44 魔力切れ、失敗した脱出。
「いいか、メイズ。」
「うん、僕はいつでもいいよ。」
「よっしゃ、やれ!」
エンジの合図がでた瞬間、メイズから巨大な魔力が吹き出した。
物理防御魔法がなくとも、吸性特性を持つマグマを押し始めたのだ。
吸性特性の限界までメイズが魔力を注ぎ込んでいるのだ。
吸性特性が打ち消され、唯の炎の塊に変化する。
唯の炎ならば、炎の精霊たるエンジに操れないわけがなかった。
「今だ、走れぇ!」
メイズの魔力で吸性特性を打消し、エンジが炎を操ってトンネルにする。
単純な作戦であった。
だが、吸性特性がメイズを追って、向かってきた。
「うお、まずいまずいまずい。」
「ちょっ、エンジ来てるよ。」
エンジが操った炎の魔力も吸収し、吸性特性を再び付与しながら。
「っ!」
一つ問題が起きた。
メイズの魔力が切れかかっていたのだ。
メイズは魔王化の前に起きた戦闘から、魔力を限界を超えて放出しっぱなし。
当然、何時切れてもおかしくない状態であった。
「っ!おい、メイズ!?」
メイズは後少しで観測所と言うところで、蹲ってしまった。
何とか、物理防御魔法が間に合ったが、それでも息が荒い。魔力の放出も斑だ。
「だ、大丈夫か?」
「う、うん。」
エンジが心配し声を掛けるも、いつもの元気さが無かった。
「マジィな。なんとかしないと。」
「…ごめん。」
「いいってさ。」
エンジの呟きに、謝るメイズ。だが元々エンジを守ったりと、魔力を使いすぎている事は知っていたし、エンジはメイズを責める気など一切なかった。
「でも、マジどうしよう。」
「…僕がもっと魔力を持ってたらよかったのにね。」
「…意味無ぇんじゃないか、それ。」
「えっ?」
メイズは少々落ち込み気味にそう言い、エンジに否定されていた。
魔力が有っても意味がない。この場合、吸性特性が厄介なのだ。魔力量に反応しマグマの量が増えるから、当然魔力を吸収していくスピードが上がる。比例してそれ以上の魔力を放出し続けなければいけないからだ。
「…ああ~くそ、もう少し魔力制御をしっかりやっとくんだった。」
「!!」
エンジの後悔の言葉を聞き、何か閃いたメイズ。
エンジを近くに呼んだ。
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