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地仙譚~百年を生きる仙人は現代で怪異を祓う~  作者: taka
第20章 残火に響く鎮魂
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鎮魂の残響

 誰も、すぐには口を開かなかった。


 焼けた路地の奥で、夜の熱だけがまだ遅れて残っている。

 けれど、その上を撫でる風はもう静かだった。


 恒一が歩き出す。

 清磬も、その後に続く。


 穂乃香は少し遅れて足を動かした。


 表通りへ戻れば、街は何事もなかったように明るい。

 笑い声も、ネオンの色も、さっきまでと変わらない。


 なのに、自分だけが別のものを見てしまった気がした。


 邪仙の火。

 魂を焼く炎。

 そして、その後に鳴った磬の音。


 胸の奥に残っているのは、恐怖だけではない。


 言葉にできないまま、穂乃香は小さく息を吸う。


 夜のざわめきの底で、

 鎮魂の響きだけが、まだ消えずに残っていた。

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