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宇宙人に恋してる  作者: 02385


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ギャルとの遭遇

今回から人間の女主人公トミヤの視点に戻ります。




▼△▼△▼△






飛行機の軽く仕切られた席に座っている。

ジェット旅客機という物だ。初めて乗った。

窓には夕日が光り、眼下をオレンジと黄色に染めて琥珀のように揺れている。


その仕切られた通路を挟んで隣の席にその人はいた。

年齢は私と同じくらい、ショッキングピンクの肩まであるボブは軽くウェーブしている。

目はいわゆる英語のpeach色で薄いオレンジっぽく、

額に第3の目のようにウォーターオパールの様な物が付いている。

化粧は濃い目だが似合っていて、爪がキラキラして長い。

彼女はこちらと目が合うとパアッと笑って


「トミーなんか飲む?」


と聞いてきた。

ギャル。

どう見てもギャルだ。

何でギャルに話しかけられているのか?

それは



私のAIロボだから。



こうなった成り行きを説明しよう。




まず、なぜジェット旅客機という物に乗っているか?

それは慰安旅行だからだ。


私は一緒にいたAIロボが長年宇宙人にハッキングされ操作されていたと知り、ショックで落ち込んでいたが、本人から桁(けた)を何度も確認するくらいの慰謝料をもらった。


さらに推しにやぶれてもいたので

環境を新しくしてみようと東京の海が見えるマンションに引越したり、AIロボも買い替えた。

どうせなら友達のような今までだったら絶対選ばないロボにしようと思い、選んでいたら彼女になったのだ。


だからギャルは設定だ。

でも人間だったとしてもギャルというのは自分自身で設定出来るのかもしれないと思った。

ギャル=ギャルという振る舞い、なんだと思う。


そして友達が出来たら物理的に一緒に旅に出かけたくなった。

家にいても過去をモヤモヤ思い出すだけだ。

ということでここに座っている。


私はギャルAIに返事をした。


「ありがとう桃(もも)。炭酸水をもらおうかな。」


「OK、取ってくるからまっててー。」


彼女は立ち上がり、水を取りに行った。


エンジンなのか風を切る音なのかゴーという音がずっと聞こえている。

ジェット機というのは私の生まれたばかりの頃には一般的な交通手段だったらしいが、昔の蒸気機関車のような存在になりつつある。

なので今回の旅はこれに乗ること自体が目的でもある。


現在は個人で自動操縦型の小型艇(こがたてい)を所有している人やそれをレンタルするのが一般的になっているし、宇宙船を所有して乗り回している人もたまにいる。


そんなことを考えていると桃が帰ってきて、炭酸水を手渡された。

そして隣の席に座った彼女を改めて観察した。


人間に近いAIロボというのはカスタムはもちろん出来るが、基本的にみんな美形だ。

そういう言葉があるか分からないが、桃もタレ目の美ギャルだなと思いながら炭酸水を飲んでいたら、彼女が話し出した。


「実はさ、今コレ着てんだよねー。」


と言ってベビーピンク色のジャケットのボタンを外し、脱いだ。

その下に着ている服を見ると


『GAL』


とラインストーンなのかデコられた大きな文字が浮かび上がっている。

私は口に含んでいた炭酸水を全部吹き出してしまった。


GALを着たギャルは笑いながら話しかけてくる。


「いいっしょ、これ!」


ギャルにも色々いるんだろうけど、うちのギャルは最高のギャルだなと思いながら、私はビシャビシャの状態で爆笑していた。


その後すぐ桃は

持参していたアルコールか何かで笑いながら私と周辺を手早く拭いてくれた。

こうゆう所はAIぽいかな?と少し思った。

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