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守られている実感
校門を出て、少し歩いたところで。
穂乃香は、ふっと息を吐いた。
「……なんだか、疲れました」
隣を歩く恒一は、歩幅を変えずに答える。
「今日は、情報量が多すぎました」
その通りだった。
師姉。
先生たち。
教室の視線。
でも――
不思議と、胸は軽い。
「……私」
穂乃香は、少しだけ間を置いて言った。
「前より、怖くないです」
恒一は、少しだけ視線を向けた。
「理由は?」
「守られてる、って分かったから」
自分の言葉に、穂乃香は驚いた。
口にして、初めて気づく。
夢で見た、
守られない場所。
あの息苦しさ。
それが今は、ない。
恒一は、短く頷いた。
「それで十分です」
それ以上、何も言わない。
でも。
穂乃香は、無意識に彼の袖を掴んでいた。
気づいて、慌てて手を離す。
「あ……ご、ごめんなさい」
「構いません」
淡々とした返事。
でも、歩調はほんの少しだけ、
穂乃香に合わせられていた。
夕暮れの道が、
昨日より少し明るく見えた。




