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言葉にしない否定

 清磬が、恒一の隣に立つのは、もう珍しくなくなった。


 最初は、たまたまだと思っていた。


 次に、必要だからだと思った。


 今は。


 理由を考えないようにしている。


「……」


 私は、少し離れた場所で、二人の様子を見る。


 話している内容は、分からない。

 専門的で、私の入る余地はない。


 それは、前から同じだった。


 なのに。


 前は、“待っていればいい”と思えた。


 今は、待つ場所が分からない。


 私は、何かを言いたいわけじゃない。


 引き止めたいわけでも、割り込むつもりでもない。


 ただ。


 胸の奥に浮かぶ感情を、認めたくない。


 ——ズルい。


 その言葉が、また浮かびそうになって、慌てて打ち消す。


 違う。


 私は、そんなことを思う立場じゃない。


 そうやって、自分を否定する。


 否定することで、ここに留まっている。

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