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魔王は最初の町の宿屋にいる。  作者: yosshy3304
第四章 魔王とお見合い騒動
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57 ラーシャンの冒険8

 「っ、まずい!」

 思わず呟いた言葉が外に出た。

 それを、好機と見たのか、いや、本能で相手が弱った瞬間を悟ったのだろうビックベアーがラーシャンに襲いかかった。

 「ぐっ、…この!」

 前足での一撃を避けるも、掠ったのか脇腹下の一部が裂ける。

 何とか、伸ばしていた腕に拳で一撃を加えるも、ほとんど効いてはいない。

 それどころか、自分の拳を痛めてしまった。

 「ふぅ、なんとか凌ぐのが精一杯か。」

 逃げることも考慮に入れて、しかし後ろから襲われないようにビックベアーと目は合わせたまま、少しづつ後ろに下がる。

 瞬間、ビックベアーが再びラーシャンの方に跳びこんできた。

 「チャンスっ!」

 その好機を見逃さず、すぐさま後方へ跳び退ると、二度三度と更に引き離す。

 木々の中にドンドン突き進み、何とかビックベアーから逃げ切れたと思った。

 突然、轟音と共にビックベアーが横に現れるまでは。

 「…そういえば、それがありましたわ。」

 ビックベアーが両手を広げ、後ろ脚に力を込めて前方へと跳んだのだろう。

 巨体を生かした一切の障害物を無視した体当たりである。

 真横に来たビックベアーの目とあった。

 ビックベアーは喜色の色を浮かばせる。

 牙を見せ、涎を垂らし獰猛に笑った。

 「ふむ、これがピンチというものか。」

 「へっ!?」

 ラーシャンが観念したと見たのか、口を開けて噛付きにきたビックベアー。

 諦めるものかと最後まで目を開いていたラーシャンに影が覆う。

 聞きなれた声で、自信満々に何処かズレタ呑気な言葉を呟きつつビックベアーの噛付きを、その自身の身長よりも大きい大剣で防ぎつつ、シャランがラーシャンを見ていた。

 「ふむ、中々にデカイな。」

 ギロリと擬音が付きそうな眼光でビックベアーを睨み付ける。

 本能に従い跳び退るビックベアー。

 「お姉様?」

 「ふむ。他に誰に見える?」

 ラーシャンの呟いた言葉に、やはりズレタ回答を返してきた。

 それはやはりシャランだった。

 シャランが間に合ったのだった。

誤字脱字の指摘ありましたら感想でお願いします。

またこんな駄文ですが、評価、感想の程お願いします。

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