トミヤ、バンド組むってよ
私はそんこんなで、なんとなく面白そうだったのもあり、承諾した。
もちろん楽譜を読むのは無理なので、読まなくても出来そうな楽器や楽曲にすることになる。
そしてコナーやエヴァンさん、さらに桃までしたいと言い出し、ジョンさんを含めた5人のメンバーが決まった。
彼の話しだと、その謎の楽譜を所有している人物の名前はエビハラさんと言うらしく、
音楽が出来ない人が1人でもメンバーに入ればOK、と言っていたらしい。
その人の音楽的趣向がやはり謎すぎる。
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次の日、バンドとしてやることなどを決めるために、宇宙人迎賓館の大ホールのステージにみんなで集まった。
大ホールはいわゆるtheホールという感じで、ステージがあり、そこに対面する形で階段状にイスが設置されている。
規模は人だと1000人くらい入りそうだが、イスはやはり小ホールと同じで隣の席とくっついている。
そしてイスも通路も天井もステージ裏も、ゆったり大きい作りで、エヴァンさんでも通って座れるぐらいだ。
「トミヤさんが弾けそうな物をここに並べてあります。」
ジョンさんがそう言った。ステージに楽器がずらっと置いてある。
打楽器系が多い、その中で見たことのない楽器があった。
金属で丸くて、切れ目が無数にある。
何だろう?
私がその丸い物を見ているのに気づいた彼が説明した。
「それはタンドラム、別名をスリットドラムと言います。音はマリンバに似ていて、このマレットや手で叩きます。」
マレット、フェルトを丸めた物が先についてる棒を渡された。
それで叩いてみる
ポーーーーーン
えっ、すごい綺麗な音だ。マリンバより金属っぽい、澄んだ音がする。
ポーーーーーン
ポーーーーーン
おーこれすごい。音がすごい。
浄化とかよく分からないけど、心が浄化されそうな感じの音がする。
私はジョンさんをチラッと見た。
「気に入った?それには音階もあるけど、弾く時は考えなくていいです。」
そう言われた。
「ジョンさんー。僕ハンブルグのスタインウェイが弾きたいー。」
そうコナーの声がして、ジョンさんが舞台の端の方にいる彼の所へ向かった。
弾きたい物や、彼が持ち込んだ楽器から各々がどれを弾くか決めている。
結局私はタンドラムにし、コナーはスタインウェイというピアノ、ジョンさんは5弦のバイオリン、
桃はバンドネオンという、なんだろう。
アコーディオンの鍵盤部分が無く、複数のボタンになっていて、さらにボタンが左端にもついていて、小型化したような楽器を選んでいた。
そしてエヴァンさんだ。
そもそも彼は地底人で5mいくかどうかの身長なので、弾けそうな楽器が少ない。
結局、和太鼓の大太鼓、120㎝くらいの直径がある物にしたみたいだった。
というか、こんなに楽器をどう手配したのかジョンさんに聞くと、エビハラさんが楽器のレンタルとリース会社をしているらしく、そこかららしい。
エビハラさん、楽器も持ってるんだな。
その日は弾く楽器を選ぶだけで、持ち帰りたい人は持ち帰っていいとのことだった。私はタンドラムを小脇に抱えて帰り、部屋でたまに鳴らした。
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その3日後、ジョンさんからメンバーの招集があり、また同じ大ホールに来た。
「みんなの使う楽器から考えて、ピアソラ風の曲を書きました。」
そして私以外の人に楽譜を配っている。
隣の桃のをチラッと見たが、全然分からなかった。
そもそもこの3日で曲にしたのが、凄すぎる。
ジョンさんは続けた。
「ピアソラというのは、タンゴの作曲家兼バンドネオン奏者なんですが、実はボクのいた世界にはいない人でした。
最初聴いた時はこんな人もいるんだと、感動して、なので彼風の曲を書いてみたんです。」
タンゴはダンスのイメージが何となくあるが、そこで流れてるような曲ってことだろうか?
「そして、トミヤさんは楽譜が読めないので、ボクが目配して、その時に好きなタンドラムの場所をランダムにたたいてもらおうと思ってます。」
ジョンさん曰く、つまり、私の音は即興ということらしい。
え、大丈夫だろうか?ちょっと不安になって来た。
その不安を桃が察知したのか
「トミヤ、あたしがサポートするし、大丈夫だから。」
そう言われた。




