未来人☆
今回からルイ視点に戻ります。
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私は都心の宇宙人迎賓館にある、パッと見てホテルのロビーのような場所にいた。
最近は忙しかった。
エヴァンさんの問題があらかた整理されたのが相手の家に乗り込んでから2週間後、つまり昨日のことだ。
もちろん今後もする事はあるが、予測よりも順調に進んでいる気がする。
それはありがたいのだが、さらに別の仕事も発生していた。
それはこの目の前の人物の接待だった。
彼は見た目が黒っぽい茶髪で顔や身長、肌の色など全ての人種を混ぜたような感じで特徴がない。
その人が話し出した。
「この世界線はボクの居た世界の30年前より科学技術が発達してないのでびっくりしました。」
多分普通の人が聞いたら何を言ってるか分からないと思うが、彼は未来人だ。
未来人と言ってもこの私達のいる世界の未来ではなく、少し違うが近い並行世界の地球から来ている。
彼は大理石に囲まれた普通の人用サイズのロビーで、大きめの革の椅子に慣れない感じで座っていた。
あちらの世界にはこんな椅子はなかったのかもしれない。
「ジョンさん、こちらの世界のルールや、物などの使い方のデータは先程あなたのAIへ入力しましたが、必要なことや分からないことがあればお聞きください。」
私は仕事モードで接待をしている。
そもそもこの地球では昔、宇宙人も未来人もごちゃごちゃに認識されていた。
そして「宇宙船を発見した=そこに乗っているのは宇宙人」という認識が何故かあり、一部の研究家以外は識別も出来ていなかった。
のちに宇宙人が世界の公式となり、それに伴って未来人の識別と存在も公式となった。
しかし彼らは宇宙船に乗っていたり、高度な技術によりタイムトラベルしてあちらの地球からこちらの地球に
来ている者がいるので、そうゆう人物は本来宇宙人ではないのだが、この宇宙人用の迎賓館で同じ括りで対応をすることになっている。
ローテーブルにAIがアイスティーを2つ置いて去って行った。
事前に私が2人分頼んで置いた物だ。11月なのに暑かったのでアイスにしてある。
ジョンさんは謎そうに紅茶を見つめて話し出した。
「あーこれが紅茶ですね。」
「そうです。ノンカフェインなので飲まれても大丈夫だと思いますが、ご自由になさって下さい。」
私の説明を聞いて、彼はおそるおそるコップを手に取りストローに口をつけた。
「…苦いですね。」
「甘くしたければ付属の透明カップを開けて入れて下さい。クリームを入れたければ白いカップを入れて下さい。」
ジョンさんの世界では無糖やストレートティーは一般的ではないのかもしれない。私はそう説明して、クリームの方を自分のグラスに入れ、刺さっているストローで混ぜて見せた。
彼は頷き、私のやり方をじっくりと見ながら、透明のカップを開けて同じようにして飲んだ。
今度は口に合った様で、ゴクゴク飲んでいる。
近い世界の未来人というのは近いので、こちら側のルールをあちら側のルールで無意識に判別してしまう時がある。
逆にまったく違う宇宙人の方がこの地球に馴染むのが早い場合もあるくらいだ。
なので人によっては過去の地球に来たというより、別の星に来たくらいの感覚で生活して下さい、と話す時もある。
実際並行世界は別の世界で別の地球なのだ。




