日本家屋
いつも読んで下さってありがとうございます。
今回はトミヤ視点の話しに戻ります。
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今私は、昨日目覚めた桃と一緒に宇宙人迎賓館の庭を歩いている。
彼女はあの一件から私と一緒にいる時の、密着度というか物理的距離感が近くなった。
心境の変化なんだろうか?
桃が目覚めた時点で、自分のマンションに帰るつもりだったが、まだ検査などもあるらしく、暫くここにお世話になることになった。
だんだん和風の庭園ゾーンに入って行く。
苔むした岩、刈られた垣根、踏み石、灯籠、the和。
都心に日本庭園があるのは不思議はないが、宇宙人迎賓館にあるのは結構謎だ。
迷路の様な道を進み、ようやく日本家屋が見えて来た。
そこにはエヴァンさん、シヴァニさん、コナー、エイプリルさん、オーガストさん、と見たことのない男性が1人いた。
その人は全ての人種を混ぜたような見た目なので、説明が難しいがパッと見て特徴のない人だった。
その日本家屋は庭と池と、大きな縁側がある
エヴァンさんは庭にある巨大な岩に、大きな座布団というか布団のような物を敷いて座り、
他の皆は、エヴァンさんと向きあう形で、一列になって縁側に座布団を敷いて座っている。
そもそも何でここに皆んなが集合しているかと言うと、地底から帰って来たエヴァンさんが、話したいことがあるらしく、場所をここに指定して来たからだ。
ちなみに彼との連絡交換は、初めて宇宙船に乗って話しが盛り上がった時にしているので、そのアドレスから連絡があった。
私はオーガストさんの隣に2個置いてある座布団に座った。
桃は私の隣だ。つまり、オーガストさんと桃に挟まれる形で座っている。
彼は少しこちらを見て、微笑んでいた。
私が来たのを確認して、エヴァンさんが話し出す。
「予定時刻より早いデスガ、皆さん揃ったので話したいと思いマス。」
彼は続けた。
「今からするのは、ここにいる皆さんに共通するある人物の話しデス。
…そう、ルイさんのことデス。
現在ルイさんは地底に住んでイマス。
そしてそこで教師をすることになりマシタ。」
えっ?
皆んながざわつく、そりゃそうだ、エヴァンさんの付き添いで地底に行っていたのが、もう住んでいるらしい。
つまりルイはこちらに戻っていないということだ。
コナーが質問した。
「どういうこと?エヴァンさん、もっと詳しく話して。」
「コナーさんはご存知でショウガ、ルイさんは元々シリウスの母船に帰るつもりデシタ。
それは彼が宇宙人公式後からずっと考えていたことデス。
しかしもし母船に帰ってしまったら、おそらく我々と合う頻度は格段に下がるか、一生会えないなんてことも考えられマス。
ワタクシはそれは嫌でシタ。」
エヴァンさんは足を組み直して続けた。
「なので地底の知り合いと話しをして、ルイさんが楽しめる新しい仕事と場所を探してもらいマシタ。
それを彼も承諾し、シリウスと地上のことを教える教師をしてもらう予定デス。」
私もオーガストさんと付き合うことになったり、桃が目覚めたりして色々あったが、地底でも色々あったみたいだった。
それを聞いたコナーはエヴァンさんにまた尋ねた。
「…それはよかったけど、何で僕も連れてってくれなかったの!」
コナーとしては仲間はずれにされて不満なんだろう。
それに彼は
「彼の言動からして早急に対処する必要がありマシタ。コナーさんはルイさんと仲がいいデスガ、よくケンカもシマス。最近も無視されましたヨネ?
なので話しがこじれそうなので、お誘いしませんデシタ。すみまセン。」
そう話すと軽くコナーに頭を下げた。
庭にある広葉樹は全て色がつき、庭に池にハラハラと落ちて行く。
鯉がスイスイ泳いでいる背中の赤と白と黒なのが見えた。
「ただ、ルイさんは落ち着いたら自身に会いたい人は来ていいとおっしゃてマシタノデ、暫くしたら私と一緒に地底へ行ってみまショウ。」
「えっ行っていいの?行く行く。
わー会うの楽しみ、お土産持って行こうかなー。」
そうエヴァンさんに説明され、コナーはころっと機嫌が変わりウキウキしている。
多分彼は仲間はずれとか、無視とかが1番嫌いなんだろう。
しかしそれが解消されれば、過去のことはささいなことになるタイプかもしれないと思った。




