愛とは何か*
いつも読んで下さってありがとうございます。
今回は遺伝子操作とデンドロフィリア(植物性愛)、ズーフィリア(動物性愛)の表現があります。
内容的には全年齢対象だと思いますが、心配な方はブラウザバックをしてください。
「あ!ルイ。」
正面にいるコナーがそう言った。
私達のテーブルは背の高い観葉植物に両サイドが囲まれており、コナー側の後ろに窓があり、私側の後ろにロビーの通路のようなコーナーになっている。
私は後ろを向いた。
すると真正面にルイが立っており、すごく怖い顔をしている。
「トミヤさんお久しぶりです。」
そう彼に言われたので、私は立ち上がって
「エヴァンさんをオーストリアまで呼んで下さってありがとうございました。
お陰で日本に戻れてます。」
と頭を下げた。
ルイは表情が硬いまま、
「気にしないで下さい。そもそも私が蒔いた種ですから。」
と言い、立ち去った。
「ちょっとルイー!」
コナーは、そう言いながら立ち上がり、ルイを追いかけて行く。
私は元シロリアンのルイの性格を知っているので、おそらくコナーは無視されるか、イライラされるのが目に見える。
彼はこうゆう時放って置いて欲しいタイプだと思う。
それを分かっているのか、エイプリルさんがコナーを止めようとしたが、スルスルと障害物を避け彼はルイの方へ行って、2人はロビーから消えてしまった。
そもそもルイにお礼を言いにここへ来たのだが、当初の目的は一瞬で完了してしまった。
私達は解散することになった。
△▼△▼△▼
次の日、話す約束をしていたオーガストさんと2人で庭のパーゴラで会った。
楓が紅葉しており、地面には落ち葉がひろがっている。
鳥達が飛んで来て、その鳥の名前をオーガストさんが教えてくれる。
地球のメジャーな鳥の名前は全て知ってるらしい。
私は結局、1ヶ月程度この迎賓館にお世話になることにした。
それは桃のこともあるが、オーガストさんのことをもっと知りたいし、現在の私を知って欲しいという理由もあった。
ざっくり自分のこれまでについて話した。
ずっと何故かプレアデス星人しか好きになれなかったこと、
ルイのこと、
最初はかっこいいと思ったが、最終的にコナーには恋愛感情がわかなかったこと、
桃のこと、
オーガストさんはそれを微笑みながら聞いていた。
彼といると3分の2は落ち着いて、3分の1はドキドキする不思議な感覚になる。
話し終わると、庭園を歩きながら今度はオーガストさんが話し出した。
彼はプレアデスで生まれて、昔から何故か動物が好きだったらしい。
そしてその知識をかわれ、プレアデスが組織する宇宙を調査するメンバーになった。
それが昨日話した宇宙船だった。
そして300年程巡り、プレアデスに帰って来たらコナーを主軸とした、人間とプレアデス星人とのハイブリッドの計画に抜擢されたらしい。
「このハイブリッド計画の付き人に、エイプリルと私が何故選ばれたのか分かりますか?」
オーガストさんの質問に私は首を振る。
「それは色々な理由がありますが、おそらくエイプリルは植物だけ、私は動物だけにしか恋愛感情を抱けないのも理由だと思います。」
え?な、え?
植物、と動物にしか恋愛感情を抱けないって言った?
びっくりして固まっている私にオーガストさんは続けた。
「このハイブリッド計画は人間とプレアデスの子供を作るのが目的です。
そもそもプレアデス星人には愛という感情はありますが、性的な感情や恋愛感情は薄い生物なんです。
なのでプレアデス同士で子孫を残す場合も、多くは推薦や選ばれた者同士が残す場合が多いです。」
さらにオーガストさんは続ける。
「そしてその中にも様々な性格の者がいて、私やエイプリルは変わったプレアデス星人なんです。
しかし、先程も言いましたが、人間ほど性感情がないので基本的には好き、愛という感情を抱いているだけです。
倫理的にも性的に付き合うのは禁止されてますしね。」
だとすると私の恋はプラトニックだったとしても馬だった時の方が叶ったんだろうか?
そんなの生まれ変わり損だ。
「なので、仮にですがコナーとエイプリルが付き合って、この計画が中止になることもありませんし、
私とエイプリルが付き合ってその子とコナーが付き合う、
あるいは私とコナーが付き合って人間の子孫を拒否する。
ということも起こらないわけです。
プレアデス星人は一途なので、基本的に複数人と付き合うということがないからです。」
そう彼は話した。
2名はプレアデスハイブリッド計画ベスト陣営ということは分かったが、だとすると矛盾する疑問も何個かあった。
「あの、人間はそもそも猿と色々な宇宙人とを混ぜて作られてますよね?ハイブリッドとなると、それはどうなるんでしょうか?」
私の疑問に彼は頷いて答えた。
「古代、猿と宇宙人を掛け合わせて人間が作られました。プレアデス星人もその1つです。
しかし現在、遺伝子操作は禁止されています。
ですがそうゆう流れがあり、近種ということで、お互いの合意があればプレアデス星人と人間の子孫を残すことは承認されています。」
11月の外だからか、すこしだけ風が冷たい。
空を見ると、高く青い。
雲が早く流れている。
「実は私はずっと人型の生物、プレアデス星人や人間や、獣人系宇宙人だとしても好きになれないと悟っていました。
そもそも一生性的な恋愛をしないプレアデス星人はけっこういます。心の中で愛していればそれでいいと思ってました。」
オーガストは今度は私の目をジッと見て話し出した。
これは私も分かる気がする。
人間にもAIにも他の宇宙人にも恋愛感情が抱けない。
プレアデス星人しか好きになれなかった。
「しかし、あなたがあの黒いペガサスの魂と知って、初めて人型の生物に恋愛感情のわく自分がいました。
なのでよければ、お付き合いを念頭に入れた友達になってもらえませんか?」
そう言われた。
初めて好きな人に好きと言われた。
しかし興奮してあーとなっているわけではなく、落ち着いていて、でも少しドキドキしてる。
私は馬から生まれ変わって来て、良かったかもしれない。




