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均された午後
――恒一視点――
午後の教室は、午前より落ち着いていた。
数は、減っていない。
だが、散っている。
場の流れが、わずかに均されているのを確認する。
効果は限定的。持続もしない。
――十分だ。
不良たちの動きを見る。
まだ荒いが、臨界には届いていない。
感情の扱いを知らないだけの年頃だ。
切り捨てるには、まだ早い。
若さゆえに、行き場を失った感情が溜まり、陰気が滞る。
それが穢れを呼び、空気を重くしているだけだ。
視線を移す。
眼鏡の少女――秋月穂乃香は、
午前より深く息をしている。
回復ではない。
負荷が、一段下がっただけだ。
この程度でいい。
やりすぎれば、歪む。
足りなければ、壊れる。
今は、その間。
恒一は、ノートに視線を落としながら、次の判断条件を頭の中で整理する。
――あまり、続くようなら。
その先は、まだ決めない。
決めるのは、状況を見てからでいい。




