64 ラーシャンクエスト、そして帰還へ。
「やりましたわっ!!」
ピョンピョン跳びながら体全身を使って嬉しさを表現するラーシャン。
少々興奮状態のようだ。
それも仕方ないのかもしれない。
半分以上、他人にやってもらったとはいえ、強敵に違いなかった相手を罠にはめ、その最後を自分がやってそして勝った。
まるで本当の冒険者のようだ。
燥いでも仕方が無かった。
「…ふむ、やったようだな。」
まぁ、それも満身創痍のシャランが自身の大剣を杖替わりにやって来るまでだったが。
「お姉様っ!」
「ふむ、疲れたがこの通り、ピンピンしているぞ。」
シャランのその姿を見、慌てて駆け寄ってくるラーシャンに、両手を広げ、怪我等無い事をアピールする。
ホッと息を吐くラーシャンに思わず優しい笑みが漏れた。
「…っ!!」
ただし、丸太の側に転げている人と原寸大の人形を見るまでだった。
思わず驚愕に目を見開く。
「お姉様?」
「おい、この人形はどうした!?」
そんなシャランの様子にラーシャンは困惑する。
思わず呼びかけたラーシャンの肩を掴み、シャランは人形の事を問い詰めた。
「いたっ、お、お姉様!?」
「うお、す、すまん。だが大切な事なんだ。答えてくれ。」
思わず呻いたラーシャンに、慌てて離れ謝るシャラン。
だが、その必死の形相は変わらなかった。
「…ビックベアーの中から飛び出してきましたわ。」
「…ビックベアーは?」
「霧のように霧散していきましたわ。」
「そんな、馬鹿なっ!い、いやそうとも考えられるか。」
シャランの様子にラーシャンはただならぬものを感じ取り、息を整えてから答えた。
その答えは予想していたのか、ビックベアーの肉体について聞き、その末路に驚き、驚いたと思ったら何故か一人で納得する。
「一人で納得していないで、なんなのか私にも教えてくださいっ!」
「……急いで帰るぞ。」
問い詰めるラーシャンに、帰ってから教えてやる。そういって急ぐシャランだった。
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