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宇宙人に恋してる  作者: 02369385


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22/44

5弦のバイオリン☆



▼△▼△▼△


ジョンさんとロビーで話してから一週間後、宇宙人迎賓館の小ホールでバイオリンの演奏会が行われることになった。


それはロビーでの彼との会話が発端だった。

こちらの世界とジョンさんの世界はバイオリンの弦の主流が違うらしい。


音楽に明るくなく知らなかったが、こちらの世界ではバイオリンは主に4本弦らしく、あちらの世界では5本弦が主流らしい。

そして彼は5弦のバイオリンを持ってこちらの世界に来た。

ではぜひ聞かせてもらいたいとなり、準備や他の用事もあるので一週間後に宇宙迎賓館にある小ホールで演奏してもらうことになった。


ホールは半地下室にあり、人間だったら100人入れるか入れないかぐらいの規模で、ステージが1番底にあり、それを観客席で囲んで上へ広がって行く形になっている。コロッセウムに似ている。

椅子は作り付けで大きく、背もたれや手すりがなく全て円状に繋がっており、その椅子の円でステージが囲まれて階段状になっている。


私は宇宙人同士の身内の集まりなので、10人か20人集まればいい方だと思っていたのだか、当日は80人程来ていた。

誘ったコナーやエヴァンさんはもちろんいたが、私の担当でない宇宙人や、その知り合いなのか謎の宇宙人やその知り合いの人間もいた。

そしてなんなら物理体ではない高次元の宇宙人も浮いている。

そんな中でジョンさんがステージに立ってお辞儀をした。


拍手が起こる。


彼は観客に臆することなく、先程話していたヴィヴァルディの秋という曲を弾き始めた。


ヴィヴァルディの名前は知っていたが、ちゃんと聴いたことは無かった。

だがものすごく上手いのは分かる。


次はこの世界では知られていないらしい、あちらの世界の5本弦を活かせる技巧的な曲を2曲弾いていた。


全て終わってお辞儀したジョンさんに拍手喝采が起こった。


▼△▼△▼△


演奏が終わったジョンさんを囲んでコナーとエヴァンさんと私だけがホールに残っている。


「ジョンさん天才!ヴィルトゥオーソ!僕あんなすごいの生で久しぶりに聴いたー!」


コナーはテンションが上がって飛び跳ねて話している。


エヴァンさんはしゃがんで


「ファンになりまシタ。」


と握手を求めていた。

おそらく2人はクラシックに詳しいので、すごさがより分かるのだろう。

コナーもエヴァンさんも人間の芸術的な方面にとても詳しい。とりあえず2人の内のどちらかに聞けば古典でも今流行りの物でも大概知っている。


これをきっかけに2人、あるいは他の宇宙人との交流が広がれば自然とジョンさんもこの世界に馴染んで行くだろう。



そもそもジョンさんが未来から来たのはこの世界に、ある作曲家の楽譜が存在するらしくそれを得るためだった。

誰も聞いたこともない作家だったが、確率的に1番高いのがここの世界で、そろそろ本格的に探そうとしている。


なので今回の演奏会は都合がいい。

演奏が終わって観客にその作曲家と楽譜の情報を求めている。

彼は多くの宇宙人や人間と連絡先も交換していたので、案外早く見つかるかもしれない。

そうしたら見つかった楽譜を彼にホールで演奏してほしい、という要望が出てきそうだなと思った。

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