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宇宙人に恋してる  作者: 02385


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練習はしない


とりあえず楽譜を読んで練習することになった。

みんなですると音が混じり合って分からなくなるので、このホールで練習するのはエヴァンさんだけ、他の人は近くの個室で練習することになる。

そして、各箇所をジョンさんがまわって教えるという感じだ。

私は即興なので練習はしないが、彼と一緒にまわって感覚を掴んで欲しいと言われた。


コナーの練習風景をジョンさんと見に行く。

スタインウェイらしきピアノの足に、台みたいな物を設置して、高さを上げている。

そして普通のピアノのイスより高いイスに座って弾いていた。

それはそうか、コナーの身長だとそのくらいしないと弾きづらいと思う。


そして、とてもうまい。


ピアノをかじってたので、凄さは少し分かるかもしれない。

そんなことを思いながら指導を聞いていたら、部屋に新たに入って来る人がいた。

知らない人だ。

その人は私に軽く会釈をして隣に置いてあるイスに座った。


ぱっと見、日本人。だけどものすごくがっしりした体型で、筋肉質の男性だ。

年齢は20代中頃だろうか?身長は平均くらい。グレーの上下のスーツに同じ色のベストを着ている。


誰か分からない人が隣りにいるとちょっと緊張する。

そんなことを思いながら見ていたら、終わったらしく、ジョンさんがこちらを振り返った。


「あっノブさんいたんですか。」


「お世話になっております。ジョンさん、進捗(しんちょく)はいかがですか?」


そのノブと言う人は会釈をして立ち上がり、ジョンさんと話している。


「トミヤさん、この人はノブさんです。」


そうジョンさんに紹介され、私も立ち上がった。


「初めまして、トミヤです。」


「ノブと申します。エビハラのAIで秘書などをしております。本日は皆様の状況の確認と楽器の調整をしに参りました。」


ノブさんはエビハラさんの関係者らしく、軽く笑顔になってそう話した。

日本人に見えたがAIだった。

たまに思うが、この世界は人間よりAIの方がもう多いのだと思う。


今度はノブさんと3人で桃の所へ行った。

桃はさすがAIという感じで、楽譜を読み込んで全部弾けるようになっていた。

彼女の楽器バンドネオンは音の圧というかインパクトが強い。やはりアコーディオンに似た音がするが、もっとしなやかで小回りが効く感じだ。

おそらくこの曲のメインはこの楽器なのだろうと思う。メロディーも主旋律っぽい。


「桃すごいね。」


私が近寄ってそう褒めると、彼女はとても嬉しそうにパアッと笑った。

そしてよくは分からないが、楽譜のどこそこがと、ジョンさんの指導が入る。

それをおそらく理解してるノブさんは2人をジッと観察していた。


次はエヴァンさんの所だ。

ホールに3人で戻ると、大きな重低音が響いていた。

太鼓は空中に縦にセットできるような脚立で固定され、それを手で叩いている。

ホールなのと、力が強いので身体中がビリビリする。内臓も揺れてる。

彼へ指導が入り、もっと弱い音に変更するようだった。


そして、さすがみんな覚えがよく、その1時間後、ホールで音を合わせることになった。

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