第02話 転生先は異世界で
衝撃の出会いからまた数ヶ月の時が流れ、
俺はこの世界の言語と自身を取り巻く環境がどんなものかを学んでいた。
「レイ、シン、今日も良い天気だね~」
俺の名前は『レイ』であるということ。
俺ともう1人の赤ん坊を抱き上げながら俺のことをレイと呼ぶ
長い黒髪の女性が俺の母親であること。
そしてもう1人の赤ん坊は『シン』という双子の弟であること。
「ヒカリ、体調の方は大丈夫なのか?あまり無理をするんじゃないぞ」
「体調を崩したのは双子を産んで体力とかをかなり消耗したからだって
お医者様が言ってたのガロアも聞いてたでしょ。
もう何ヶ月も経つんだから大丈夫だよ。」
「い、いやしかしだなぁ...」
「も~、パパは心配性で嫌ですね~二人とも~」
母親はヒカリという名前でなんか日本人?っぽいこと、
その母親の体調を気遣ってオロオロしている赤髪の男が父親であり名前はガロアだということ。
そして━━━
「いえヒカリ様、ガロア様のおっしゃる通り何かがあってからでは遅いのです!
お二人も抱っこするのは大変でしょうから、私めがレイ様かシン様を...」
「え~、ソダは抱っこしたいだけでしょ?それに顔が怖いからなぁ~」
「で、ですがレイ様もシン様も私のことは怖がらないですし...!」
あの時見た黒い骨...スケルトンというのだろうか?
そのスケルトンはソダという名前で子ども好きっぽいこと。
そして父親の存在でうっすらとそうなのかもしれないと思っていたが
何よりもソダの存在がここは異世界であるということを確信させた。
「旦那様、ソダ様、そろそろお時間です。
本日の業務に取り掛かっていただかなくては。
奥様とお坊ちゃまたちのことは私たちにお任せください。」
「ん、そんな時間か...それではヒカリ、レイ、シン行ってくる」
「私もこれにて失礼させていただきます。」
「はい、二人とも頑張ってね~
レイとシンもいってらっしゃいしてあげようね~」
他にも、おそらく俺の産まれは良家であること。
それもかなり高貴な身分のようである。
この家に多くのメイドや執事が仕えているのはもちろんのこと
ソダも高位の者としてメイドたちが仕えている。
では、そんなソダが仕えているこの家はどのような家なのだろうか。
(しかもソダはスケルトンだしな!!身分が高いスケルトンってなんなんだよ?!
そのスケルトンが仕えてる家って何?!?!)
とは言え両親もメイドたちも普通に接しているので
そういう世界なのだと納得する他ないのだろう。
「奥様、お坊ちゃまのお二人は私たちがお世話しますのでお休みください。」
「みんな心配しすぎだってば~!本当にもう大丈夫なのにぃ~」
俺の母親は病弱なのかもしれない。
大きくなったら負担をあまりかけないようにしなくては。
それと...
日本人離れした綺麗な顔立ちをしてはいるものの
黒髪に黒目、それにヒカリという名前
やはり日本人なのだろうか?
...いつか聞ける機会があれば聞いてみるぐらいで良いだろう。
この人がこの世界での母親であることに変わりはないのだから。
良い親子関係を築いていきたいものだ。
あとは弟のシン。
まだ赤ん坊だから話すことも出来ていないが、いったいどんな子なのか。
やはり双子だから俺そっくりなんだろうか。
こちらもどんな兄弟になっていけるのか楽しみである。
「それにしてもレイ様もシン様も本当に良い子ですね
ソダ様を見ても泣かないですし、逆に心配になるぐらいです。」
「そうだね~、シンは泣かない分よく笑う子だけど
レイは笑ったりもあんまりしないよね~
お腹が空いたりすると教えてくれるから賢い子ではあるんだろうけどね~
ママはレイが将来ぶっきらぼうさんになるんじゃないかって心配です」
...確かに全く泣かない赤ちゃんは心配になる。
だが、泣いて何かを伝えるのは恥ずかしいし
大人たちのやり取りでクスリとすることはあれど
声をあげて笑うような出来事がないからどうしても感情の発露が少ない子だと思われているようだ。
(だけど、もう少しだけの辛抱ですよ!母上、メイドさん!!
この世界には俺が期待していたアレが━━━)
ドゴオォォォォォォーーーーーン!!!
「早くソダ様を治療室へ運べ!!」
「ロア様の魔術に直撃したんだ!!軽傷じゃすまないぞ!!」
外から爆発音と慌てている人たちの声が聞こえる。
そう、この世界には魔法があるっぽい!!
憧れていた魔法、必ず習得してみせる!!
...まだ何に使うとかは決めてないけれど、
とりあえず使ってみたいじゃないか。
...それにしてもソダに何が起きたのだろうか?
〈レイの一言〉
「産まれた直後はよく分かっていなかったけど、
赤ん坊の泣き声の正体は双子の弟であるシンだったんだな」




