黒髪とヨハネス
今回は最初はルイ視点ですが、途中からヨハネス視点に変わります。
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それから3日後、私はエヴァンさんの部屋の巨大な神殿のような扉の前にいた。
彼に付いているメイドロボットや、ここの管理をしてる人間がその周りにいる。
彼らがいくら話しかけてもエヴァンさんが部屋から出なくなってしまったらしい。
何だか嫌な予感がする。
コナーも来ていて、大きな門の様な扉を叩いて大声で、話している。
「エヴァンさん!あれは本当にショックだったと思うけど…地底人とかと違って人間ってそうゆうことあるから!
あんまり落ち込まないでー!」
事情を知ってるような口ぶりだ。
やっぱり嫌な予感がする。
私は本当に久しぶりにコナーに話しかけた。
「コナー、事情を知ってるのか?だったら詳しく話せ。」
「えっ!ルイ、僕と話していいの?」
コナーはびっくりしてこちらを見下ろした。
「緊急事態だ。ここのこうゆう管理は私の仕事でもある。詳しく頼む。」
コナーは悲しい顔をしながら頷き、何故こんなことになったのか話し出した。
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日本はちょろい。
それが最近出した結論だ。
今までオーストリアやドイツにいて気づかなかったが、ここでオレの容姿はモテる方らしく、女も男もどんどんよって来る。
入れ食いってヤツ。
で、そうやって出来たツテでいつのまにか巨大な地底人とも付き合うことになった。
…え?どうすんの?と思ったが、それはまあ想像に任せる。なんとかなるもんだ。
モテるって最高だな。
カッコ良く作ってくれてお父さんお母さんありがとう。
ヨハネスは日本を楽しんでます。
さて今日は誰と遊ぼうかと講堂で思っていると、見慣れないイケメンが隣りに座った。
180㎝超えてて姿勢がいい黒髪。
明らかに東アジア人と言う顔で全体が整っている。横顔がカッコいい。
年齢はよく分からないが20代にも30代にも見える。
こんなイケメン普段からいたら気づかないはずがない。訳ありだろうか?
まあ何でもオレはいいけど、と思いながら誘おうとして違和感がした。
アレ?この人この前行った宇宙人用の迎賓館、シェーンブルン宮殿みたいな所にいなかったか?
と思ったらその黒髪は急にこちらをぐるっと見た。
真顔だ。
ひたすら真顔。
ずっと真顔で目をひたすらジッと見て来る。
冷や汗が出る。
無言が続く。…めっちゃ怖い。
オレは居た堪れず席を立った。
ヤバい。アイツはヤバい。
小走りで逃げた。
敷地も出て、大学の近くにあるマンションの玄関前のセキュリティを抜け、廊下を進み自分の部屋の扉を開けて閉めた。
そしてため息を付く。
もしあの黒髪が迎賓館にいた人なら国の関係者なのは間違いないだろう。
それがわざわざ大学まで来てる。
しかも何も言わずに真顔で見つめてくる。
地底人と揉めたことを法的に問いたいなら何かしゃべるのが普通だろう。
何がしたいのかよく分からない。
そう思いながら冷蔵庫の扉を開けながら水を出そうとして、また違和感に気がつく。
あれ?AIロボが寄って来ない。
オレは人型のイケメンAIロボを家に置いている。
帰って来たら何かしらこちらに話しかけるように設定してある。
…故障だろうか?こんな変な日にたまたまそんなこと起こるか?
恐る恐るロボがよく居る書斎へ向かった。
今時データとしてなら現物を買う必要は無いが、本の収集が趣味なのでそんな部屋がある。
扉は開いていた。
ゆっくり中をのぞく。
小さいすりガラスの窓から光を受け、AIがイスに座っていた。
良かった。
いつもの光景だ。
たまたま今日故障でもしたのか、そう思ってロボに近付いて行ったら、天井まで届く左側の本棚の前に
何かいた。
驚き過ぎて声が出ないまま、オレは床にへたり込んだ。
そこからその何かを見上げた。
薄暗いが見える。それは講堂にいた黒髪だった。




