51 ラーシャンの冒険3
「まずはEランクの依頼からがお勧めです。」
「ランク?」
「はい、冒険者にはランクというものが設定されています。ラーシャンさんは現在Fランクですが、Dランクのビルドさんを伸してしまう程の実力は証明されていますから、Eランクの、魔獣討伐関係がよろしいかと。」
ギルドの受付嬢にそう説明され、なんだかわからないが、ウキウキとしてきたラーシャン。
魔獣と言っても様々な種類が居り、天変地異を起こせるようなモノから、それこそ唯の凶悪な動物と言えるようなモノまで居る。
ラーシャンに進められたのは、巨大熊と呼ばれる大きい熊だった。
唯の熊だからと言って馬鹿にすることはできない。何故なら、後ろ脚で立ち上がる事が出来、その最大身長は確認されている最高値が12メートルに達するという。当然、その巨体に見合っただけの体重を有しており、何よりそんな巨体を持ちながら前足だけで木に登っていくという。
この最高値が確認されたのが、大型の魔獣が住む別地方の原生林の森が広がるジャングルだと言われているが、この近隣の魔の森でもそれなりの大きさを持った個体が確認されている。
更に追加でそう説明されて、ラーシャンの我慢の限界が訪れた。
「それに、します。」
ズイっとカウンターに乗り出し、受付嬢に宣言する。
「い、いえ、しかし…。」
身を乗り出したラーシャンに、気圧されながらラーシャンが初心者だと言う事を思い出した受付嬢が言いよどむ。
「そ・れ・に、します。」
「はい~…。」
しかし、ラーシャンはすでにやる気になっていた。
受付嬢に更にズイっと迫って、右手に持つ武器をチラつかせる。
先程の冒険者とのやり取りを見ている方からすれば、立派な脅迫といえるが、知らないものがこの光景を見ると、金タライをチラつかせ、受付嬢に迫っている若い女性となる。
何とも迫力に欠ける光景だった。
「う、受付完了しました。」
「よろしい。」
微妙に泣きながら、受付を完了させた受付嬢に向かってラーシャンは腰に手を当てて、胸を張ってそういった。
「で、どっちに行けばいいの?」
道を教え、ギルドの左右に開く両扉を押し開け、ラーシャンは元気に歩いて行った。
突っ伏した受付嬢を残して。
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