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宇宙人に恋してる  作者: 02369385


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即興の練習は即興

まず、私以外のみんなが合わせて弾いた。



うん、すごいね。

ジャズのようなクラシックのような、現代音楽のような…でもやっぱりタンゴだった。進化したタンゴって感じの曲だ。

ピアソラは聴いたことがなかったが、多分すごい人なんだろう。で、ジョンさんもすごいのだろう。


みんなは、調整しながら何度か通して弾いていた。すると


「じゃあ、トミヤさんも入ってください。」


ジョンさんに言われる。

私は始めから同じステージに立って楽器はセットはしているものの、いや、なんかもう私以外のジョンさん、コナー、エヴァンさん、桃の4人でいいんじゃないかと思っていた。

が、マレットを持った。

曲が始まる。

ノブさんが客席で見ているが、なぜかAIだと思うと緊張しなかった。



ジョンさんはバイオリンを弾いている。彼の目線がこちらに来るのを待つ。


来た。


ポーーーーーン


いいのか?えっ、!まだ見てる?じゃ、また叩くよ?


ポーーーーーン


目が逸らされる。

分かんないなーコレ。みんなのは練習だと思うけど、私のはカンであって練習なんだろうか…ってあっまたこっち見た。


ポーーーーーン


え?…分からん。

………

………

またこっち見た。


ポーーーーーン


まだ見てる。


ポポーーーーーン


あっ2回叩いちゃった。

………

……………………

………………………

また見た


ポーーーーーン


曲が終わった。



すると、観客席の方から拍手が聞こえた。


「コレです。エビハラが求めていたのはコレです。」


そう言ってノブさんは立ち上がり手を叩いている。

うん、ありがとう。やっぱりエビハラさんの趣味が謎すぎるが、秘書さんが言うならコレなんだろう。


でもジョンさんは納得してない感じだった。

明らかに最後のタンドラム音はズレてるし、まあ私もそう思います。


「ノブさん。ボクは分からないです。何で上手くてはいけないんですか?」


彼はそう言った。


「それは先日もお話しいたしましたが、この時代だからでございます。」


ノブさんは返答し、続けた。


「私や桃さんのようなAIはほぼ完璧に演奏出来ますし、宇宙人の皆さんもとてもお上手です。ジョンさんも最上級のプロでしょう。

しかし、全て出来て当たり前の世界にはわざとではない、つたなさが不足しているのです。

トミヤさんはそれが可能な方です。」


多分子供の絵みたいな感じなのだろう。

彼らもわざとそう描いてるわけではない。


「ただもう一つ可能でしたら、ここからさらに楽しんで弾いて頂けたらより素敵だと存じます。」


そう、ノブさんは言った。


その日はそれで解散となった。

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