ!!!」


いつになくテンションの高いソダが部屋に滑り込んできた。


「ハウッ...!!」


そして膝から崩れ落ちる。


「レイ様とっ、シン様がっ...このっ、だ、大地を...自らの足でしかと、踏みっしめて...」


大号泣である。


骨なのにそんな膝から落ちて大丈夫なのか?

その大量の涙はどこから出ているんだ。

あと踏みしめているのは大地ではなく柔らかいお布団だし

というか両親よりも俺たちに対する熱量が高いのはどういうことなんだ。

えぇい、ツッコミどころが多すぎる!。


騒ぎを聞きつけた他のメイドたちが駆けつけて

3人を落ち着かせるまでに小一時間程かかったのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーー


それからというもののシンは自力でベビーベッドの策を超えたり、

部屋を歩き回ったり、その次の日には走ることすら成し遂げるなど

とんでもない超人っぷりを見せつけていた。


その度に両親が天才だと大騒ぎし、ソダが泣き崩れ

メイドたちが必死に事態を収拾させるというような日々が続いた。


俺は流石に赤ん坊の身体でケガをするとどうなるか分からなかったので

立つ以上のことはしなかった。

そんな俺を両親は危険なことが分かる賢い子だと大騒ぎしていた。


俺の両親(とその他1骨)は親バカすぎるので

自制心を強く持たないと甘やかされすぎてダメになってしまうかもしれない。






〈ヒカリの一言〉


「レイもシンも全然泣かなくてちょっと心配してたけど


 元気いっぱいな子で将来が楽しみになっちゃった!」

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